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アラブ首長国連邦、ICOに関する規制を承認の見込み

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update 2021.08.31 15:22
アラブ首長国連邦、ICOに関する規制を承認の見込み

update 2021.08.31 15:22

トークンを有価証券と同等とみなし、健全な利用を促す

アラブ首長国連邦(UAE)の証券規制当局であるSecurities and Commodities Authority【以下、SCAと称す】は、これまで自由に敢行されていた国内のイニシャルコインオファリング(デジタル通貨やトークン発行による資金調達、ICO)をルール化し、発行されたトークンを有価証券とみなす規制を承認する見通しであることが明らかになった。[1]SCAは現在、他国のICOの運用状況の調査しており、より効果的な方法を模索して具体的な規制内容を決定するようである。

近年、SCAは、国内の証券取引市場における経済活動の活発化やサービスレベルの向上に取り組んでおり、フィンテックなどの新しいテクノロジーに対しても、肯定的な見方を示している。また、今回のICO規制も、証券やコモディティのデジタル化など新テクノロジーに順応するためのプロジェクトの一部として推進されているという。このようなことから、アラブ首長国連邦における仮想通貨やICOなどを取り巻く環境の整備が進むことが予測され、より健全で透明性の高い市場となることが期待される。

一方で、SCAは今年に入り、投資家の自衛意識を促すために、ICOに参加するリスクを正しく認識するよう呼びかけている。ICOは、プロジェクトごとに固有の特性を抱えており、トークンの値動きも激しく投機性が強いことから、十分な注意が必要である。また、SCAは、ICOを主催する側に対しても、プロジェクトのコンプライアンスを強化する目的で、国内で適応される法律や規制に関して当局に適切なアドバイスを求めるよう要請している。

release date 2018.9.11

出典元:

ニュースコメント

アラブ首長国連邦の仮想通貨への取り組み

近年のアラブ首長国連邦の発展には目を見張るものがあり、特に仮想通貨やブロックチェーン技術においては、その進歩は著しい。同国の副大統領兼首相兼ドバイ首長国首長であるシェイク・ムハンマド殿下は、かねてよりブロックチェーン技術と仮想通貨取引を認めており、ドバイ全土を未来技術国家にする意気込みを見せている。またドバイ政府は、ドバイ経済省の子会社であるEmcreditと、イギリスに拠点を置くブロックチェーンのスタートアップ企業Object Tech Grpとパートナーシップを組み、独自仮想通貨emCashの発行も目指している。

世界各国では、ICO規制強化への動きが強まっており、7月にはタイでICOの新規制が発効され、8月にはフィリピンにおいてもICOの規制草案が承認されている。アラブ首長国連邦は仮想通貨とICO規制の導入をかねてより検討しており、昨年9月には同国の規制当局であるドバイ金融サービス機構がICOへの警告を投資家に対して発している。今回の発表では具体的な規制内容の発表はなかったが、仮想通貨の技術やICO規制による法整備も進んだアラブ首長国連邦の今後に期待したい。


Date

作成日

2018.09.11

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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