作成日
:2022.12.29
2023.04.16 13:45
2022年12月28日、Live Like A Cat(LLAC)のNFTが公開されました。LLAC開発チームは猫のデジタルアートをNFTとして販売したほか、保有者向けのコミュニティが形成されています。
また、このプロジェクトにはイケハヤ氏やしゅうへい氏などインフルエンサーが関与しており、Twitter(ツイッター)でトレンド入りしています。
当記事では、LLACの概要を説明した上で、使い道や買い方、今後などを解説していきます。
LLAC(Live Like A Cat)は猫のデジタルアートのNFTコレクションで、「猫のように自由気ままに生きてみよう」をコンセプトにしています。
NFTは「要求を自分で満たし、自立した状態で他者に貢献できる猫」として描かれており、猫のように生きるヒントが表現されています。このコレクションは2万2,222体のNFTで構成され、猫はそれぞれ異なる見た目やポーズをしているのに加え、ジェネラティブNFTとして発行されるので独自の要素を持っています。
ジェネラティブNFTとはデジタルアートの一種で、アルゴリズムや数学的な処理でランダムに生成される要素を含みます。それぞれ異なる背景や装飾品、表情などの要素を持っています。
画像引用:Live Like A Cat
LLACにはしゅうへい氏とイケハヤ氏、猫森うむ子氏が関与しています。それぞれ業界のインフルエンサーであることから、注目が集まっています。
受講者2万2,000人を超える「フリーランスの学校」を運営するインフルエンサー。TwitterやInstagram(インスタグラム)、音声プラットフォームVoicyなどで活動しており、総フォロワー数は20万人を超える。LLACの創設者。
プロブロガーとしてSNSの総フォロワー数が45万人を誇るインフルエンサー。CryptoNinjaやNinja DAOなどの創設者であり、仮想通貨やNFT界隈での実績多数。LLACにはマーケティングアドバイザーとして参加。
LLACにリードデザイナーとして参加するデジタルイラストレーター。オリジナルキャラクターの「うむねこ」が人気となっており、Twitter上で注目を集める。Twitterのフォロワー数は5万人超え。
LLACはしゅうへい氏が主催するフリーランスの学校が母体となっています。フリーランスの学校はWebスクールであり、月5万円を稼ぐための動画講座などのコンテンツを提供しています。フリーランスの学校の参加メンバーが、LLAC関連事業を手がけます。
LLACはデジタルアートで、可愛らしい猫のイラストが特徴的です。SNSのプロフィール画像に設定できるようになっており、Twitter上では既に多くのユーザーがLLACを使用しています。
また、デジタルアートとしてだけではなく、コミュニティに参加するための入場券または優待券としても使用されています。
開発チームは「サービス」「プロダクト」「イベント」「コミュニティ」の4分野で関連事業があるとしており、それらでNFTを利用できるようになると考えられます。なお、当記事執筆時点(2022年12月28日)で具体的な内容は明らかではありません。
LLACの関連事業としては、公式ページで以下が公開されています。
LLACは、DAOを通じて学べるコミュニティの構築を掲げています。当記事執筆時点でDAOを中心としたコミュニティになっていないものの、Discordでは複数のルームが設置されており、多数のメンバーが参加しています。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型の組織と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用されています。
現実世界やオンラインでのイベントやセミナーの開催も予定されています。当記事執筆時点では、フリーランスの学校主催のZoomウェビナー「ゼロからのNFT講座」が開催されています。
LLACはオンラインショップの「またたび屋」を運営しており、猫のイラストのステッカーやギフトバッグなどが販売されています。
また、グッズ制作も計画されています。ステッカーが主な商品となっており、その他にTシャツやバッグなども制作される見通しです。
なお、ECショップではSBT(SoulBound Token、ソウルバウンドトークン)が一部採用されています。SBTは身元証明に使われるNFTで、ひとたびウォレット内に作成すると送信も売却もできません。
用途としては、仮想通貨取引所によるユーザーの身元証明が想定されています。SBT所有者が何か事件等を起こした場合、身元確認をするにはSBTを発行した取引所に照会すれば良いという仕組みです。詐欺を防ぐ仕組みとして、ブロックチェーンゲーム等での普及が期待されています。
LLACのECショップの場合、2022年12月2日までに購入したユーザーにのみ発行されており、身元確認もしておらず、その用途は不明です。
開発チームはプレスリリースを出してSBTを宣伝しており、今後何かサービスが発表されるかもしれません。ただし、何かサービスを展開する場合、SBTは譲渡不可能ですので、SBT所有者と非所有者の間に摩擦が起きる可能性があります。
LLACの買い方は大きく分けて2つあります。新しくミントする方法とNFTマーケットプレイスで購入する方法です。
ミントとは、スマートコントラクトを通じて新しくNFTを発行することを指します。アローリスト(ホワイトリスト)にウォレットアドレスが登録されていれば、NFTをミントできます。
スマートコントラクトは契約を自動履行するプログラムです。自動販売機でたとえると、「利用者が必要なお金を投入する」「特定の飲料のボタンを押す」という二つの契約条件が満たされた場合に、自動的に「その飲料を利用者に提供する」という契約が実行されます。
アローリストはNFT投資の世界で優先購入権を意味するもので、通常、コミュニティに貢献した一部メンバーに配布されます。LLACは以下の条件を満たしたメンバーにアローリストを配布していました。
LLACのNFTをミントする方法は簡単で、公式Discord内のリンク先でウォレットを通じてコントラクトを承諾すれば完了です。
LLACのアローリストに登録されていない場合、OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスで購入できます。
NFTマーケットプレイスでの売買は2次流通とも呼ばれており、NFTを誰でも購入できます。その値段はまちまちで、需要と供給のバランスで変動します。また、ミントと違って気に入った絵柄のNFTを購入できます。
OpenSeaでは、以下のプロセスで購入可能です。
LLACのNFTは、公式サイトで1つ0.001ETHで販売されました。160円ほどと格安だったもののインフルエンサーの影響力は強く、価格が暴騰しています。
下はNFTマーケットプレイス「OpenSea」での販売状況です。価格が安い順に並べたところ、最安値で2.220ETHとなりました。これは当記事執筆時点で35万円以上になり、販売価格と比較すると2,000倍以上です。
画像引用:OpenSea
LLACの販売成功を受けて、ギブアウェイ(無料配布)も行われております。興味がある人は参加してみると良いでしょう。
仮想通貨市場では、NFTを狙った詐欺が日常的に発生しています。今回、LLACがTwitterで話題となったことで、公式を語るアカウントによる詐欺が多発している模様です。
LLACのリードデザイナーである猫森うむ子氏は、Twitterでの偽アカウントやOpenSeaでの偽コレクション出品の存在を報告しています。その上で「ミント、2次(流通)は必ずDiscordから!」と警告しています。
【注意・拡散希望】
— 猫森うむ子猫型クリエイター (@umuco_digital) December 28, 2022
ミント、2次は必ずDiscordから!
⚡️Twitterは偽アカ&偽リンクが急増
⚡️OpenSeaにも巧妙な偽アカ急増
URLだけでは見分けのつかないアカウントが出る可能性があります。ご注意ください。#LLAC pic.twitter.com/wsUWTkJ6Ow
悪意あるコントラクトに署名すると、ウォレット内の仮想通貨を根こそぎ盗まれる可能性があるので、必ずリンクを確認する必要があります。
また、2次流通市場からNFTを購入する場合、全くの偽物を摑まされる可能性があるので注意が必要です。
さらに、偽物としてではなくNFTデリバティブとして発行されている例もあるかもしれません。この場合も本物のNFTと異なりますので、購入時に注意が必要です。
LLACはロードマップを公開していないものの、DAOの構築やイベントの開催などをほのめかしています。既に巨大なコミュニティとなっており、公式Discordには1万人を超えるメンバーが参加しています。Twitter上では、フリーランス界隈の人たちがコミュニティへの参加を報告しています。
業界でもトップのインフルエンサーが運営に関わっているので、LLACのNFTを利用して多くのことができそうです。当記事執筆時点で公式からの発表はなく、LLACの動きに注目です。
NFT投資は英語での情報収集が基本です。しかし、LLACは国産のNFTコレクションであり日本語で情報発信しているため、情報収集しやすいです。NFTの利用価値は不明ですが、NFT投資の入口として良いかもしれません。
既にフリーランスを中心としたコミュニティが形成されているので、興味がある方はそこでNFTの世界を体験することもできます。
作成日
:2022.12.29
最終更新
:2023.04.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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