作成日
:2023.05.02
2023.05.02 17:58
BitDAO(ビッダオ)は分散型自立組織(DAO)として運営されており、2023年4月5日に提案「BIP-20」が可決されました。この提案の可決により、BIT流通量削減見通しが分かりやすくなり、また、BitDAOの分散性が強化されると見込まれています。
BitDAOとはDeFi分野の新興プロジェクトを支援する自立分散型組織(DAO)であり、自らを出資者の集合体であると表現しています。その使命は将来有望なDeFiプロジェクトへの投資を通して、DeFiおよび社会の発展に寄与することです。
BitDAOの運営に関して、その設立当初から大手取引所のBybit(バイビット)が最大の資金支援者として機能してきました。
これを反映して、Bybitの各種サービスでもBITトークンを使用できます。例えば、BITを使ってローンチパッドやローンチプールに参加できます。
また、Bybitが得た取引手数料の一部をBitDAOに還元する仕組みを採用しており、こうして得られたBITをバーンしていました。これによりBITの流通量が減少しますので、長期的に見てBIT価格が上昇すると期待されています。
バーンとは、仮想通貨を永久に使えなくする行為を指し、仮想通貨を特定のウォレットに送ることで実行できます。そして、そのウォレットの秘密鍵は開発者を含めて誰も知りません。すなわち、送金したら最後、その中の仮想通貨は二度と使えなくなるため、あたかも紙幣が焼却(バーン)されたのと同様になります。
しかし、この方法では、いつどれだけバーンされるか分からず、将来のBIT流通量の見通しが立ちづらくなります。また、バーン数量はBybitの経営成績と直結することになり、BitDAOの安定性や発展性はBybit次第になってしまう懸念がありました。
さらに、BitDAOが積極的に活動するためには、Bybitから提供されたBITをバーンするのではなく、BitDAOの管理下に置いて自由に使えるほうが良いとの考え方も出てきました。
これらを受けて、BIP-20が提案されました。
BIP-20の採用により、Bybitから提供されるBIT数量はあらかじめ確定し、また、BitDAOは提供されたBITを自由に使えるようになりました。どこにいくら使うかについては、別途投票で決められます。
Bybitの提供スケジュールは以下の通りです。
期間 | 毎月のBIT提供数量 | 年間合計数量 |
最初の12か月間 | 120,000,000 | 1,440,000,000 |
次の12か月間 | 60,000,000 | 720,000,000 |
その次の12か月間 | 30,000,000 | 360,000,000 |
その次の12か月間 | 15,000,000 | 180,000,000 |
合計 | 2,700,000,000 |
毎月のBIT提供数量
最初の12か月間 | 120,000,000 |
---|---|
次の12か月間 | 60,000,000 |
その次の12か月間 | 30,000,000 |
その次の12か月間 | 15,000,000 |
年間合計数量
最初の12か月間 | 1,440,000,000 |
---|---|
次の12か月間 | 720,000,000 |
その次の12か月間 | 360,000,000 |
その次の12か月間 | 180,000,000 |
合計 | 2,700,000,000 |
Bybitから送金されたBITは、BitDAO Treasury(BitDAOの金庫)で保管します。また、当初の送金額は毎月1億2000万BITで、12ヶ月ごとに半減して合計27億BITになります。この送金額分だけ一般向けの流通量が減りますので、計算上はBITの投票価値を1.8倍に高めます。
なお、BIP-20で得られる効果として、下の諸点も見込まれています。
Bybitの資金提供スケジュールが明確になるため、BitDAOはBybitの営業成績を気にする必要がなくなります。その分、BitDAOが関与するプロジェクトやコミュニティの発展に集中できます。
BitDAOはBybitの強力な支援を得て発展しています。しかし、Bybitとのつながりがあまりに強いと、BITはBybitの取引所トークンだとみなされるリスクがあり、各国による取引所規制の影響を受けてしまう可能性があります。
Bybitの支援を引き続き受けつつも、Bybitの影を薄くすることでこれらのリスクを緩和できます。
従来はバーンしていたBITを、BitDAO Treasuryで保管することにしました。これによりBybitの持ち分(%)を減らすことができ、分散化をさらに促進できます。
2023年5月1日現在、仮想通貨(暗号資産)BITは、日本国内の取引所では取り扱われていません。そのため、取引は海外取引所で行います。各海外取引所におけるBITの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
仮想通貨取引所 | 現物 | デリバティブ |
---|---|---|
(バイビット) | 〇 |
〇 |
(バイナンス) | × |
× |
(ゲート) | 〇 |
〇 |
(メクシー) | 〇 |
〇 |
(ビンエックス) | 〇 |
× |
(ビットゲット) | × |
× |
(コインイーエックス) | 〇 |
× |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
海外の取引所であれば、日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。
Bybitでは、3つの手順でBITを購入できます。
まずは以下のリンクをクリックし、BITの購入ページ(BIT/USDT)にアクセスします。
なお、Bybitを利用するには、口座を開設しておく必要があります。
ここでは最もシンプルな「成行」での購入方法を紹介します。成行でBITを購入するには、以下のように操作をして「BITを買う」をクリックします。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
「買い」または「売り」 |
通貨ペアの左の通貨を買って右の通貨を売るなら「買い」、左の通貨を売って右の通貨を買うなら「売り」を選びます。 |
2 |
注文方法 |
成行を選びます。 |
3 |
注文価格 |
購入したい数量を入力します。 |
BITはUSDTを支払って購入します。そのため、USDTの残高が十分でない場合は、入金や両替が必要です。
内容を確認して「BITを買う」をクリックします。注文は即座に確定し、購入したBITは現物アカウント残高に反映されます。
以下の記事では、買い方に関してより詳しく説明しています。有利な価格を指定する「指値」の使い方なども解説しています。
BIP-20の可決により、BitDAOはBybitの支援を受けながらもBybitから少し距離を置く形になり、分散化が進展する見込みです。また、Bybitと距離を置くので、中央集権型取引所が抱える法的リスクを緩和できます。
さらに、Bybitから得たBITをバーンするのでなくBitDAOが保有することにより、使用可能な資金量も増えました。今後のBitDAOの発展を期待できそうです。
作成日
:2023.05.02
最終更新
:2023.05.02
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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