作成日
:2023.09.07
2023.09.07 22:47
2023年9月のポンド相場は、英国経済の見通しに注目です。
緩和継続とキャリートレードによりポンド円は底堅い
9月のポンド円相場は、円安要因により底堅く推移し、円安要因が強ければ上昇する可能性もあると考えています。
7月にYCC(イールドカーブ・コントロール)で目指す金利目標が修正されたことで、日銀が金融政策を正常に戻す可能性が高まるかと思われました。しかしマーケットでは緩和政策の継続と受け止められ円安が進む展開となっています。
円安が進んでいる1つの原因として、キャリートレードが挙げられます。キャリートレードとは、低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことで金利差分の利益を得る手法です。日本以外の主要国では、コロナ後のインフレ抑制のために利上げ合戦が行われてきました。一方、日本はマイナス金利政策を継続し、低金利を維持しています。
その結果、低金利通貨である日本円が売られて、高金利通貨が買われているのです。したがって、マイナス金利解除の話が出てこない限り、日銀が緩和政策を継続すると受け止められるのではないかと考えています。
ただし、円安が進みすぎた場合の円買い介入には注意が必要です。昨年はドル円が145円を超えたあたりから口先介入が、150円前後で円買い介入が実施されました。円買い介入(口先介入)が実施されれば、円高が進みポンド円が下落します。ポンド円はレンジもしくは上昇目線で考えていますが、介入によるポンド円下落には警戒しておきましょう。
円買い介入、口先介入には要注意!
8月末時点におけるポンド円日足チャートです。8月のポンド円は、上昇トレンドを描いています。
画像引用:Tradingview
画像引用:Tradingview
ドルは底堅く、ポンドドルはレンジか下落!
米ドルは底堅く推移し、ポンドと綱引き状態でレンジを形成するものの、ポンド売りが加速し始めるとポンドドルは下落すると考えています。
8月に注目されていたジャクソンホール会議において、FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、年内1度の利上げを示唆し、来年の利下げに対して消極的な姿勢を示しました。追加利上げの時期や可能性などについては、今後のデータ次第というスタンスを維持しています。
またジャクソンホール会議では、物価目標の変更など金融政策の考え方が変更されるのではないかとの思惑がありましたが、現状維持で大きな変更点はありませんでした。このようにFRBがタカ派の姿勢であると確認されたことで米ドルは底堅く推移しています。
さらに米国は各国と比較して、特に強い経済を維持しています。英国や欧州諸国ではインフレを抑制するためにハイペースで利上げを進めてきました。利上げによりインフレは抑えられていますが、同時に景気後退も大きく進んでおり、為替レートや株価の悪化が懸念されています。
対して、米国は同様にハイペースで利上げを進めてきましたが、雇用市場の数値が良く、なお経済は強いままです。したがって、強い米国経済を好んだ投資家によってドル買いが進んでいます。積極的なドル買いが継続するとは思えませんが、ドル買いが続く限り米ドルは底堅く推移すると考えられます。
また利上げは終了するかもしれませんが、バランスシートの縮小は進んでいます。ドルの供給量が低下することでドルの価値が高まることもドル買いの要因になると考えています。
大きな景気後退につながるような指標結果が出てこない限りはドルは底堅い!
8月末時点におけるポンドドルの日足チャートです。8月末のポンドドルは、方向感がない状態が続いています。
画像引用:Tradingview
画像引用:Tradingview
英国は物価高、賃上げ率の鈍化、さらに景気後退も懸念されてます。したがってBOEの追加利上げによるポンド買いよりも、ポンド売りの方が強くなり、ポンドは上値が抑えると考えています。
英国のCPI(消費者物価指数)は低下していますが、エネルギーや食品を除いたコア指数は高止まりしています。インフレを抑制するために、BOEは利上げを進めていますが、すでにマーケットではあと2回の利上げが織り込み済みとなっています。
さらに追加利上げするとなればポンドが買われるかもしれませんが、経済状況を見る限り、追加利上げは上限が近いと考えられるでしょう。
英国のGDPを見ると、英国の経済成長は鈍化しておりマイナス成長の可能性もあり得ます。さらに景気の先行指標として注目されている購買担当者景気指数(PMI)は、製造業が42.5、サービス業が48.7、総合が47.9という結果でした。
どの数値も好不況の分岐点である50を下回っており不景気を見通す形となっており、製造や消費が低下していくと考えられます。また賃上げ率も鈍化しています。賃金の上昇が物価上昇に追い付かないことも消費活動の低下の原因に繋がるでしょう。
このように、英国経済は厳しい状況にあります。物価が大きく低下する、景気見通しが上方修正されるなど、ポジティブな経済指標が出てこない限りは、ポンドは長期的に上値を抑えられると考えています。
9月のポンドは上値が重くなると予想しています。
作成日
:2023.09.07
最終更新
:2023.09.07
英ポンドを中心にトレードを行う大学生トレーダーで、2021年の合計利益は4,000万円にのぼる。公式Twitterでもテクニカル分析等の情報発信を行い、フォロワー数は5,000人以上。ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせた手法を用い、Myforexでは月初にポンド通貨ペアの戦略を連載している。
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