作成日
:2018.09.26
2021.08.31 15:22
Google LLC(本店:1600 Amphitheatre Parkway, Mountain View, CA 94043, United States
)【以下、Googleと称す】は、仮想通貨関連の広告掲載に対する全面禁止措置の一部を解禁し、2018年10月より、事前に承認された広告主であれば特定の条件の下に広告を受け付けることを明らかにした。今年3月、Googleは仮想通貨やICOの広告掲載禁止を発表したが、これはFacebook, Inc.(本社:1601 Willow Road, Menlo Park, CA 94025, United States )【以下、Facebookと称す】が1月に先行して仮想通貨関連の広告掲載の禁止を発表したことを受けての動きであったとみられている。その後、Twitter, Inc.(本社:1355 Market Street, Suite 900, San Francisco, CA 94103, United States )【以下、Twitterと称す】も仮想通貨に対する世界的な規制強化の動きを受け、FacebookやGoogleに続くように3月下旬、Twitterによる仮想通貨関連の広告掲載禁止が発表され、3社ともに仮想通貨に対する厳しい姿勢を示していた。
Googleは現在、広告掲載の解禁にあたり、金融商品や金融サービスに関するポリシーを改定し、仮想通貨関連の広告を審査するプロセスの構築に取り組んでいる。今後、仮想通貨関連の広告掲載を希望する広告主には、適性を証明するための申請書の提出が義務付けられており、ライセンスの有無やバックグランドの情報などを含め、審査が行われるようだ。10月より、すべてのアカウントに同ルールが適用され、広告のターゲットとなる国で広告主がGoogleの承認を受けることが広告掲載の条件となっている。
この度の仮想通貨の広告掲載解禁の動きが業界に大きな影響を与えたことは間違いなく、Googleが米国で人気の仮想通貨取引所であるコインベースの広告掲載を許可した2日後に、Facebookでもコインベースの広告が掲載されたことが確認されている。Facebookは、以前から広告禁止措置について再検討の必要性を感じており、6月には一部の仮想通貨の広告については出稿を許可している。また、最近では仮想通貨市場の値動きが落ち着いていることからも、仮想通貨関連の広告をこれ以上禁止する正当性を見出せなくなったと考えられる。
一方、仮想通貨関連の広告に関して慎重なGoogleだが、興味深いことに、同社は2012年以降ブロックチェーン技術の開発を行う6つの企業に関与しており、世界で2番目にブロックチェーンへの投資に積極的な企業となっている。GoogleとFacebookの最大手2社が対応方針を転換させた今、Twitterを含む業界大手企業が今後どのような動きをみせるのか注目が集まっている。
release date 2018.9.26
Googleは仮想通貨やICOに関する広告の一切の掲載禁止を発表していたが、この度の仮想通貨関連の広告掲載の解禁発表を受け、仮想通貨を提供しているブローカーや業界にとって、非常に明るいニュースとなった。Googleの発表によると、今年10月から日本と米国においては、事前に規制当局から承認された広告主(仮想通貨取引所等)が特定の条件の下で広告枠を買うことを可能にするという。今回の発表では、解禁となるのは日本と米国限定となるようだが、これまでの仮想通貨関連広告の全面禁止措置が撤廃されたことは、仮想通貨業界に対し金融規制当局の規制強化への取り組みが評価されたのではないかとみられる。なお、この解禁発表は仮想通貨関連の全面解禁ではなく、ICO(イニシャルコインオファリング)、ウォレット、取引アドバイスについての広告は10月以降も禁止されている。しかしながら、GoogleやFacebookが仮想通貨広告に対する姿勢を軟化させたことを受け、他のソーシャルメディアも今後の対応を見直すことになるだろう。 今回のGoogleによる決定は、先日発表されたLINEのLINKトークン発行や、仮想通貨交換業者の登録を目指している楽天など、仮想通貨業界への参入を表明している大手企業にとっても朗報となるだろう。今後も引き続き、ソーシャルメディア業界の動向に注目したい。
作成日
:2018.09.26
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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