作成日
:2023.06.27
2024.07.29 07:33
ETHOS(イーソス)は、Web3.0版のTikTok(ティックトック)を開発するプロジェクトです。日本国内の仮想通貨(暗号資産)コミュニティで注目のプロジェクトとなっており、独自トークンの仮想通貨3THを発行しています。
前澤友作氏のMZ Web3 Fundに出資を受けたことや、日本をターゲットにしたプロモーション活動が功を奏し、脚光を浴びています。しかし、同時にETHOSを怪しむ声も挙がっており、評価が二分しています。
当記事では、ETHOSや仮想通貨3THの概要に触れ、インターネット上での口コミや怪しいとされるポイントなどを解説します。
ETHOS(イーソス)は、Web3.0版のTikTok(ティックトック)を目指すプラットフォームです。クリエイターやブランド、エンドユーザーを繋ぎ、全員がWin-Winの関係となる環境を作り出します。
画像引用:ETHOS
Web3.0とは分権化された次世代のインターネット環境を指します。現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)は、大手IT企業が強い影響力を持っています。その一方、Web3.0では個々のユーザーが重要な役割を担います。
具体的には「Watch to Earn(観て稼ぐ)」、「Engage to Earn(エンゲージして稼ぐ)」による報酬システムを実現し、仮想通貨(暗号資産)3THを軸としたエコシステムを構築する見込みです。
画像引用:ETHOS
仮想通貨3THは、ETHOSが発行する独自の仮想通貨です。ETHOSのガバナンストークンであり、エコシステムで不可欠な役割を持っています。
なお、仮想通貨3THは大手海外取引所のBinance(バイナンス)が主導する、BNBチェーン上で発行されています。
ガバナンストークンとは、DeFi(分散型金融)のサービスにおいて、プロジェクトの新しい機能の追加・削除・変更や、開発などの方針の提案(投票)を行う権利を持つトークンのことです。ガバナンストークンを多くの利用者に配ることは、プロジェクトの分散化を目的としており、保有者はDeFiサービスの運用に関わることができます。
2023年6月13日、大手取引所Bitget(ビットゲット)は仮想通貨3THの上場を発表しました。Bitgetは期待のオフショア取引所であり、近年取引高が急拡大しています。
オフショア取引所とは、規制が緩い第三国で設立された取引所を指します。各国の規制当局の許可を得ずにグローバルに事業を展開できること、厳しい規制に縛られないこと、有利な税制を享受できることがメリットです。
Bitgetは、仮想通貨3THの上場を記念して、キャンペーンを実施しました。取引所トークンBGB保有者に80万通貨分の3THを配布しており、日本国内でも注目を集めました。
画像引用:Bitget
ETHOSを運営している主なメンバーは以下の通りです。
画像引用:ETHOS
ETHOSの創設者兼CEOは、Tiger Miller氏という人物です。テレビ・映画業界で15年以上活躍し、ブロックチェーンスタートアップの投資家としても活動しています。
画像引用:ETHOS
Kaue氏は、ETHOSの共同創設者です。ブラジルの仮想通貨コミュニティで最も著名なメンバーの一人とされており、元MakerDAOのエンジニアとして活動していました。
ETHOSは、MZ Web3 Fundから出資を受けています。MZ Web3 Fundは、ZOZO創設者である前澤友作氏が立ち上げたファンドで、主にWeb3.0関連プロジェクトに投資しています。
ETHOSを率いるTiger Miller氏個人のInstagram(インスタグラム)には、前澤氏と親しげに写る写真が投稿されています。
画像引用:Instagram
しかし、後にMZ Web3 Fundが公式Twitter(ツイッター)を通じて、前澤氏のETHOSへの関与を否定しています。
ETHOSは、日本国内に向けてプロモーション活動を行なっています。Bitgetのキャンペーンなどを通じて、日本国内の仮想通貨(暗号資産)コミュニティにアプローチしています。また、ETHOSが公式に運営しているかどうかは不明ですが、日本語でETHOSの情報を発信するTwitter(ツイッター)アカウントも開設されています。
2023年5月にトークンセールが実施された際には、Twitter上で多数のユーザーが仮想通貨3THに言及しています。また、YouTube(ユーチューブ)上でも、解説動画がいくつもアップロードされており、期待の仮想通貨としての認知を高めています。MZ Web3 Fundが出資した案件という点も、日本で注目を集めた理由の一つでしょう。
一方、ETHOSに対して、厳しい意見も見られます。中には、インフルエンサーを利用した買い煽り行為なのではとの見方もあります。Yahoo知恵袋では、ETHOSの将来性に関する質問に対し、買いを勧めるような回答と注意を促す回答の両方が寄せられています。
また、2023年10月31日現在、9月24日の投稿を最後に、Twitter公式アカウントからの発信がありません。1か月以上公式からの情報発信がなく、プロジェクトとしてのトーンダウン感は否めないでしょう。
仮想通貨市場には、詐欺的なプロジェクトが無数に存在します。ETHOSもその可能性があると疑われています。具体的には、以下のような点が怪しいとされています。
MZ Web3 Fundは、Twitterの公式アカウントを通じて、前澤氏のETHOSへの関与を正式に否定しています。
ETHOSの投資に関して、一部で誤解を招くようなツイートやプロモーションが行われております。
— MZ Web3 Fund | MZ Cryptos (@MZ_Cryptos) May 24, 2023
MZ Web3ファンドからマイノリティ投資は行っておりますが、前澤本人はこのプロジェクトには一切関与しておりませんので、ご留意ください。 https://t.co/xG3UyMR0kX
意図的かどうかは分かりませんが、拡散された情報が誤解を生んでいます。Tiger Miller氏がInstagramに投稿した前澤氏との写真も一因となっているかもしれません。
ETHOSは、公式サイトでDAOMakerをパートナーとして紹介しています。
画像引用:ETHOS
DAOMakerは、仮想通貨市場で有名なIDOプラットフォームです。厳選された有望なプロジェクトのIDOを実施しており、取り扱いした仮想通貨は軒並み高いパフォーマンスを示しています。
IDOはイニシャルDEXオファリングの略称で、DEX(分散型取引所)を通じたトークンの新規販売を意味します。一般的に、ブロックチェーンゲームやDeFi(分散型金融)などの開発プロジェクトは、トークンの新規販売を通じて資金調達します。そして、新規販売の方法はいくつかあり、IDOはその中の一つです。
しかし、ロードマップにDAOMakerでの3THのリリースが記載されていますが、今のところ正式な発表はありません。DAOMakerとのパートナーシップが本当に存在するのか、疑いがかけられています。
ETHOSの製品やサービスに関する詳細は、ほとんど公開されていません。
簡単なホワイトペーパーは公開されていますが、エコシステムの設計や報酬システム、ガバナンスなどについては、不明な部分が多くあります。
あまり情報が公開されていないことが、ETHOSに対する疑念を生んでいるようです。
仮想通貨(暗号資産)3THは、Bitgetで取引可能です。ステーブルコインUSDTとの通貨ペアが上場しています。
3THはBitgetに上場直後、約0.12ドルまでの価格上昇を記録しました。しかし、そこからは緩やかに価格を下落させています。
画像引用:Bitget
2023年10月31日現在では、最安値圏の0.006ドル台で推移しています。最高値からはおよそ20分の1の水準です。
仮想通貨3THの将来性は、ETHOSのエコシステムに依存しています。ETHOSは、未知数な部分が多いですが、3THの価格に影響する事柄としては、次のようなものが挙げられます。
ETHOSは、iOS向けのアプリ開発を進めています。まだテストの初期段階ですが、期待値が高まっています。
2023年6月7日、ETHOSは、テスト版アプリのユーザー数が5,000人を突破したと発表しました。
Since we launched the Apple TestFlight 2 weeks ago, more than 5000 users registered through activation code. If you haven't got one, stay tune for the next giveaway campaign. https://t.co/p7si7JEx1P
— ETHOS (@3thos3) June 6, 2023
テスト版アプリの利用は招待制となっており、ETHOSから招待コードが配布されています。ETHOSは利用を希望するユーザーに対し、次の招待コード配布を待つよう説明しています。
2023年6月15日、ETHOSのDAOにおいて、3THがバーン(焼却処理)されることが決定しました。
バーンとは、仮想通貨を永久に使えなくする行為を指します。仮想通貨を特定のウォレットに送ることで、実行できます。そのウォレットの秘密鍵は、開発者を含めて誰も知りません。すなわち、送金したら最後、その中の仮想通貨は二度と使えなくなるため、あたかも紙幣が焼却(バーン)されたのと同様になります。
今回、バーンされる3THは、開発チームと財務に割り当てられた資金です。10億通貨の総供給量における20%、合計2億通貨がバーンされます。バーンされた仮想通貨は供給量が減少するので、相対的に希少性が増して、価格が上昇しやすくなります。
ETHOSは、2023年とそれ以降のロードマップを公開しています。今後の開発状況によっては、仮想通貨3THの価格によい影響を与える可能性があります。
ETHOS公式サイトで掲載されているロードマップの内容は、次の通りです。
2023年10月31日現在、公式サイトやTwitter(ツイッター)の発信を見る限り、当初の計画から実現できていないものもある模様です。ロードマップの遅れが、仮想通貨3THの価格下落が続く原因の1つになっている可能性があります。
ETHOSのトークノミクスは、次のように成り立っています。
ETHOSは、3THとCRTsの2種類の仮想通貨(暗号資産)を発行しています。
3THは、ETHOSのガバナンストークンです。ステーキングすると、DAOでの投票権が付与されます。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型の組織と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用されています。
3THの総供給量は10億枚です。その大部分は、「Watch to Earn」の報酬として配布される計画です。
CRTsは、ETHOSのユーティリティトークンです。発行枚数の上限はなく、ユーザーへの報酬として配布されます。
ユーザーは、タスクを完了したり、コンテンツを視聴するとCRTsを獲得できます。また、プラットフォームでコンテンツを購入すると、10%相当の金額がCRTsでキャッシュバックされます。
獲得したCRTsは、バーンして3THと交換することも可能です。
ETHOSは、コンテンツ販売などの手数料を収益とします。
ユーザーがクリエイターのコンテンツを購入すると、総額の10%が手数料としてETHOSに入ります。加えて、ETHOSは、ユーザー報酬の2.5%を手数料として徴収します。
つまり、プラットフォームの利用が拡大すると、ETHOSの収益が増加する仕組みだといえるでしょう。
ETHOSが持続可能であるかは、発行するトークンの価格を維持できるかにかかっています。
3THとCRTsが値崩れを起こすと、ETHOSのエコシステムは崩壊する可能性が高くなります。ブロックチェーンゲームを含むWeb3.0サービスは、報酬が魅力的でないと利用されない傾向にあるので、トークン価格の維持は重要な課題です。
しかし、反対に需要と供給のバランスを取るのが可能であれば、ETHOSのプロジェクトが持続できる確率が高まると考えられます。
ETHOSは、情報がほとんど公開されておらず、未知数な部分が大きいです。まだ、製品もローンチされていないので、今後の経過を見守る必要があります。
2023年6月25日、ETHOSは「ETHOS NFT」をリリースしました。
画像引用:ETHOS公式Twitter
ETHOS NFTは、ラッキーボックスからランダムに入手できます。ラッキーボックスは、2,000枚の3THを30日間ステーキングして入手するか、100USDTで購入できます。
ETHOS NFTは、仮想通貨3THのマイニングに利用できます。
ETHOS NFTには、レアリティが割り当てられています。それぞれマイニングの生産効率や、耐久性が異なります。レベルが高いほど、より高い確率でより多くの3THを継続的に獲得できます。
ETHOS NFTは、2つのNFTの合成が可能です。合成すると、レベルの高いNFTとなり、収益性などが高まると考えられます。また、合成の回数が上位100位以内のユーザーは、四半期毎ごとに賞金が付与されます。
ETHOSは、Web3.0版のTikTokとなる目標を掲げています。ETHOS NFTは、本質的なサービスとあまり関係がないと考えられ、プロジェクトの本格的なスタートが待ち望まれています。
2023年10月31日現在、Twitter(ツイッター)での情報発信が約1ヶ月もの間なく、開発が順調に進んでいない可能性があります。現時点では、判断材料が少ないので、どうしても早期投資する必要がないのであれば、様子見をするのが得策かもしれません。
作成日
:2023.06.27
最終更新
:2024.07.29
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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