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話題のweb3おじさんとは?自己啓発目的でNFTの投資価値は微妙か

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update 2023.07.19 22:55
話題のweb3おじさんとは?自己啓発目的でNFTの投資価値は微妙か

update 2023.07.19 22:55

自己啓発セミナーの講師である鴨頭嘉人(かもがしら・よしひと)氏が提唱する「web3おじさん」が話題を集めています。

目を引くキャッチフレーズであることもあり、「web3おじさん」という用語がどのような意味なのか気になる方も多いようです。

また、このプロジェクトの一環として「CLAB」というジェネラティブNFTの発行が予定されていることでも注目されています。

この記事では、web3おじさんとは何なのかや活動の詳細、NFTの情報などを解説します。

SNSで話題の「#web3おじさん」とは

Web3とは、ブロックチェーン技術に基づく分散型のインターネットを指します。Web3.0とも呼ばれます。

knowledge インターネットの変遷

インターネットが初めて登場した時代はWeb1.0と呼ばれ、企業などからの一方通行な情報伝達が中心でした。その後Web2.0になると、Twitter(ツイッター)などのSNSが普及し、通信が双方向になります。Web3.0はこの後に続くものです。

Web3の仕組み

web3はこれまで、社会の大きな変化やビジネスチャンスという文脈で語られることの多かった用語です。

一方、鴨頭嘉人氏の「web3おじさん」は、そのような社会についていける「イケてるおじさん」を目指すという意味のキャッチフレーズとなっています。

web3おじさんの定義

鴨頭嘉人氏が代表取締役を務める株式会社東京カモガシラランドのnoteによると、web3おじさんは以下のようなおじさんのことと定義されています。

  • Web3の世界に飛び込んでいくおじさん
  • 新しいことに挑戦するかっこいいおじさん
  • 一生懸命勉強しているおじさん
  • Web3、NFTなど最新の技術を応援するおじさん
point NFTとは

NFTとは、ブロックチェーン上に記録されるデータのうち、他のデータと入れ替えできず唯一性があるものを指します。画像や音楽などをNFTにでき、売買が可能という特徴があります。

具体的なプロジェクトとしては、「web3おじさん1万人育成計画」が進行中です。当初はFacebookのグループで開催されており、当記事執筆時点(2023年4月20日)で参加者は3,895人に達しました。

2023年になってNFT・仮想通貨業界でよく使われるSNSツールであるDiscordに活動の場を移し、2,000人の参加者を集めています。

教育目的のプロジェクト

「web3おじさん1万人育成計画」で掲げられたミッションは「新しいカッコいいおじさん文化の創造と拡大」、ビジョンは「応援消費でパトロンになりウォレットデザインでドヤる」となっています。

web3おじさんのミッションとビジョン

画像引用:株式会社東京カモガシラランドのnote

学習やメンバー同士の交流が活動の中心となっており、メインのコンテンツは学習のための講座の提供です。

鴨頭嘉人氏はNFTの発行を目指していて、提供済みの学習コンテンツにもNFTの購入方法が含まれます。

従来のNFTは、安い時期に購入して値上がりを待つという投資の側面が強かったです。しかし、「web3おじさん1万人育成計画」では、ビジョンに「応援消費でパトロンになる」が含まれており、むしろ楽しみのためにお金を使っていく側面が強調されているようです。

NFTに投資して儲けるというよりも、「ちょいワルおやじ」のようにおじさんの生き方を考える傾向が強いプロジェクトといえます。

point NFTの価値は流行りにも左右される

仮想通貨市場の低迷に伴い、一時は異様な価格を記録していたNFTも2022年には大暴落が発生しました。高額で取引されるNFTにはアート作品が多いため、それ自体が価値を持つはずですが、価格は市場全体の傾向の影響も受けます。

参加費も必要

「web3おじさん1万人育成計画」に本格的に参加するためには、「鴨DAO」というDiscordコミュニティに入る必要があります。これには「Education Passport」というNFTを購入しなければならず、執筆時点(2023年4月)で8,000円ほどの費用がかかります。

NFTは大手NFT取引所のOpenSeaでイーサリアム(ETH)建てで販売されています。

Education Passport販売ページ Education Passport販売ページ

画像引用:OpenSea

仮想通貨取引所でイーサリアムを購入してウォレットに送り、ウォレットをOpenSeaに接続して購入するという手順が必要になりますので、仮想通貨・NFT初心者にはかなりハードルが高いですね。

本気で勉強したい人を集めたいという気持ちの表れなのかもしれません。

鴨頭嘉人氏の仕事は自己啓発セミナーの講師であり、この「web3おじさん1万人育成計画」もその一環として開催されていると考えられます。どのような形で参加するにしろ、ある程度の費用を支払うことは必要になるでしょう。

主な活動

「web3おじさん1万人育成計画」の主な活動には、鴨頭嘉人氏が主催するDisocordコミュニティである「鴨DAO」や、NFTの発行があります。

NFTは現在、Disocordコミュニティへの参加資格にもなっている「Education Passport」が発行済みです。このほか、2023年7月に発行予定の「CLAB」があります。

CLABの発行まで100日を切ったことでカウントダウンも行われており、コミュニティは盛り上がりをみせています。

鴨DAO

「鴨DAO」は、NFT・仮想通貨業界でよく使われるSNSツールであるDiscord上で開設されたコミュニティです。

発行済みのNFTである「Education Passport」を保有していることが参加資格となっており、Discordにウォレットを接続して認証を行った後に参加することができます。

「web3おじさん1万人育成計画」の一環として、NFTなどについて学ぶための講座の動画がFacebookで提供されていましたが、現在これらの動画はDiscordに移動しています。

point 鴨DAOはDAO?

DAOは一般的に、管理者が存在せず、メンバーが多数決などで運営方針を決める「自立分散型組織」を指します。鴨DAOは現在主催者である鴨頭嘉人氏が主導する形のようですので、本物のDAOではなく、DAO的な考え方を取り入れた組織を目指すという意味合いなのかもしれません。

Education Passport

Education Passportは、鴨DAOに参加するために必要なNFTです。主催者側が最初にまとまった数を販売した後は、二次流通の形でOpenSeaで販売されています。

出品者が自由に価格設定する仕組みなので、日本円での販売価格は変動します。2023年4月21日現在では、0.034ETH(約8,000円)から購入できます。

OpenSeaで販売されるEducation Passport

画像引用:OpenSea

鴨DAOへの参加資格として機能するNFTですので、画像は固定であり、アートとしての価値はありません。しかし、他のNFTと同様に、需要が高まれば価格が上昇する性質があります。鴨DAOに参加したい人が増えれば増えるほど値上がりします。

発行時の価格と比較すると、すでに数倍値上がりしています。

NFTのCLAB発行予定

活動の一環として、2023年7月26日に「CLAB」というNFTの発行が予定されています。

名称のCLABは「Challenge Like A Baby」の略で、「赤ちゃんのように挑戦する」という意味です。NFTの名称であるだけでなく、鴨頭嘉人氏が自己啓発の文脈で使うこともあるキーワードです。

コンピューターが自動生成するアート作品である「ジェネラティブNFT」というジャンルのNFTとなっています。

アート系NFT

CLABのサンプル画像はまだ公開されていませんが、窪田望氏が没になった作品を公開しています。

アート系のNFTですので、Education Passportとは異なり、コレクション価値のあるものになると考えられます。

詳細はまだ不明

発行数や価格などの詳細はまだ不明です。購入条件も明らかにされていませんが、Education Passportの保有者優先など、なんらかの条件がつくのではないかとうわさされています。

講師の鴨頭嘉人氏と窪田望氏について

「web3おじさん1万人育成計画」は、自己啓発セミナー講師である鴨頭嘉人氏と、AIアートの専門家である窪田望氏がタッグを組んで行っているプロジェクトです。

中心となっているのは鴨頭嘉人氏で、窪田望氏はアート面や技術面を担当しているようです。

鴨頭氏の活動や経歴

鴨頭嘉人氏の活動は多岐にわたりますが、「YouTube講演家」や「自己啓発セミナーの講師」を自称しています。

鴨頭嘉人氏

画像引用:鴨頭嘉人氏公式サイト

有料オンラインサロンを複数開設していて、講演会や書籍の仕事もしています。最近では地方局(KBS京都・テレビ埼玉)でテレビ出演もしているそうで、これまでの活動の知名度は比較的高いです。

高校卒業後、東京に引越し19 歳で日本マクドナルド株式会社にアルバイトとして入社。23 歳で正社員に、30 歳で店長に昇進。32 歳の時にはマクドナルド3,300 店舗中、お客様満足度日本一・従業員満足度日本一・セールス伸び率日本一を獲得し最優秀店長として表彰される。その後も最優秀コンサルタント・米国プレジデントアワード・米国サークルオブエクセレンスと国内のみならず世界の全マクドナルド表彰を受けるなどの功績を残す。

引用元情報 - 株式会社東京カモガシラランドのnoteより引用

窪田氏の活動や経歴

窪田望氏は、AIの技術を使って描くアート「DEEP ART」のプロデュースを行っています。2022年には、デジタルアートを取り扱うNFTマーケットプレイス Foundationの週間のクリエイターランキングで7位にランクインしました。

発行予定のNFT「CLAB」もコンピュータが作成するアート作品ですので、まさに窪田氏の専門分野です。

窪田氏は、Webサイト解析システムである「KOBIT」の販売やウェブサイト作成代行、自社メディア運営などを行う企業「株式会社クリエイターズネクスト」の代表を務めていて、これまでの主なキャリアはウェブ解析のようです。

窪田望氏

画像引用:株式会社クリエイターズネクスト

窪田望氏の経歴はこのようなものです。文理融合型の大学や大学院を卒業していて、AIやNFTという新しい技術をビジネス分野のプロジェクトにするのには適任でしょう。

  • 慶應義塾大学総合政策学部卒業
  • 東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻グローバル消費インテリジェンス寄附講座 / 松尾研究室(GCI 2019 Winter)を修了
  • 米国マサチューセッツ工科大学のビジネススクールであるMIT スローン経営⼤学院で「Artificial Intelligence: Implications for Business Strategy(人工知能:ビジネス戦略にとっての意味)」を修了

AIで生成した画像をメタバース上で利用するのに役立つ「AIによって生成される画像のベクター画像化」など、複数のAI関連特許を持っています。

web3おじさんに対するSNSの反応は?

「#web3おじさん」は、2023年4月にTwitter(ツイッター)でトレンドキーワードとなり、注目を集めています。web3おじさんに対するSNSの反応にはどのようなものがあるでしょうか。

批判は少ない

「値上がりして儲かる」ことをアピールして仮想通貨やNFTを販売すると批判を受けがちですが、web3おじさんはコミュニティに参加して学んだり交流したりすることを中心とするプロジェクトです。そのため現時点で批判はあまり多くありません。

SNSでの反応は、web3おじさんとしての活動やNFT発行を楽しみにする声が大半です。

「DAO」が受け入れられる雰囲気に

ZOZO創業者の前澤友作氏は2022年7月に、「MZ DAO」(エムズィーダオ)の設立を発表しました。

この発表に対しては、仮想通貨分野でよく使われている「DAO(自立分散型組織)」ではないものをDAOと呼んでいることや、費用が発生するためオンラインサロンに近いことなどに批判的な意見もありました。

しかし、同じように参加するために費用が発生し、DAOではない鴨DAOについては現時点でそこまでの批判はみられません。

この違いが出た理由ははっきりしませんが、インフルエンサーが主導する「DAO」を名乗る組織が増えていることにも理由があるかもしれません。

中央管理者がおらずブロックチェーン上での提案・投票などによって行動が決まるタイプの組織がこれまでDAOと呼ばれていましたが、MZ DAO以降、イケハヤ氏のNinja DAOや、キングコング・西野亮廣氏のCHIMNEY TOWN DAOなど、これまでの定義に当てはまらないDAOが増えています。

web3おじさんが運営側の作った学習用のコンテンツを提供することがメインであることもあり、Education Passportの購入が必要でオンラインサロンと同様に費用が発生することに対しても目立った批判はないようです。

インフルエンサー発行のNFTが高値を記録

最近、国内インフルエンサーがNFTを発行する事例が相次いでおり、発行時点から大きな値上がりを記録する傾向があります。

イケハヤ氏

例えば、イケハヤ氏やしゅうへい氏などインフルエンサーが関与したLive Like A Cat(LLAC)プロジェクトでは、販売価格と比較すると2,000倍以上の暴騰を記録しました。

CLABと同様にジェネラティブNFTとして作成されたLLACは猫をモチーフとしたものです。

公式サイトで1つ0.001ETHで販売されましたが、現在NFTマーケットプレイス「OpenSea」で販売されている価格は最安値で1.105ETH(約28万円)となっています。

西野亮廣氏(キングコング)

キングコング・西野亮廣氏も、NFT関連の取り組みに力を入れているインフルエンサーです。西野氏が創設した「CHIMNEY TOWN DAO(チムニータウンダオ)」では、ゴミをモチーフにした「Poupelle」というシリーズのNFTが定期的に販売されています。

PoupelleのNFT

画像引用:OpenSea

西野氏が作成した絵本「えんとつ町のプペル」の主人公がゴミ人間であることから、ゴミがモチーフとなっています。西野氏が監修し、イラストレーターが描いているため、かわいらしいイラストとなっています。

オークション形式で販売され、最終的な販売価格は1~6ETH程度(執筆時点で1ETH⁼26万円)になっています。

投資価値は微妙か

web3おじさんはもともと、学びや交流を中心としたプロジェクトです。一方、新しく発行されるCLABにはアートの要素が含まれるため、初期に購入して一定期間保有すれば、値上がり益が得られる可能性はあります。

しかし、イケハヤ氏やキングコング・西野亮廣氏と比較して、主催者である鴨頭嘉人氏の知名度はやや低いです。そのためどれほどの値上がりが期待できるかは不透明です。

Twitter上では、「#CLABカウントダウン」というハッシュタグでカウントダウンの投稿が多数行われています。CLABの発行を楽しみに待っている方も多いですが、鴨頭嘉人氏のもともとのファンやweb3おじさんの考え方に共感する方が中心のようです。

詳細はまだ不明ですが、NFTの先行販売や一般販売の購入資格を得る要件に鴨DAOへの参加(Education Passportが必要)が含まれる可能性もあります。

web3おじさんのプロジェクトに参加するつもりのない方にとっては、マメに情報を追うメリットの少ない案件かもしれません。


Date

作成日

2023.05.02

Update

最終更新

2023.07.19

坂上綾香 | Ayaka Sakagami

仮想通貨専門ライター

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坂上綾香

ニュース媒体での記者経験を経て、仮想通貨ライターに。公式サイトやコミュニティでの評判、海外メディアの評価など様々な角度から英語ソースでリサーチを行う。安い草コインを宝くじ感覚で買うのが趣味。

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