作成日
:2024.07.25
2024.08.20 04:05
FBTCは、ビットコイン(BTC)に1:1でペッグされたクロスチェーン対応の仮想通貨(暗号資産)です。様々なブロックチェーンに対応し、DeFiプロトコルでの運用を可能にすることで、ビットコインの有用性の向上を目指しています。
当記事では、FBTCの概要や特徴、将来性、リスクなどについて解説します。
FBTCは、ビットコイン(BTC)と1:1でペッグ(価格連動)した、クロスチェーン対応のラップドトークンです。
画像引用:Ignition
Ignitionというプロジェクトの中核を担う仮想通貨(暗号資産)とされており、イーサリアムのレイヤー2などを開発するMantleや、機関投資家向けのデジタル資産プラットフォームであるAntalpha Primeの支援を受けて開発が進められています。
なお、ユーザーがFBTCを入手したい場合、保有しているBTCをカストディアンに預けることでFBTCをミント(発行)できます。反対に、FBTCをカストディアンがバーン(焼却処理)すると、預けていたBTCを引き出すことができます。
この仕組みにより、FBTCはビットコイン価格と1:1でのペッグを実現しています。
FBTCはクロスチェーンに対応しており、ユーザーは異なるブロックチェーン間でFBTCを移動できます。例えば、イーサリアム上にあるFBTCを、他のブロックチェーンに移動させるといったことが可能です。
複数のブロックチェーンに対応することで、様々なDeFiプロトコルでのFBTCの運用を可能にします。これにより、従来のビットコインにはなかった利回りを生み出し、ユーティリティやユースケースの拡大を目指しています。
なお、当記事執筆現在(2024年7月22日)、FBTCはEthereum(イーサリアム)とMantle(マントル)の2つのブロックチェーンに対応している状況です。今後はEVM、EVM非採用の主要ネットワークにも拡大していくとしています。
画像引用:Ignition
FBTCは、レンディング、ステーキング、イールドファーミングなど、様々なDeFiサービスで運用できます。例えば、FBTCを担保にして他の仮想通貨(暗号資産)を借り入れたり、流動性プールにFBTCを提供してLP報酬を得たりといった運用方法が想定できます。
これにより、ビットコインを使ってDeFiへの参加が可能になり、従来のビットコインでは得られなかった新しい収益機会が生まれます。
FBTCの将来性について、以下の3点から考察します。
FBTCを利用することで、遊休状態にあるビットコインを積極的に運用できるようになります。流動性提供、担保資産としての活用、ステーキングなど、様々な方法で利回りを得られます。
また、FBTCは複数のブロックチェーン間を移動できるため、ユーザーは市場の状況に応じて柔軟に運用方法を変更できます。例えば、あるブロックチェーン上でより有利な運用機会が生じた場合、FBTCをそのネットワークに移動させて運用するといったことも可能です。
このように、FBTCを活用することで、より効率的なビットコイン運用を実現できる可能性があります。
画像引用:Ignition
Ignitionは、FBTCの利回りオプションを提供するプロジェクトとコラボレーションをしています。
当記事執筆現在(2024年7月22日)、FBTCの公式サイトでは、以下などのプロジェクトがコラボレーション先として挙げられています。
今後、FBTCを運用できるプロジェクトがさらに増えていくことで、ビットコインの運用手段がより多様化していくと考えられます。
FBTCの公式ドキュメントでは、「Locked FBTC」というトークンについても言及されています。ドキュメントによると、自動で利回り生成しない通常のFBTCとは異なり、Locked FBTCは利回り生成のために特別に調整されていると記載されています。
当記事執筆時点(2024年7月22日)で詳細は明らかになっていませんが、保有しているビットコインを最大限に活用して利回りを獲得したいユーザーにとっては、魅力的な運用の選択肢となるかもしれません。
FBTCのリスクについて、以下の3点から考察します。
FBTCはラップドトークンの一種です。あくまでもビットコインとは異なるため、ビットコイン価格とのデペッグ(価格乖離)が発生するリスクも考えられます。
もし、ユーザー資産を保管しているウォレットにハッキングなどが発生した場合、FBTCの価格がデペッグしてしまう可能性は否定できないでしょう。
スマートコントラクトのリスクは、DeFiプロトコルに見られる代表的なリスクです。FBTCのスマートコントラクトにも、脆弱性やバグが含まれている可能性があります。
なお、これらのリスクを最小限に抑えるため、FBTCはSecure3やMixbytesなど複数の監査企業の監査を受け、レポートを公開しています。
ビットコインの可能性を拡大しようとするプロジェクトは、FBTCだけではありません。例えば、Wrapped Bitcoin(WBTC)のように、FBTCの競合となりうるプロジェクトはすでに存在しています。
FBTCが競合プロジェクトに対して優位性を保つことができない場合、FBTCは市場シェアを拡大できない可能性もあります。
FBTCは、ビットコインの利用範囲を拡大する可能性を秘めたプロジェクトです。様々なネットワークでのビットコイン運用を可能にすることで、ビットコイン保有者により効率的な収益機会を提供します。
今後、FBTCがビットコインの可能性を大きく広げていけるのか、これからの動向に注目です。
作成日
:2024.07.25
最終更新
:2024.08.20
フリーランスのWebライター。ブロックチェーンがもたらす非中央集権的な世界観に惚れ込み、暗号資産・NFT・ブロックチェーンゲームなどweb3のジャンルにしぼって記事を執筆。自らの暗号資産投資やNFT売買の経験を活かし、暗号資産の投資情報をできる限りわかりやすくお届けします。
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