作成日
:2023.09.06
2023.09.23 16:34
Patexは、ラテンアメリカ地域を対象としたブロックチェーンプロジェクトです。独自仮想通貨(暗号資産)PATEXトークンを軸に、各種サービスを通じてラテンアメリカ地域の発展に貢献します。また、CBDC(中央銀行デジタル通貨)の採用も狙っています。
当記事では、Patexの概要を説明した上で、柱となる3つのサービスの詳細、PATEXトークンの特徴などを解説していきます。
画像引用:Patex公式X(旧ツイッター)
Patexは、ラテンアメリカ地域をターゲットとしたブロックチェーンプロジェクトです。ラテンアメリカ地域は6億7,000万人の人口と5.5兆ドルの経済規模を誇っており、巨大な経済圏です。
この経済圏で、PATEXトークンを中心にエコシステムを形成します。当記事執筆時点(2023年9月1日)でPATEXトークンはリリースされておらず、WePadなどでIDOが実施されます。
IDOはイニシャルDEXオファリングの略称で、DEX(分散型取引所)を通じた新規の仮想通貨販売を意味します。取引所が実施するIEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)と比較して、案件数が多いことが特徴的です。
なお、開発チームには、BinanceやCrypto.comなどのブラジル代表を務めたRicardo Da Ros氏や、HuobiやKucoinでラテンアメリカ事業のCOOを務めたJulio Matias Part氏などが名を連ねています。
Patexは、ラテンアメリカ地域に仮想通貨ソリューションを提供します。特に、仮想通貨取引やCBDC開発、教育、キャリアの分野の各方面でエコシステムを構築する見通しです。
CBDCは、中央銀行発行の独自デジタル通貨を指します。中国のデジタル人民元を筆頭に、各国でその開発が進められています。法定通貨と同等の価値を持ち、ウォレットを通じて決済可能なことから、次世代のインフラとして期待されています。
画像引用:Maker DAO
Patexは、DAOMakerでIDOを実施中、そしてWePadでIDOを実施します。DAOMakerでは、合計60万ドル相当のPATEXトークンを販売する見通しです。また、WePadでは20万ドル相当を販売します。
Patexのエコシステムには、3つの柱となるサービスがあります。「C-Patex Exchange」「Patex Network」「Patex Campus」のそれぞれの詳細は、次の通りです。
C-Patex Exchangeは、2014年に設立された中央集権型の仮想通貨取引プラットフォームです。ラテンアメリカ地域向けの取引所としてサービスを提供しており、顧客数は400万以上です。
ビットコインやイーサリアムなど、主要な仮想通貨を取引できます。取引可能な銘柄数は10台に絞っており、USDTとの通貨ペアで取引可能という特徴があります。
KYCを完了したユーザーは、デモ取引ができるようになる見込みです。デモ口座の残高は100USDTで、デモ口座用の資金をPATEXトークンで購入できます。
C-Patex Specsは報酬システムで、C-Patex Exchangeを利用するとポイントがもらえます。このポイントを消費することで、さまざまな特典を受けられる予定です。
ローンチパッドは、新規仮想通貨のトークンセールです。仮想通貨プロジェクトが資金調達目的で実施するもので、新規仮想通貨の上場前に、ユーザーに購入機会を提供します。
リファーラルシステムは、新規ユーザーの紹介制度です。日本ではアフィリエイトとして知られています。新規ユーザーを誘ってC-Patex Exchangeで口座を作ってもらうと、新規ユーザーが支払った取引手数料の一部を報酬としてもらえます。
C-Freezerとは、C-Patex Exchangeで仮想通貨を保有するだけで、仮想通貨をもらえる仕組みです。どんな仮想通貨をどれくらいもらえるかという条件については、仮想通貨プロジェクトごとに異なります。
Patex NetworkはPatexエコシステムを支えるブロックチェーンであり、イーサリアム(ETH)のレイヤー2ブロックチェーンです。
多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。
PATEXトークンやCBDCの発行・運用が可能なほか、次の機能を実装しています。
Patex Explorerは、Patex Network上のトランザクションを検索する機能です。
画像引用:Patex Explorer
Patex Bridgeは、クロスチェーンブリッジです。異なるブロックチェーンを跨いで、PATEXトークンやその他仮想通貨を送金できます。
クロスチェーンブリッジとは、複数のブロックチェーンをつないで規格の異なる仮想通貨を相互に利用可能にする技術です。この技術が普及すれば、ブロックチェーンを跨いで仮想通貨をやり取りできます。ブロックチェーンが乱立している現在、クロスチェーンブリッジは重要な存在です。
Patex Walletは、非カストディアルウォレットです。Patex Networkやその他ブロックチェーンの仮想通貨の送受金に対応しています。
非カストディアルウォレットは取引所のウォレットなどと異なり、特定の管理者の承認なく利用可能です。仮想通貨の保管だけでなく、DeFi(分散型金融)・ブロックチェーンゲーム・NFTマーケットプレイスなどのDApp(分散型アプリ)にアクセスできます。
Patex Campusは、仮想通貨、CBDC、ブロックチェーンなどを勉強できるツールです。大きく2つに分けられ、全部で6つのレベルがあります。
仮想通貨の基本的な知識を学習できます。最初の2つのコースについては、ラテンアメリカ居住者向けに無料で提供されます。
ブロックチェーンに関するより専門的な知識を学習できます。受講者は、マーケティングや開発などの選択肢から選んで学びます。
Patexの将来性は、エコシステムの成長にかかっています。関連するものとしては、以下が挙げられます。
画像引用:GlobeNewswire
Patexは、Acura Capitalから出資を受けました。Acura Capitalはブラジル最大の投資会社で、Patexの株式の10%を1,000万ドルで取得しています。この結果、Patex株式の評価額は1億ドルに達しました。
Patexは、ラテンアメリカ地域における主要なCBDCプラットフォームとして機能する可能性があります。
また、ブラジルはCBDCの開発を進めており、2024年5月に第1段階の公開を目指しています。PatexでCBDCが公開されれば、大きな発展を期待できます。
Patexは、2022年第4四半期から2024年第1四半期までのロードマップを公開しています。
2023年第3四半期に、Patex WalletとC-Patex Exchangeのリワードシステムに続き、Patex Campusの立ち上げ、IDOの実施、CoinGeckoへの情報掲載、PATEXトークンの上場が予定されています。
2023年第4四半期には、政府機関職員へのトレーニング施設やPatex Bridgeの立ち上げが予定されています。
2024年第1四半期には、政府との連携強化やCBDCプラットフォームとしての地位確立が計画されています。
PATEXトークンは、800万通貨を上限に徐々に発行され、初期価格は1USDTに設定されています。
ユーザーは、取引所で購入するだけでなく、友人を紹介してエコシステムに招き入れたり、特定のタスクを完了したり、開発活動に貢献することで、PATEXトークンを獲得できます。
PATEXトークンは、ガバナンストークンおよびユーティリティトークンとして使用される予定で、以下の利用例があります。
PATEXトークンを使用して、改善提案に対して賛成票または反対票を投じることができ、プロジェクトの運営に関与できます。
PATEXトークンは、C-Patex Exchangeでの取引手数料の支払いに利用できます。PATEXトークンで支払えば、取引手数料が減額されます。
PATEXトークン保有者は、C-Patex Exchangeにおけるローンチパッドでより多くの割当数量を得られます。
ユーザーは、PATEXトークンを預け入れ、ステーキングを通じて受動的な収入を獲得できます。
ステーキングとはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨で採用される仕組みで、ブロックチェーンの維持に貢献する対価として報酬を得ることを指します。また、仮想通貨を貸し出して報酬を得られるサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
PATEXトークンは、Patex Campusのサブスクリプションやコンテンツ利用料支払いで利用できます。
PATEXトークンは、バーンによって長期的に価格が上昇するように設計されています。
バーンとは、仮想通貨を永久に使えなくする行為を指し、仮想通貨を特定のウォレットに送ることで実行できます。そして、そのウォレットの秘密鍵は開発者を含めて誰も知りません。すなわち、送金したら最後、その中の仮想通貨は二度と使えなくなるため、あたかも紙幣が焼却(バーン)されたのと同様になります。
バーンが実行されれば、供給量が減少するので、価格が上昇しやすくなります。
Patex Networkの特徴としては、次のようなものが挙げられます。
Patex Networkは、100名のバリデータによって運営されます。
バリデータは、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)のブロックチェーンにおいて、トランザクションの承認などブロックチェーンの維持のために活動します。
バリデータには、信頼できる人物が選出されます。バリデータになるには、Patexのホームページから申し込みした上で、審査に合格しなければなりません。
Patex Networkにおけるトランザクション手数料は、ETHで支払われ、50%がバリデータに、残りの50%が開発チームに割り当てられます。
バリデータに割り当てられた資金は、個々のバリデータに分配されます。分配の際には、スマートコントラクトへのPATEXトークンの預入数量が多いバリデータが優遇されます。
Patex Networkは、Proof of Valueによる報酬モデルを採用しています。
各ブロックには0.01PATEXが割り当てられ、ブロック内でトランザクションを実行したユーザーに分配されます。この報酬は、4万5,000ブロック毎にまとめて付与されます。
Patexロールアップは、Patexが採用するロールアップ方法です。
ロールアップは、トランザクションを外部ネットワークで行う技術であり、処理速度の向上やガス代の低減などを実現します。
Patexロールアップは、トランザクションを圧縮し、イーサリアムへまとめて書き込みます。
Patexロールアップは、親ブロックチェーンであるイーサリアムのコンセンサスアルゴリズムを活用するので、セキュリティ面での安全性が保証されています。
コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックを生成するためのルールです。PoWやPoSに加え、DPoS(デリゲーテッド・プルーフ・オブ・ステーク)などがあります。それぞれ長所や短所があり、開発思想などの違いによって使い分けられています。
PATEXは1億ドルの評価額を得ています。また、期待通りにCBDCに採用されれば、ラテンアメリカ地域でプレゼンスを高めることができます。今後の発展に期待です。
作成日
:2023.09.06
最終更新
:2023.09.23
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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