Select Language

米証券取引委員会がウィンクルボス・ビットコインETFを否決

米証券取引委員会がウィンクルボス・ビットコインETFを否決

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:24
米証券取引委員会がウィンクルボス・ビットコインETFを否決

update 2021.08.31 15:24

世界初のビットコインETFへの期待は高かったが・・・

2017年3月11日、世界初のビットコイン上場投資信託【Exchange Traded Fund:以下、ETFと称す】として注目を集めていた、双子のウィンクルボス兄弟によるWinklevoss Bitcoin TrustのETFについて、アメリカ証券取引委員会【Securities and Exchange Commssion:以下、SECと称す】が上場を認めない決定を発表した。

ウィンクルボス兄弟は世界初のビットコインETFを目指し、当初はNASDAQからの上場を目指していた。しかし、幾度にもわたり申請保留・延期となり、事態の進展が見られないことで、申請を取り下げ、海外進出やM&Aを盛んに行っているバッツ・グローバル・マーケッツからの上場に切り替え、SECからの承認回答を待っていた。
もし今回のビットコインETFが認可された場合、金融市場におけるビットコインの信頼度や流動性がさらに増すと、市場では大きな期待が寄せられていた中での否決となった。

米SECがビットコインETFを否決した理由

今回、SECがビットコインETFを否認した理由として、SECからの公式声明では、次のように発表を出している。

当委員会では、取引にあたり取引活動の監視、及び不正操作に対する抑止を行う責任を持っている。当規約の第6条b-5項では、詐欺行為や不正操作を防止し、投資家や公益を保護するための規則を設けている。
しかしながら、ビットコイン市場においては、当委員会が上記規約を用いて監視を行うことが出来ず、規約の変更を行うことが難しいと判断し、今回の否決に至った。

Eduardo A. Aleman, Assistant Secretary
- SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION(2017.03.10発表)より引用

SECでは、ビットコイン取引にあたり、不正取引の防止や投資家保護の面で整備不十分と判断したことが大きいようである。円やドルのような通貨の場合、国家や銀行といった組織が運営・管理を行っているが、現在のビットコインのシステムは、通貨を管理する組織が存在せず、インターネットに接続されているパソコンから利用者全員が取引履歴を閲覧できる仕組み、ブロックチェーンと呼ばれるシステムを採用している。
銀行で言う口座番号にあたる、ビットコインアドレスには個人情報が含まれていないため、利用者全員が履歴を閲覧した場合であっても匿名性の高い取引が可能となるが、管理組織が存在しないため、取引中のトラブルやミスについては、全て利用者の責任となる。

SECが今回のビットコインETFを承認することになると、SECがこれらの取引監視を行う必要がある。しかし、現在のビットコインシステムでは、SECがその責任を負うのは難しいという判断に至ったのが、今回の結論となる。

多くの可能性を秘めているビットコインETF

一方、SECでは、今後のビットコインETFについて、将来性も示唆している。

当委員会では、ビットコイン市場は発展過程において、まだ初期の段階にあり、今後ビットコイン関連市場はさらに大きくなると見ている。市場拡大に伴い、当委員会では現状及び今後の動向を見据えながら、当規約の必要条件を満たすものとなるかを判断していく。

Eduardo A. Aleman, Assistant Secretary
- SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION(2017.03.10発表)より引用

今回は否決に至ったビットコインETFだが、今後のビットコイン市場拡大の可能性も秘めており、市場では引き続き注目度の高い通貨として取引されていくことになるだろう。
なお、今回否決となったWinklevoss Bitcoin Trustの他、現在、複数の団体がビットコインETFの認可申請を行っている。そのうち、Solidx Bitcoin Trustの認可承認回答期限が3月30日に迫っている。


Date

作成日

2017.03.11

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

またコピトレ詐欺か?WeekendFXにAmazingTick型の詐欺疑惑

WeekendFXのコピートレードに参加したユーザーが、「出金できなくなった」と次々に声を上げ始めています。AmazingTickの詐欺事例との類似点も多く、同じ手口のコピトレ詐欺なのではないかという疑惑が持ち上がっています。
update2025.06.23 19:00

高値更新のBTCでVantageが500倍レバレッジを解禁!業界最高水準の取引環境を提示

海外FX業者のVantage Tradingが、BTCUSDとETHUSDのレバレッジを500倍に引き上げることを発表しました。主要な海外FX業者のレバレッジ・スプレッドを比較し、Vantage Tradingがどのようなトレーダーに向いているのかを説明します。
update2025.06.20 19:00

Exnessの出金遅延はなぜ起きた?オンラインカジノ規制の影響とは

海外FX業者のExnessでは、国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

Bybitが一部のWeb3サービスを段階的に廃止|計12のサービスが対象に

2025年4月16日、大手海外取引所のBybitが、Web3関連サービスの一部の段階的廃止を発表しました。廃止対象は、クラウドウォレットやNFTマーケットプレイスなどです。該当するサービスの利用者は、資産の移動など早急な対応が必要となります。
update2025.04.18 19:00

XS.comがスワップフリー銘柄を追加!エネルギーを低コストで取引可能に

海外FX業者のXS.comが、スワップフリーの対象銘柄の追加を発表しました。XS.comのスワップフリーの対象銘柄・適用期間のほか、変更前と比較してどの程度コストを抑えられるのかも説明します。
update2025.05.08 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル