作成日
:2018.10.09
2022.07.18 16:46
オンラインゲーム業界と金融業のビッグカンパニーであるPlaytech(本社:2nd Floor, St George's Court, Upper Church Street, Douglas, Isle of Man IM1 1EE, United Kingdom
)が運営する海外FXブローカーのMarkets.comは、ここ数年著しく需要が拡大する大麻関連ビジネスを行う6社に投資が可能な大麻関連ブレンドCFDの提供を開始した。Markets.comは、マリファナやヘンプなど実物の大麻の販売を手掛けるわけではなく、複数の大麻関連企業を1つのCFDとして提供するという斬新なアプローチの仕方で、爆発的な注目を集める新興市場である大麻関連ビジネスに参入する。Markets.comが提供する大麻関連ブレンドCFDを構成する企業群に馴染みがないトレーダーもいるかもしれないが、大麻関連企業として米ナスダック証券取引所に初めて上場を果たした、カナダ拠点の医療用大麻の生産・販売を手掛けるクロノス・グループ(証券コード:CRON)、世界最大級の医療用大麻製造企業であるキャノピー・グロース(証券コード:CGC)、カナダの大麻関連医薬品メーカーであるティルレイ(証券コード:TLRY)ら6社で構成されている。
そこで、Markets.comのCEOであるJoe Rundle氏と、チーフマーケットアナリストであるNeil Wilson氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
大麻関連ブレンドCFDは他では取引のできない顧客志向に立った革新的な商品といえます。そして、大麻関連ブレンドCFDはインデックス(指数)のように捉えることができ、銘柄を新たに組入れることも除外することも可能で、市場の時価総額に応じて組み入れ比率を決められます。また、急成長を遂げる大麻関連の個別株式の値動きは非常に激しく、投資家の投資意欲を削ぐかもしれません。そこで複数の大麻関連株式をまとめたCFDを開発することで、市場のボラティリティを低減させつつ成長市場に投資を行う機会を逃さないようにすることができます。
Joe Rundle, CEO at Markets.com - Finance Magnatesより引用
我々が提供する大麻関連ブレンドCFDには、医療用大麻の製造から販売まで業界の川上から川下に渡る幅広い企業を組み入れています。そして大麻関連の個別株式は現在までのところ、幾分か流動性が懸念されるものの、時間の経過とともに、その問題は解決されるでしょう。我々は大麻関連ブレンドCFDの販売を通じ、より多くの大麻関連株式の取引が可能となり、お客様の取引コストを低減させることにもつながると考えております。
Neil Wilson, Chief Market Analyst at Markets.com - Finance Magnatesより引用
なお大麻関連は現在、投資家を熱狂させている非常にホットなテーマであるが、Markets.comではそれ以外にも、アップルやアマゾン、フェイスブックといった企業群に投資することができるeコマース、ソーシャルメディア、米国テクノロジー関連のブレンドCFDもトレードすることも可能だ。更に、ウォーレン・バフェット氏やカール・アイカーン氏、ビル・アックマン氏といった著名投資家のポートフォリオをコピーしたGurusブレンドや、貿易摩擦の行方を予想するTrade War Winners and Trade War LoserといったユニークなブレンドCFDも取り揃えている。
足元、欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)が8月に導入した新規制の影響もあり、FX・CFD業界の先行きには暗雲が立ち込めている。そのような環境下でも、Markets.comのように革新的で創造性溢れる新商品の開発を手掛けるブローカーも出てきていることは、明るい兆しといえよう。
release date 2018.10.9
近年、大麻関連ビジネスは拡大をみせている。2018年10月17日にはカナダにおいて先進7か国(G7)では初となる嗜好用大麻解禁が予定されており、市場のさらなる拡大が期待されることから、米国の証券取引所に上場する大麻関連株式銘柄群の株価は急伸している。例えば、前述のティルレイは7月18日の取引開始以来3倍ほど値上がりし、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。加えて、酒類販売の米コンステレーション・ブランズが、キャノピー・グローバルに38億ドル出資したことも、投資家の大麻関連株式への投資熱に拍車をかけているようである。世界の合法大麻市場は2021年には314億ドル(約3兆5,700億円)規模に膨れ上がれ、年平均成長率は60%にも及ぶと予想されている。大麻は欧州では既にオランダで少量の使用が容認されているほか、巨大市場を形成する米国でも、コロラド州やワシントン州などで合法化が相次いでおり、各国の政策動向には目が離せない展開が続きそうだ。一方で、株式の世界では大麻関連は高いボラティリティと流動性の低さが懸念されているが、Markets.comが手掛ける大麻関連ブレンドCFDが、これらの問題を解消に向かわせる起爆剤となり、投資家の大麻関連投資熱が更なる盛り上がりを見せることが期待される。なお、5月にMarkets.comはプラットフォームMarketsXという新サービスの立ち上げを計画していることを明らかにしている。また、親会社のPlaytechの業績は、2018年上半期は純利益は減少したものの、金融部門であるTradetechが好調な結果を記録している。
作成日
:2018.10.09
最終更新
:2022.07.18
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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