作成日
:2023.07.18
2024.08.22 08:43
分散型ウォレットのメタマスク(MetaMask)では、手軽に仮想通貨(暗号資産)を交換できるスワップ機能が提供されています。メタマスク上で仮想通貨の交換が完結するため、メタマスクと取引所間での入出金の手間や、送金ミスの心配がありません。
この記事では、メタマスクのスワップ方法やメリット・デメリット、スワップ失敗時の対処法などを解説します。
メタマスク(MetaMask)では、2020年10月より仮想通貨(暗号資産)同士を交換するスワップ機能が提供されています。スワップ機能を利用すれば、取引所を使って売買する必要がなく、メタマスク上で別の仮想通貨に交換可能です。
メタマスクのスワップ機能は、PCまたはモバイルアプリ内のウォレットから利用できます。また、ブラウザからポートフォリオDapp(portfolio.metamask.io)にアクセスし、利用することも可能です。
ポートフォリオDappとは、メタマスクが提供する様々な機能を集約したワンストップサービスです。ポートフォリオ確認機能に加え、仮想通貨の購入やLidoなどと提携したETHのリキッドステーキング、ブリッジなど複数の機能を手軽に利用できるプラットフォームです。
メタマスク(MetaMask)のスワップは、メタマスクが直接仮想通貨(暗号資産)のスワップを行っている訳ではありません。メタマスクは仲介者として、複数のDEXやDEXアグリゲーターの中から最適な価格を提供しています。
DEX(分散型取引所)とは、ブロックチェーンを活用することで、中央管理者が不在でも仮想通貨を取引できる取引所のことです。一方、DEXアグリゲーターは、複数のDEXの中から最適なレートで仮想通貨をスワップできる取引所を提示してくれるサービスです。
メタマスクのスワップは、以下のブロックチェーンに対応しています。
メタマスクのスワップ機能を利用することで、同一チェーン内の別の仮想通貨に手軽に交換可能です。当記事執筆現在(2023年7月)、イーサリアムチェーンではETH・USDT・DAI・SHIBなど、およそ40種類の仮想通貨が交換対象となっています。
メタマスク(MetaMask)のスワップ機能を使った仮想通貨(暗号資産)の交換には、以下のようなメリットがあります。
メタマスクでスワップするもっとも大きなメリットは、その手軽さでしょう。
例えば、メタマスクで管理している仮想通貨を、Bybit(バイビット)などの中央集権取引所で別の仮想通貨に交換する場合、以下の3ステップが必要です。
また、送金の際にウォレットアドレスの入力を間違えると、仮想通貨を失うリスクもあります。しかし、メタマスクのスワップ機能を使えば、メタマスク上で簡単に仮想通貨の交換を完結できます。
メタマスクのスワップなら、ガス代がスワップ時の1回で済む点もメリットです。
メタマスクと取引所間で仮想通貨を送金する場合、往復分のガス代がかかります。ガス代はネットワークの混雑度合いによって変動するため、場合によっては高額になることもあるため注意が必要です。
ガス代とは、ブロックチェーン上でトークンを送付する際やスマートコントラクト実行時などに発生する手数料です。トランザクションの検証作業を行うマイナーやバリデータへの報酬としての側面も持ちます。
ただし、メタマスクのスワップ機能では、ガス代のほかにメタマスク側に支払う手数料が発生します。利用する際には、この手数料も含めて判断が必要です。
通常、仮想通貨取引所からメタマスクなどプライベートウォレットへの送金は、トラベルルールの影響を受けません。しかし、Twitter(ツイッター)上では「国内取引所からメタマスクへの送金に丸一日かかった」といった投稿が見られ、実際は送金遅延などの影響を受けていることがわかります。
一方、メタマスクのスワップ機能で仮想通貨を交換する場合には、トラベルルールを気にする必要はありません。
取引所の顧客が仮想通貨を送金する際、送金元の取引所が送金先の取引所に一定の情報を通知するというルールです。このルールは、FATF(金融活動作業部会)が定める国際基準です。マネーロンダリングやテロ資金対策を目的としており、日本もこの基準に準拠して法整備を進めています。
メタマスク(MetaMask)でのスワップは手軽な反面、以下のようなデメリットもあります。
メタマスクで仮想通貨(暗号資産)をスワップする場合、スワップ時にかかるガス代のほかに、メタマスクに支払う手数料が必要です。この手数料は、メタマスクのサービス改善のための開発に使われるとされています。
公式サイトでは、手数料は「0.875%」と記載されていますが、実際に見積りをとると「0.743%」や「0.813%」などのケースもありました。手数料は、採用されるDEX(分散型取引所)またはDEXアグリゲーターによって異なると考えられます。
ここでは、メタマスクでスワップする場合と、DEX、中央集権取引所を利用する際の手数料を比較します。下記の3つで比較します。
あるタイミングで、1 ETHをUSDTに交換する場合に受け取れるUSDTの数量は、下記のとおりでした。
メタマスクでスワップ | 1 ETH → 1851.7 USDT |
---|---|
Uniswapでスワップ | 1 ETH → 1863.7 USDT(*1) |
Bybitの現物取引で売買 | 1 ETH → 1865.1 USDT(*2) |
(*1)ガス代の3.29ドルを考慮済
(*2)取引手数料の0.1%を考慮済
今回のケースでは、メタマスクでのスワップはUniswapやBybitの現物取引と比べると、約0.6〜0.7%ほど交換レートが悪い(割高)ことがわかります。できるだけ有利な条件で仮想通貨をスワップしたい場合、DEXや中央集権取引所の利用も検討しましょう。
メタマスクのスワップでは、同一ブロックチェーン上の仮想通貨のみが交換可能です。異なるブロックチェーン間の仮想通貨を交換したい場合には、「メタマスクブリッジ」機能で仮想通貨のブリッジを行う必要があります。
クロスチェーンブリッジとは、複数のブロックチェーンをつないで規格の異なる仮想通貨を相互に利用可能にする技術です。この技術が普及すれば、ブロックチェーンをまたいで仮想通貨をやり取りできます。ブロックチェーンが乱立している現在、クロスチェーンブリッジは重要な存在です。
たとえば、イーサリアムネットワークのETHを、BNBチェーンのBNBに交換したい場合は下記のステップで交換します。
なお、メタマスクブリッジの利用時にも手数料が必要です。
メタマスクで仮想通貨(暗号資産)をスワップする方法を、PC・スマホ別に解説します。
メタマスクを開き、左上のアイコンをクリックします。
スワップを行うネットワークを選び、クリックします。
「スワップ」をクリックします。
以下のようにスワップ条件を入力し、手数料を確認した後に「スワップ」をクリックします。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
交換元トークン |
交換時に差し出すトークンを選びます。 |
2 |
数量 |
いくら分のトークンを差し出すかを入力します。 |
3 |
交換先トークン |
交換により入手したいトークンを選びます。 |
なお、画面右上の歯車マークをクリックすると、スリッページの設定ができます。デフォルトでは2%であり、変更せずとも特に問題なくスワップできますが、自由に変更できます。
スリッページとは、発注時の価格と異なる価格で約定すること、またはその際に生じた価格のずれを指します。
処理が実行されると「処理中」という画面となります。スワップが完了すると、以下のように「トランザクションが完了しました」と表示されます。
メタマスクを起動し、ネットワーク切り替えボタンをタップします。
スワップに利用するネットワークを探し、タップします。
画面下側にあるブルーのアイコンをタップします。
「スワップ」をタップします。
「スワップを開始」をタップします。
以下のようにスワップの条件を設定し、「クォートを入手」をタップします。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
交換元トークン |
交換時に差し出すトークンを選びます。 |
2 |
数量 |
いくら分のトークンを差し出すかを入力します。 |
3 |
交換先トークン |
交換により入手したいトークンを選びます。 |
なお、画面下部の「最大スリッページ 2%」をタップすると、スリッページ許容度の選択ができます。ただし、デフォルトで設定されている「2%」は一般的な数値のため、変更せずとも特に問題なくスワップができるでしょう。
手数料等の条件に問題がなければ、「スワイプしてスワップ」アイコンをスワイプします。
「◯◯(トークン名)のスワップが承認されました」と表示されれば、スワップは完了です。
メタマスク(MetaMask)でスワップに失敗したときには、以下をチェックしてみましょう。
見積もり時とスワップ実行時の価格が大きく乖離するスリッページが発生した場合、エラーになることがあります。
これは、想定外の価格で交換され、ユーザーが大きな損失を被ることを防ぐための機能です。一般的に、流動性の低いマイナーな銘柄ほど、スリッページが大きくなる傾向があります。
スリッページ許容率を高くすることで、スリッページによるエラー発生の確率を減らせます。しかし、スリッページ発生時の損失の幅も大きくなるため、よく考えて設定しましょう。
スリッページの許容率を変更する場合、見積もり画面の右上にある「設定アイコン」をクリックします。
デフォルトで表示されている「2%」「3%」をクリックすると、スリッページ許容率が変更されます。また、「カスタム」から任意のスリッページ許容率に変更することも可能です。
メタマスクでスワップする際には、交換する仮想通貨(暗号資産)のほかに、ガス代が必要です。ガス代は、ブロックチェーンの基軸通貨(イーサリアムネットワークならETH)で支払う必要があります。
ガス代は常に変動しているため、ぎりぎりの数量しか持っていない場合、足りなくなる可能性があります。ガス代が足りない場合には、取引所やメタマスク上で購入するか、ガス代が下がるのを待つ必要があるでしょう。
メタマスク(MetaMask)のスワップは、メタマスク上で仮想通貨(暗号資産)を手軽に交換できる便利な機能です。メタマスクと取引所間で仮想通貨を送金する必要がないため、手間とリスク、ガス代を削減できます。
ただし、スワップに必要なガス代に加え、メタマスクに支払う手数料が発生するため、DEXや中央集権取引所と比べて手数料は割高です。利便性とトータルのコストを踏まえた上で利用するかどうか判断してください。
作成日
:2023.07.18
最終更新
:2024.08.22
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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