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NFTデリバティブとは?その特徴や投資のリスク、選ぶポイントなどを解説

NFTデリバティブとは?その特徴や投資のリスク、選ぶポイントなどを解説

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update 2023.03.16 15:30
NFTデリバティブとは?その特徴や投資のリスク、選ぶポイントなどを解説

update 2023.03.16 15:30

仮想通貨(暗号資産)市場ではNFT投資が流行しており、数々の人気コレクションがあります。この流れに乗って、NFTデリバティブという新しいトレンドも誕生しています。NFTデリバティブは人気コレクションから派生した作品を指し、これに積極的に投資する人もいます。

当記事では、NFTデリバティブを説明した上で、その特徴やリスク、具体例などについて解説していきます。

NFTデリバティブとは

デリバティブは英語で「派生した」という意味で、投資の世界では一般的に先物契約やオプションなどを指します。NFTデリバティブの場合は、人気コレクションから派生した作品を意味します。

デジタルアートのNFTコレクションの中には、高値を付けるものがあります。例えば、猿をモチーフにしたNFTコレクションの「BAYC(Bored Ape Yacht Club)」や、ゾンビをテーマにしたNFTコレクション「CryptoPunks」などが挙げられます。これらのNFTコレクションには、多数のNFTデリバティブがあります。

NFTデリバティブの特徴

NFTデリバティブはオリジナル作品の模倣が多く、見た目がそっくりです。そして、何か新しい要素が付け加えられていたり、統一されたテーマが設定されていたり、そのパターンは様々です。名前に関しても、オリジナルの名前と見分けがつきづらいものや、オリジナルの作品を連想させるようなものが多いです。

オリジナル作品を作った本人がスピンオフという形で手がけているものもありますが、必ずしもそうではありません。

NFTデリバティブのメリット

オリジナルのNFTコレクションではなく、NFTデリバティブに投資するメリットは以下のようなものが考えられます。

安価に購入できる

世界的に人気なコレクションは驚くほどの高値を付けており、NFTひとつで数十万円から数億円となることもあります。その一方、NFTデリバティブは人気コレクションと似ているにもかかわらず、安価に購入できます。中には無料でミント(NFTを発行)できるものもあります。

もしデジタルアートとして気に入ったNFTがあれば、NFTデリバティブは良い選択肢となるでしょう。

コミュニティに参加できる可能性

NFTの中にはデジタルアートとしてだけでなく、ユーティリティトークンとしての価値を持っている場合があります。

point ユーティリティトークンとは

ユーティリティトークンは何らかの実用性を持った仮想通貨を指します。具体的には、特定のサービスへアクセスしたり決済に利用したりできます。

例えば、BAYCなどはコミュニティが発展しており、利用券のような役割を持っています。NFT保有者だけが利用できるチャットルームがあったり、NFTを利用してプレイするブロックチェーンゲームなどが開発されたりしています。

このように、人気NFTコレクションには何かしらの使い道があることが多いです。公式が手がけるスピンオフのNFTデリバティブであれば、本家とコラボしたサービスや共通のコミュニティに参加できる可能性があります。

大きな利益となる可能性

また、NFTデリバティブは大きなリターンを生み出す可能性があります。オリジナルのNFTと比較して購入費用が格段に低いにも関わらず、高いポテンシャルを秘めています。特にオリジナルが人気となっているNFTデリバティブは注目度が高く、マーケットプレイスでも目立つので高値が付く可能性があります。

投資の観点から見れば、既に高止まりしているオリジナルのNFTコレクションを購入するよりも、伸び代のあるNFTデリバティブの方が大きなリターンを狙えます。

ただし、2022年になってからNFT市場は取引高が減っており、価格動向の注視が必要です。

NFTデリバティブの例

NFTデリバティブの例として、以下のようなコレクションが挙げられます。

CryptoPhunks

CryptoPhunksはCryptoPunksのNFTデリバティブです。本家CryptoPunksの名前に「h」を含めているだけで、そっくりな名前です。

2021年6月に登場したCryptoPhunksはNFTデリバティブの走りとして知られています。見た目はCryptoPunksとほとんど同じですが、キャラクターの顔は全て左を向いています。

CryptoPhunksのサンプル画像

画像引用:OpenSea

全部で1万点近い作品が公開されており、合計1,500ETH以上の売上を記録しています。CryptoPhunksの成功に続いて、CryptoPunksのNFTデリバティブが多数登場しました。

CryptoPhunksには批判の声もありましたが、現在も独自のマーケットプレイスやOpenSeaなどを通じて取引されています。

Bored Ape Solana Club

Bored Ape Solana ClubはBored Ape Yacht ClubのNFTデリバティブで、オリジナルの作品とほぼ同じ猿をモチーフとしています。ソラナ(SOL)のNFTマーケットプレイスには無数のNFTデリバティブが公開されており、その中でもBored Ape Solana Clubは代表的な存在となっています。

Bored Ape Solana Clubはロードマップを公開しており、NFT保有者のDAOによるエコシステム拡大を計画しています。

Bored Ape Solana Clunのサンプル画像

画像引用:Bored Ape Solana Club

point DAOとは

DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型の組織と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用されています。

Space Doodles

Doodlesはポップなデザインが特徴的なNFTコレクションで、SNSのプロフィール画像などに広く用いられています。

Space DoodlesはDoodlesの創設チームが手がける公式のNFTデリバティブで、Doodlesが宇宙へ出発する物語をテーマとしています。

Space Doodlesのサンプル画像

画像引用:OpenSea

Space DoodlesはオリジナルNFTの保有者が獲得できるようになっていますので、オリジナルのNFTと価格が連動しやすくなっています。

NFTデリバティブのリスク

NFTデリバティブは投資先として大きなリターンを生む可能性がありますが、そこにはリスクが潜んでいます。具体的には、以下のようなものが考えられます。

オリジナルと取り違えて買う可能性

NFTデリバティブの中には、オリジナルNFTと比べて名前も外見もそっくりな例が少なくありません。このため、オリジナルとNFTデリバティブを間違えて買ってしまう可能性がありますので、購入前に注意深く確認する必要があります。

出口詐欺の可能性

仮想通貨市場では詐欺が蔓延しています。NFTマーケットプレイスには無数のNFTデリバティブが存在し、その中には出口詐欺を狙ったものもあります。

出口詐欺は英語で Rug Pull(ラグプル)と呼ばれ、開発チームが資金を集めた後にプロジェクトを放棄したり、資金を持ち逃げしたりする行為です。

強力なコミュニティの形成が難しい

NFTデリバティブの価値は、オリジナルのNFTコレクションに依存しています。NFTデリバティブは独自のブランド力が弱いため、オリジナルのNFTコレクションの人気が低下すれば、それに連動して価値を失ってしまうと考えられます。

また、オリジナルのNFTコレクションの人気が健在でも、他のNFTデリバティブにシェアを奪われて下火になる可能性もあります。

人気が低下する可能性はどのNFTコレクションにもあります。しかし、NFTデリバティブは模倣であることから、強力なコミュニティ形成は難しいでしょう。

NFTマーケットプレイスから削除される可能性

ほとんどのNFTデリバティブは、OpenSeaやLooksRareなどの大手NFTマーケットプレイスで取引されています。

これらのNFTマーケットプレイスでは自由に出品できますが、ポリシーを守る必要があります。そして、NFT関連の詐欺が横行していることから、OpenSeaなどはコピーやスパム的な作品を排除し始めています。

何がコピーやスパムに該当するかの基準はあまり明確でなく、NFTデリバティブは模倣品としての性質が強いことから、NFTマーケットプレイスから削除されるかもしれません。

NFTデリバティブを選ぶポイント

NFTデリバティブは投資の選択肢となりうる一方、詐欺や損失のリスクがあります。リスクを軽減するには、DYOR(自身でリサーチする)が必要です。確認するポイントとして、以下のような事項が挙げられます。

運営元

NFTデリバティブには2種類あり、オリジナルの運営元が公式のスピンオフとして始めたプロジェクトと、非公式のプロジェクトです。

どちらの方が優れているということはありませんが、詐欺のリスクを考えると、公式のプロジェクトの方が良いかもしれません。非公式のプロジェクトを選ぶ場合は、詐欺のリスクに留意すべきです。

コミュニティの活発さ

コミュニティの活発さは、NFTデリバティブの価値を計る上で重要な指標となります。Discord(ディスコード)やTelegram(テレグラム)などを覗いてみて、活発でなければあまり有望でないと判断できます。

コミュニティの活発さが全てではありませんが、指標のひとつとして利用できます。

Twitterでの評判

Twitter(ツイッター)は優れた情報収集ツールとして活用できます。

プロジェクトの公式アカウントから定期的に情報発信があるか、フォロワーは何人か、投稿へのエンゲージメントは高いかなどを確認すれば、悪質なNFTデリバティブを回避しやすくなります。

併せて、他のユーザーのコメントを読むと、そのNFTデリバティブの評判が分かります。買い煽りのツイートなども大量に投稿されているので、量だけで判断せずに投稿の内容を精査する必要があります。

OpenSeaでの統計

OpenSeaではコレクション毎のページで、統計を確認できます。例えば、合計売上やフロアプライス(最低落札価格)、オーナー数などです。これらの統計が良ければ、対象のNFTデリバティブが投資先として優れている可能性があります。

NFTデリバティブは違法か

NFTデリバティブは見た目やコンセプトがオリジナル作品と変わらない場合が多く、著作権を侵害しているとの議論があります。

現実的には、NFTがグローバルな市場で取引されていることや、仮想通貨市場全体にインターネットミームの文化が定着していること、ほとんどがジェネラティブに生成されていることなどから、NFTデリバティブの違法性はグレーになっています。

point ジェネラティブNFTとは

ジェネラティブNFTとはデジタルアートの一種で、アルゴリズムや数学的な処理でランダムに生成される要素を含みます。それぞれ異なる背景や装飾品、表情などの要素を持っています。

非公式なNFTデリバティブの中には、オリジナルのクリエイターや運営元の許可を得ていないものもあるので、注意が必要です。

ハイリスク・ハイリターン

NFTデリバティブは、通常のNFT投資と比較してハイリスク・ハイリターンだといえそうです。オリジナルに似たNFTを安価に購入できるメリットがある一方、詐欺などのリスクがあります。

仮想通貨投資ではDYORが基本となっており、NFTデリバティブ投資をするまえに入念な調査が必要です。


Date

作成日

2022.12.23

Update

最終更新

2023.03.16

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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