Select Language

ビッサム、分散型取引所の設立で世界進出を狙う

ビッサム、分散型取引所の設立で世界進出を狙う

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:22
ビッサム、分散型取引所の設立で世界進出を狙う

update 2021.08.31 15:22

ワン・ルート・ネットワークと提携し開発を進める

BTC KoreaCom Corporation(本社:17, Teheran-ro 16-gil, Gangnam-gu, Seoul, Korea[1])が運営する、韓国の大手仮想通貨取引所Bithumb【以下、ビッサムと称す】は、世界市場でのユーザー基盤を拡大するため、今後数か月内に新しく分散型取引所(DEX)を開設する中期計画があることを発表した。

ビッサムは、新しい分散型取引所を海外の子会社として設立し、世界市場へのアクセスポイントとなることを狙っている。この度発表された取引プラットフォームの開発は、2018年前半にイーサリアムブロックチェーンを基盤とした分散型取引所の立ち上げに成功しているワン・ルート・ネットワーク(OneRoot Network)との提携の下推進されているという。

世界でも主要な仮想通貨取引所であるビッサムの取引量は膨大で、今年4月のビッサムの業績は前年の171倍と報告されているが、その殆どが韓国内のユーザーの利用によるものだ。ライバルである仮想通貨取引所のバイナンスは、世界市場のユーザーを取り込むために2019年にも分散型取引所を新設することをすでに発表しており、今回のビッサムの計画は、それらを追従する動きとなる。

ビッサムやバイナンスなどの中央集権型の取引所は、ユーザーの取引注文を執行することに対する手数料によって大きな利益を上げてきたが、分散型取引所はそれとは全く違った構造となる。分散型取引所には管理者が存在しないため、顧客資産を取引所という一か所の場所で保管せず、分散型ネットワーク上で行われる取引を成立させるシステムのみを提供する。開発元が実質的な利益を享受することに関しては、取引毎に自動的に履行されるスマートコントラクトを介して、インセンティブを受け取ることができるとされている。バイナンスのCEOであるChangpeng Zhao氏の見解では、分散型取引所は業界の進むべき方向であるとし、市場でも徐々に認識され始めているという。

ビッサムやバイナンスなどの大手取引所が、世界市場で分散型取引所サービスの展開を実現すれば、新興市場の開拓が進むことが予測される。しかしその反面、仮想通貨に対してのノウハウや知識が欠如しているとの理由から、この流れを悲観的に見る投資家も少なくない。

米国証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission, SEC)のHester Peirce氏は以下のように警笛を鳴らしている。

仮想通貨投資は複雑で、それを正しく理解して投資できる投資家はほんの一握りでしょう。金融機関では、仮想通貨関連の新しい金融派生商品なども開発されています。例えば、最近ではビットコイン先物が新たに取引できるようになりました。

Hester Peirce, Commissioner of SEC - CCNより引用

分散型取引所の利用は、中央集権型の取引所のように運営企業によるサポートがないため、問題が起きた際には基本的にユーザーの自己責任となる。この点はよくデメリットとして挙げられているが、ビッサムのハッキングへの耐性やセキュリティの低さなどを考えると、ユーザーにとってはあまり大きな問題とならず、むしろユーザーはこの度のビッサムの分散型取引所のローンチを歓迎しているかもしれない。

release date 2018.10.5

出典元:

ニュースコメント

次世代の仮想通貨取引所として注目されるDEX

通称DEXといわれる分散型取引所は、従来の中央集権型取引所とは異なる特徴を持っている。両社の大きな違いとして、中央集権型の取引所では取引所が顧客資産及び顧客情報を管理し、その国の政府によって規制される場合がある。その一例が、中国の仮想通貨取引の規制強化である。一方、DEXには中央管理者が存在せず、顧客が自身の資産や情報を管理するため、政府による介入が実現しにくいとされている。DEXにおいては、今年6月に米国証券取引委員会に有価証券ではないとされたイーサリアムをベースに、ビッサムや、バイナンスなど大手取引所が開発に取り組んでおり、両社ともに2019年の開設を目指している。これが実現すれば仮想通貨取引の新しい道が切り開かれることになるであろう。仮想通貨市場の更なる発展に期待したい。


Date

作成日

2018.10.05

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

Funded7で出金が認められない事例が増加?ルールの不透明さが原因か

Funded7で出金拒否に関する投稿がSNS上で増加しており、利用者の間で不安が広がっています。「利益が取り消された」「短時間取引が理由で無効になった」などの報告が投稿されています。当記事では出金拒否の原因を整理し、他のプロップファームとFunded7のルールを比較します。
update2025.11.21 19:00

Exnessの乗り換え先としてXSはアリ?スペックを比較

取引環境の良さから玄人にも人気のExnessですが、最近は出金トラブルなどが発生しており、今後の取引環境に不安を抱くユーザーも増えています。本記事では、有力な乗り換え先であるXS.comと取引環境・条件を比較し、乗り換え先として相応しいかどうかを検討します。
update2025.11.20 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Money Charger(マネチャ)情報流出で問われるキャッシュバックサイトの運営体制と安全性

Money Chargerは2025年10月25日、ユーザーの個人情報が外部に流出したことを公表しました。キャッシュバックサイトはうまく活用すれば取引コストを抑えられる一方で、個人情報を扱う性質上、安全管理体制が極めて重要です。本記事では、安全性や透明性の観点から主要なキャッシュバックサイトを比較します。
update2025.11.17 19:00

Vantage Tradingが入出金額の上限を変更、100万円以上の出金は自動分割

海外FX業者のVantage Tradingが、銀行振込の入出金額の上限を変更しました。今後は銀行振込で一度に出金できる額が100万円に制限されます。本記事では、変更された条件や高額送金時の注意点などを説明します。
update2025.11.11 19:00

Bitgetが代替手段に?Bybitが日本撤退で日本ユーザーの新規登録禁止

Bybitが日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。Bybitの代替取引所としてはBitgetが挙げられ、Bybitと遜色ないサービスを利用できます。本記事では、Bitgetの特徴や海外取引所への規制動向などを解説します。
update2025.11.25 19:00
promotion promotion

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル
close
promotion
今すぐ参加する

次回から表示しない