作成日
:2018.10.11
2021.08.31 15:22
SNS上で拡散された画像がきっかけとなり、インド大手の仮想通貨取引所を運営するUnocoin Technologies Pvt. Ltd.(#1041/12, 1st floor, 1st main, 4th Block, Rajajinagar, Dr. Rajkumar Road, Above State Bank of India, Bangalore - 560010, India
)【以下、Unocoinと称す】が、少なくとも5つの仮想通貨に対応したATMの導入を計画していることが明らかになった。拡散されたATM画像には、「Unocoin口座から即時入出金」、「Unocoinユーザー専用」、「クレジットカード、デビットカードは受け付けていません」などの文言が記載されており、SNS上で話題を集めた。
ATMがSNSで話題を集めたことに関しUnocoinのCEOであるSathvik Vishwanath氏は、同社が仮想通貨ATMをローンチする計画がある事実を認めており、運用開始まであと1週間程度必要であることをコメントしている。また、画像のATMには、ビットコイン(Bitcoin)、リップル(Ripple)、イーサリアム(Etherum)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、ライトコイン(Litecoin)など、5つの仮想通貨のロゴが見られることから、これらの仮想通貨に対応することも予測されている。
インドでは、インド政府が仮想通貨取引を全面禁止しており、銀行などの金融機関は、仮想通貨取引所との送受金ができなくなっている。そのため、Unocoinはインドルピーでの取引が完全に停止してしまった仮想通貨取引所の回避策として、仮想通貨同士の交換に限定した仮想通貨ATMの他に、仮想通貨同士で取引を行うUnodaxというプラットフォームの利用を促進している。
5月に立上げられたUnodaxは、4つの主要通貨のもと、60種類以上の仮想通貨ペアを取り扱っており、120万人のUnocoinユーザーを順調に取り込んでいるように映っている。しかし、Vishwanath氏は、インドの仮想通貨市場は、短期的な利益を求めて仮想通貨に投機投資を行なうよりも、長期的な投資商品として仮想通貨を購入している割合が多いため、インドルピーの代替として仮想通貨を利用したり保有するということは考えにくく、仮想通貨同士の取引を導入するには時期尚早であるとの見解を示している。このような状況下で、インドでは、もうひとつの大手取引所であるZebpayが業務停止に追い込まれているが、Unocoinがインド市場で活路を見出すことができるのか、今後の展開に注目していきたい。
release date 2018.10.11
世界的にビットコインや他の仮想通貨に対応したATMの需要が爆発的に増えているが、今までは、盛んに仮想通貨投資を行ってきた欧米中心に導入が進んできた。しかし、今月初めには、経済危機で急激なインフレーションが進むアルゼンチンで仮想通貨ATMの導入が計画されていることが伝えられ、いよいよ新興国への展開が本格化してきている。アルゼンチン同様、巨大なインド市場では仮想通貨が活発化しており、今回のUnocoinのニュースは、その流れを後押しする形となりSNSを賑わせた。インドでは、インド準備銀行(Reserve Bank of India,RBI)が真っ向から仮想通貨を否定していることが懸念として挙げられているが、仮想通貨経済の流れは止めることはできないだろう。事実、インド国内の仮想通貨取引所は、P2P取引や第三者の外部サービスを利用して、金融機関を介さない取引スキームを確立し、運営を継続している。現在では、このような取引を違法として扱っているものの、基本的に打つ手がないのが現状であろう。インド政府は仮想通貨への対応を改めるほかないのかもしれない。
作成日
:2018.10.11
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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