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OKEx創始者スター・シュー氏、詐欺疑惑で上海警察に拘束

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update 2021.08.31 15:22
OKEx創始者スター・シュー氏、詐欺疑惑で上海警察に拘束

update 2021.08.31 15:22

シュー氏は詐欺疑惑を全面否定

大手仮想通貨取引所、OKEX Technology Company Limited(本社:255 Gloucester Road, Causeway Bay Hong Kong[1])【以下、OKExと称す】の創始者でありOKCoinのCEOでもあるスター・シュー氏は、今月10日、上海警察に24時間拘束されたことが明らかとなった。シュー氏は、拘束理由について、投資詐欺がらみのトラブルであることを強く否定している。

地元紙の報道によると、シュー氏が株式を保有するとされるブロックチェーンを活用したWiFiシェアリングプロジェクトのWFEE Coinの詐欺に関与したという疑いがかけられているという。WFEEのICO(イニシャル・コイン・オファリング)によって発行されたWFEE Coinは、ローンチ以来価格を下げ続けており、今ではほぼゼロに近いところで推移しており、プロジェクトの開発やプロモーション面でも進捗がないことから投資家グループの不満となっていたことは想像に難くない。これが原因で、シュー氏は投資家グループの通報により詐欺容疑で警察に連行されたと報道されている。

しかしながら、別の情報源によると、投資家グループの不満はOKExのシステムに関するものであり前者をフェイクニュースとして否定しており、情報が錯綜しているようだ。

OKExは、9月5日にビットコイン価格が下落を見せる中システムクラッシュを発生させており、およそ3億中国元規模の経済損失を招いた。ユーザーは、ポジションの決済や立て直しなどの一切の身動きが取れず、特にレバレッジ取引を行っていたものに関しては、大きな損害を被ったことが考えられる。さらに、OKExは、今年7月にビットコイン投資家が保有する460億円相当の大口の先物買いポジションが抱える含み損を清算するために、含み益となっている他社の先物ポジションを強制的に決済している。OKExは、ソーシャライズドクローバックと呼ばれるポリシーに則った当然な予防措置だとしているが、多くの投資家が不利益を被り、不満が積もる要因となったことは間違いないだろう。

シュー氏はこれらの損害に対し、自身はOKExの経営とは関わりがないことを強調した上で、高い専門知識や経験を必要とするレバレッジ取引は一般の投資家には適さないと語っており、あくまでも今回の件は投資家の自己責任であると主張したことも、投資家の不満が増大した要因であると考えられる。

OKExのCOOであるアンディ・チェン氏はWFEE Coinとの関連性に関し以下のようにコメントしている。

シュー氏は、WFEE Coinとの資本関係はありません。確かに、WFEEはOKExの運営元であるOKブロックチェーンキャピタル(OK Blockcain Capital, OKBC)を含む複数の企業から投資を受けたが、ホワイトペーパーの変更やチームメンバーの再編に関して、OKBCは何も報告を受けていません。

Andy Cheung, COO at OKEx - Twitterより引用

また、シュー氏本人も今回の警察への連行騒動を以下のように弁明している。

上海で誰かが私が詐欺をしていると通報しました。従って、潔白を証明するためにこの騒動の経緯を警察署に説明に行ったのです。

Star Xu, Founder of OKEx and CEO at OKCoin - Weiboより引用

OKExは、Huobiやバイナンスと並ぶ中国3大取引所と呼ばれており、取引量の多さでは世界でも5本の指に入る大規模な仮想通貨取引所である。今年4月にOKExはマルタへの本拠地移転を発表しており、その後マルタ証券取引所とOKMSX(セキュリティトークンに特化した取引プラットフォーム)の開発を共同で取り組むなど、マルタから世界へ向けたサービス提供を目指している。シュー氏はすでに釈放されているものの、この度の報道が仮想通貨ビジネス拡大を目指すOKExにとって大きなダメージになったことは間違いないだろう。

release date 2018.9.14

出典元:

ニュースコメント

増加の一途を辿るICO

ICOとは「Initial Coin Offering」の略で、仮想通貨を使用した資金調達方法であり、企業などが独自のトークンを発行し販売することで資金を調達する手段である。トークン発行者は、低コストで短期間にて多額の資金調達ができるため、仮想通貨が注目され始めた2017年より爆発的に増加している。また投資家にとっては、少額から投資が可能であることや、トークンが値上がりすれば大きなリターンが得られことから、魅力的な投資方法として人気がある。しかし一方で、ICOに対する規制が整っていないことから不正行為や詐欺も多く、各国規制当局は規制強化などの対応に追われているのが現状だ。これまでに、中国はいち早くICOの全面禁止処置を行い、日本においては禁止はされていないものの2017年10月に日本金融庁よりICOの注意喚起が行われている。投資家は、ICOへの投資を行う前にリスクを理解し、ホワイトペーパーにて投資内容の詳細を十分に認識することが必要だろう。


Date

作成日

2018.09.14

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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