作成日
:2024.04.02
2024.04.05 16:49
仮想通貨(暗号資産)ENAは、イーサリアム上で開発されているDeFi(分散型金融)プロトコル、Ethenaのガバナンストークンです。2024年3月29日、大手取引所のBinance(バイナンス)がローンチプールでのENAの取り扱いを発表したことで注目を集めています。
Ethenaは、USDeというステーブルコインを発行しています。ユーザーは、USDeをEthena上でステーキングすることで、利回りを獲得できます。
当記事では、仮想通貨ENAの将来性、X(旧Twitter)での評判、EthenaやUSDeの特徴などを解説します。
2024年3月29日、大手海外取引所のBinance(バイナンス)は、ローンチプールでの仮想通貨(暗号資産)ENAの取り扱いを発表しました。
画像引用:Binance
Binanceのローンチプールとは、指定の仮想通貨を預けることで特定のトークンがもらえるイベントです。ENAのローンチプールの条件は以下の通りです。
なお、Binanceへの上場日時は2024年4月2日午後5時(日本時間)で、取引可能な通貨ペアは以下の通りです。
仮想通貨(暗号資産)ENAは、DeFi(分散型金融)プロトコルのEthenaのネイティブトークンです。Ethenaにおけるガバナンストークンとして利用されます。
画像引用:Ethena
DeFi(ディーファイ)とは、銀行や仮想通貨(暗号資産)取引所などの金融サービスの分野でブロックチェーンを活用した、分散型金融と呼ばれる金融エコシステムです。分散型金融を意味する英語の「Decentralized Finance」の頭文字を取ってこのように呼ばれます。
ガバナンストークンとは、DeFi(分散型金融)のサービスにおいて、プロジェクトの新しい機能の追加・削除・変更や、開発などの方針の提案(投票)を行う権利を持つトークンのことです。ガバナンストークンを多くの利用者に配ることは、プロジェクトの分散化を目的としており、保有者はDeFiサービスの運用に関わることができます。
具体的には、Ethenaに関する以下のような事項を決定する際に、ENAを用いて投票が行われます。
画像引用:CoinMarketCap
仮想通貨(暗号資産)ENAは、2024年4月2日に上場してから徐々に価格を上昇させ、約135円までの上昇を記録しています。その後、一時的に下落する場面もありましたが、2024年4月3日時点では反発を見せている状況です。
しかし、まだ取引所に上場して間もないため、今後の価格推移についてはもう少し動向をチェックしていく必要がありそうです。
Ethenaは、USDeというステーブルコインを発行するDeFiプロトコルです。Dragonfly CapitalやGalaxy Digitalなど、大手VC(ベンチャーキャピタル)から資金提供を受けており、注目を集めています。
画像引用:Ethena
ステーブルコインとは、価格の安定性を確保するため、特定の資産と価値が連動するように設計された仮想通貨(暗号資産)のことです。仮想通貨は、価格の上下動が激しいため、決済手段として実用性に課題があります。その課題を解決するためにステーブルコインが開発されました。
USDeはsynthetic dollar(合成ドル)と呼ばれており、米ドルに連動する一種のステーブルコインのようなものとされています。
画像引用:Ethena
USDeの大きな特徴が、イーサリアムのステーキングなどから発生する利回りを獲得できる点です。
USDeの保有者には、「イーサリアムのステーキングから得られる利回り」と「イーサリアムの永久先物契約のショート(売り)ポジション」の2つから発生する利子が分配される仕組みとなっています。当記事執筆現在(2024年4月2日)では、35.4%の年間利回りが提供されています。
ステーキングとはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨で採用される仕組みで、ブロックチェーンの維持に貢献する対価として報酬を得ることを指します。また、仮想通貨を貸し出して報酬を得られるサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
永久先物契約は現物のやり取りをせず差益決済のみを目的とした取引で、レバレッジをかけた短期トレードに向いています。
USDeは一般的なステーブルコインとは異なる仕組みとなっています。そのため、Ethenaの公式ドキュメントでは、以下のような注意書きが見られます。
USDeの利回りを得るには、EthenaのプラットフォームでUSDeをステーキングする必要があります。USDeをEthena上でステーキングすると、ユーザーはsUSDe(staked USDe)という引換券のようなトークンを受け取れます。
USDeのステーキングで獲得できる利回りは、ユーザーに直接支払われるわけではなく、sUSDeの価格が時間の経過とともに上昇する形で配布されます。つまり、sUSDeのステーキングを解除してUSDeを受け取る際、当初ステーキングした数量よりも多くのUSDeを受け取ることができます。
Ethenaが発行するUSDeには、以下のようなリスクがあると考えられます。
資金調達リスクは、資金調達率が持続的にマイナスになるリスクです。Ethenaは、イーサリアムのショートポジションを保有することで金利を獲得し、USDeの利回りを発生させています。しかし、資金調達率がマイナスになってしまった場合、逆に金利を支払う必要が生じます。
カストディアルリスクは、Ethenaが裏付け資産の管理を外部のプロバイダーに依存していることにより発生するリスクです。
Ethenaは、Binance、Bybit、Bitget、Deribit、OKXなどの中央集権型取引所でデリバティブ取引を行います。したがって、これらの取引所でFTXのような問題が発生するリスクは常につきまといます。
FTXはハイリスクな経営を行っており、手持ち資金が枯渇して顧客資産を払い出せない状況に陥りました。競合のBinance(バイナンス)が買収による救済を模索するも結局失敗に終わり、2022年11月11日、米連邦破産法11条(チャプター11)に基づいて破産申請し、経営破綻しました。
Ethenaでは、USDeの担保資産(stETHなど)が永久先物ポジションの原資産(ETH)と異なるというリスクがあります。
仮想通貨(暗号資産)ENAは、取引所への上場前から、分散型取引所Aevoのプレマーケット(先行上場取引)などで取引されており、話題となっています。
また、Aevo公式アカウントによるENA関連の投稿や、Bitget日本公式アカウントのENA上場記念キャンペーンを実施する旨の投稿なども見られ、盛り上がりを見せています。
仮想通貨(暗号資産)ENAの将来性に関わるポイントとして、以下の項目などが挙げられます。
当記事執筆現在(2024年4月2日)、EthenaのUSDeは35.4%ものAPYを提供しています。
年間の獲得報酬量を表す単位には、主にAPRとAPYが用いられます。APRは複利を考慮せずに計算されますが、APYの計算では複利が考慮されます。そのため同じ報酬額でも、どちらを用いて表すかによって数値が変わります。単位に何を用いるかは取引所によってさまざまです。
過去に、このような高水準の利回りを提供していたプラットフォームとして、Anchor protocolが挙げられます。Anchor protocolは仮想通貨LUNAの価格変動を利用して高い利回りを生み出していたプロトコルとされており、その高利回りに疑問の声もありました。結果的に、Anchor protocolはLUNAの価格暴落と共に崩壊しています。
これに対し、Ethena Labの創業者Guy Young氏は、「USDeの利回りは検証可能である。USDeの利回りはステーキング収益と、永久先物契約のショートポジションから生まれている」と延べています。
利回りの源泉が明確であり、検証可能である点は、ユーザーに安心感を与える材料の一つだといえるかもしれません。
Ethena Labsは、Dragonfly CapitalやGalaxy Digital、Binance Labs、BitMEXの元CEOであるArthur Hayes氏など、仮想通貨業界を代表する大手VC、投資家から資金提供を受けています。2024年2月には、シードラウンドにて、1,400万ドルもの資金調達に成功したことを発表しました。
画像引用:Ethena
過去に受けた出資額をあわせると、Ethena Labsの合計の調達金額は2,000万ドルを超えています。
Ethenaが発行するUSDeは、全てのステーブルコインの中でも時価総額5位に位置しています(2024年4月2日現在)。
2024年2月19日にUSDeが正式リリースされたことを考えると、短期間で時価総額を伸ばしてきたことがわかります。今後、USDeにより大きな注目が集まりユーザー数も増加した場合、仮想通貨ENAにもよい影響があるかもしれません。
仮想通貨(暗号資産)ENAの総供給量は、150億ENAに設定されています。配分先と配分比率は以下となっており、Binanceローンチプールや投資家、エコシステムなどに配分されています。
番号 |
説明 |
---|---|
1 |
2.0%がBinanceローンチプールに割り当てられています。 |
2 |
25.0%が投資家に割り当てられています。 |
3 |
30.0%がチームに割り当てられています。 |
4 |
15.0%が財団に割り当てられています。 |
5 |
28.0%がエコシステムに割り当てられています。 |
上記の通り、投資家とチーム(アドバイザーを含む)への割り当てを合わせると総供給量の55%を占めています。
投資家とチームに割り当てられたENAは配布から1年間はロックされるものの、1年経過時点に25%がロック解除、その後は3年かけて毎月徐々にロック解除され、売買が可能になります。
トークンのリリースから1年間は、大規模な売り圧が発生する可能性は低いと考えられます。一方、1年経過後は投資家およびチームによるENAの売却が可能となるため、価格動向には注視しておく必要があるかもしれません。
画像引用:Ethena
2024年4月3日現在、仮想通貨(暗号資産)ENAは、日本国内の取引所では取り扱われていませんが、多くの海外取引所で取り扱われています。各海外取引所におけるENAの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
仮想通貨取引所 | 現物 | デリバティブ |
---|---|---|
(バイビット) |
◯ |
◯ |
(バイナンス) |
◯ |
◯ |
(ゲート) |
◯ |
◯ |
(メクシー) |
◯ |
◯ |
(ビンエックス) |
◯ |
◯ |
(ビットゲット) |
◯ |
× |
(コインイーエックス) |
◯ |
× |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
海外の取引所であれば、日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。
Bybitでは、3つの手順でENAを購入できます。
まずは以下のリンクをクリックし、ENAの購入ページ(ENA/USDT)にアクセスします。
なお、Bybitを利用するには口座を開設し、本人確認(KYC)レベル1を完了させておく必要があります。
ここでは最もシンプルな「成行」での購入方法を紹介します。成行でENAを購入するには、以下のように操作をして「ENAを買う」をクリックします。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
「買い」または「売り」 |
「買い」を選びます。 |
2 |
注文方法 |
成行を選びます。 |
3 |
注文価格 |
購入したい数量を入力します。 |
ENAはUSDTを支払って購入します。そのため、USDTの残高が十分でない場合は、入金や両替が必要です。
内容を確認して「ENAを買う」をクリックします。注文は即座に確定し、購入したENAは現物アカウント残高に反映されます。
以下の記事では、買い方に関してより詳しく説明しています。有利な価格を指定する「指値」の使い方なども解説しています。
Ethenaでは、ステーキング収益と永久先物契約のショートポジションを利回りの源泉とした、USDeという新しいステーブルコインを発行しています。仮想通貨(暗号資産)ENAは、そんなEthenaにおけるガバナンストークンとして機能し、保有者はプロトコルの方向性に関与できます。
ステーブルコインの動向に注目している方は、Ethenaや仮想通貨ENAも注視しておくとよいかもしれません。
作成日
:2024.04.02
最終更新
:2024.04.05
フリーランスのWebライター。ブロックチェーンがもたらす非中央集権的な世界観に惚れ込み、暗号資産・NFT・ブロックチェーンゲームなどweb3のジャンルにしぼって記事を執筆。自らの暗号資産投資やNFT売買の経験を活かし、暗号資産の投資情報をできる限りわかりやすくお届けします。
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