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JP Morgan、Playtech株式を大量取得

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update 2021.08.31 15:22
JP Morgan、Playtech株式を大量取得

update 2021.08.31 15:22

Playtech株式を割安と判断し、機関投資家の買いが進む

米国を代表する大手投資銀行のJPモルガン(本社:270 Park Avenue New York, NY 10017[1])が、オンラインゲーム業界と金融業界のビッグカンパニーであるPlaytech PLC(本社:2nd Floor, St George's Court, Upper Church Street, Douglas, Isle of man IM1 1EE, United Kingdom[2])【以下、Playtechと称す】の発行済み株式総数の6.41%に相当する株式持ち分を取得したことが明らかとなった。

JPモルガンは、Playtech株式を主に現金による決済を行うエクイティスワップで取得するとともに、時価総額にして9,130万ポンド(1,200万ドル)に相当する2,030万株を、Playtech株式に変更可能な転換社債(Convertible Bond, CB)として有することになる。

Playtech株式を巡っては、過去数か月の間に、複数の機関投資家により、持ち分にして3%を超える株式の大量取得が行われている。10月初頭にはアイルランド・ダブリンを拠点とするバリュー投資家Setanta Asset Management(本社:Beresford Court, Beresford Place, Dubli 1, Ireland[3])がPlaytech株式総数の3%に当たる株式を取得したほか、9月初頭には英国を拠点とするヘッジファンドOdey Asset Management(本社:12 Upper Grosvenor Street, London, W1K2ND[4])がPlaytech株式総数の5%に当たる持ち分を取得している。

このように、機関投資家がPlaytech株式を買い漁る背景として、同社の株価が大きく変動していることか挙げられる。Playtechの極東地域のゲーム関連事業は低迷しており、2018年上半期決算が軟調であったことが投資家に失望され、株式は約52週間ぶりの安値水準まで大幅下落している。そのため機関投資家はPlaytech株式を割安だと判断して株式の購入を進めている模様だ。なお、Playtechの創業者であるTeddy Sagi氏は、直近2017年6月も含めセカンダリー市場で株式を売却を進めており、現在はPlaytech株式を6%保有するに留まっている。

release date 2018.10.16

出典元:

ニュースコメント

生き残りをかけるプレイテック

1999年に創業したプレイテックは、2012年にはロンドン証券取引所に上場しており、欧州を中心に、オンラインカジノやオンラインポーカー、スポーツベッティングなどを提供する会社として名が知られている。しかしながら、ゲーム市場の新規参入者増加による価格競争への対応に苦しんでおり、ゲーム事業はアジア地区を中心に低迷している。7月にはフィデリティ投信がプレイテック株を売却し、同社の株価は2013年初頭以来の低水準まで下落している。一方で、2018年上半期のプレイテックの業績は、純利益こそ減少したものの、金融部門のTradeTechの収益は増加している。また、プレイテックは、CFH GroupとAlpha Capitalの買収を行っており、既存の技術の補完や、独自のトレーディングプラットフォームや顧客管理(CRM)システムを提供するブローカーへのエンドツーエンドソリューションの提供を成功させている。さらには、先日、プレイテックが運営する海外FXブローカーのMarkets.comは大麻関連ブレンドCFDという、複数の大麻関連企業を1つのCFDとして提供するという斬新なアプローチで、新興市場の大麻関連ビジネスへ参入することを発表している。機関投資家による株式取得が続き、アジアにおける逆風など、厳しい環境下におかれるプレイテックであるが、生き残りをかけた同社の今後のアイデアにも注目していきたい。


Date

作成日

2018.10.16

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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