Select Language

ニューヨーク州金融サービス局、ジェミニドルを承認

ニューヨーク州金融サービス局、ジェミニドルを承認

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:22
ニューヨーク州金融サービス局、ジェミニドルを承認

update 2021.08.31 15:22

世界初となるイーサリアムベースのステーブルコイン、ウィンクルボス兄弟が運営するジェミニから発行

ニューヨーク州金融サービス局(The New York State Department of Financial Services)【以下、NYDFSと称す】は、米国最大の仮想通貨取引所であるGemini Trust(本社:600 Third Avenue, 2nd Floor, New York, NY 10016[1])【以下、ジェミニと称す】が申請していたイーサリアムベースのステーブルコイン、ジェミニドル(Gemini Dollar, USGT)の発行を正式に承認したことが明らかになった。これにより、ジェミニドルは、NYDFSより世界で初めて認可されたステーブルコインとなる。

ステーブルコインとは、従来の仮想通貨のような急激な価格変動をなくしたトークンである。

ジェミニドルは、イーサリアムブロックチェーン上で発行されるステーブルコインであり、日常的な支払いに利用できるトークンとなることを最終的な目的として開発された。特定の口座へ米ドルによる入金を持って発行されるため、通常マイニングのプロセスによって発行される仮想通貨とは根本的に通貨システムが異なっている。入金された資金は、ジェミニが提携する米国大手金融会社であるState Streetの連邦預金保険公社(The Federal Deposit Insurance Corporation, FDIC)の保険付き口座にて、ジェミニドルの価値を裏付ける担保として管理される。また、第三者機関により、入金された資金が本当に存在しているかどうかの定期的な監査が実施されることで、さらにその信用を高めている。ジェミニドルは承認が下りた10日から利用が開始されている。

ジェミニの共同設立者でCEOであるTyler Winklevoss氏は、ジェミニドルのコンセプトを以下のようにコメントしている。

一般的に金と交換で買い物をすることはないでしょう。アップル社の株式と交換で買い物することもないでしょう。通常は、それらを法定通貨に変換して利用する必要があります。我々は、法定通貨をブロックチェーン上で管理することで効率的な支払い手段として利用したいのです。

Tyler Winklevoss, Co-Founder and CEO at Gemini Trust - Forbesより引用

NYDFSは、今回、ジェミニドルのほかにも、米国の大手仮想通貨取引所itBitの親会社であるPaxosが申請したステーブルコインに対しても発行の承認を与えている。NYDFSによれば、これら2件の承認には、規制に関する監督を行うことと取引所での悪質な価格操作や資金洗浄などに悪用しないことが条件として付随しており、企業が高いコンプライアンス意識を持ってニューヨーク州の規制枠組みの中でどれだけ力を発揮できるか試すことが目的だという。ステーブルコインの挑戦は、結果はどうあれ米国仮想通貨市場においてひとつの試金石となるであろう。

ジェミニは、業界では有名人となっているウィンクルボス兄弟によって設立された、仮想通貨取引事業やデジタル資産の管理などを生業とする企業である。ウィンクルボス兄弟は、今年3月にウィンクルボス兄弟はビットコインETFの上場申請を、バッツ・グローバル・マーケッツからしたものの、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission, SEC)より却下され、その後再び6月に再申請を行ったが、残念ながら2度目となるウィンクルボス兄弟のビットコインETF申請も却下という結果となった。2度の申請却下となったビットコインETFだが、ウィンクルボス兄弟は今後も上場を目指し注力していくことを表明しており、今後の動向に注目が集まっている。

release date 2018.9.11

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨に代わる、次世代型のステーブルコイン

ステーブルコインは、仮想通貨のデメリットである価格変動の激しさを補う仮想通貨として注目されており、他の通貨と価値を連動することにより一定の価値を保ち、急激な価格変動が無く安定して利用できる特徴を持つ。法定通貨と連動する法定通貨担保型、仮想通貨と連動する仮想通貨担保型などがあるが、最も安定度が高いものは法定通貨担保型となる。仮想通貨の価格変動に不安がある者にとっては、特定の法定通貨に連動するステーブルコインは魅力的かもしれない。最近では、マルタを拠点に活動するスタシスが、ステーブルコインとなるユーロ建てのステーブルコイン、EURSを開始している。


Date

作成日

2018.09.11

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

話題のDCJPYとJPYCの違い|海外FXの入出金に使えるのは?

DCJPYというデジタル通貨が話題となっています。一方で、海外FXユーザーの間ではJPYCへの期待も高まっています。本記事では、DCJPYとJPYCの特徴や違いを比較し、海外FXトレーダーにとってどちらが送金手段の選択肢となるのかを解説します。
update2025.09.26 19:30

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル