作成日
:2023.02.28
2023.04.12 10:11
仮想通貨(暗号資産)GPTがIDO(イニシャルDEXオファリング)に登場しました。人気IDOプラットフォームのDAO Makerで実施することもあり、GPTは話題の仮想通貨となっています 。加えて、GPTを発行するCryptoGPTはAI分野のブロックチェーンであることから、将来性が期待されています。
CryptoGPTはAI発展への寄与を目標としており、ユーザーは自分自身のデータを使って収益を得られます。具体的にどのような特徴があり、どのような使い方ができるのでしょうか。
2023年2月23日、DAO Makerが仮想通貨(暗号資産)GPTのトークンセール実施を告知しました。仮想通貨GPTはCryptoGPTと呼ばれるブロックチェーンのネイティブトークンです。
画像引用:CryptoGPT
IDOはイニシャルDEXオファリングの略称で、DEX(分散型取引所)を通じた新規の仮想通貨販売を意味します。取引所が実施するIEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)と比較して、案件数が多いことが特徴的です。
GPTのIDOはイーサリアム(ETH)とBNBチェーンで実施され、最大300万ドルの資金調達を目標としています。DAO Makerにおけるトークンセールで、GPTは1通貨あたり0.005ドルで販売されています。
2023年3月、仮想通貨GPTは大手取引所に続々と上場しています。上場先にはBybit(バイビット)やGate.io(ゲート)、MEXC(メクシー)といった日本人ユーザーを抱える取引所もあります。
大手取引所への上場により、DAO MakerでのIDOの当選に外れた人も、気軽にGPTを購入できるようになりました。
2023年3月14日時点で確認できるチャートは以下の通りです。
画像引用:CoinMarketCap
3月14日は、高値の12円台を記録した後に下落し、本記事執筆時点では約11円となっています。
GPTはCryptoGPTのブロックチェーンで発行される仮想通貨です。CryptoGPTはイーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンで、AI(人工知能)支援を目的に構築されています。
画像引用:CryptoGPT
多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。
CryptoGPTはマーケティング分野で経験豊富なJamila Jelani氏をCEOに据え、リップルでの経験を持つCTOのDejan Erja氏を中心にして開発が進められています。
CryptoGPTはAI(人工知能)のキーワードで注目を集めています。
CryptoGPTはDApp(分散型アプリ)の基盤として利用できます。フィットネスやゲームなど、多様な分野のDApp開発が可能であり、ユーザーはDAppを利用することで利益を得られます。
ユーザーがCryptoGPTでDAppを利用すると、ユーザーに関するさまざまなデータが蓄積されていきます。例えば、フィットネス関連のDAppを利用すれば、運動習慣のデータが蓄積されます。
CryptoGPTでこれらのデータを取引できるようになる予定で、ユーザーは自身のデータを販売し、企業がそれを購入することが想定されています。
ビッグデータとは人間が把握できないほど多様で巨大なデータ群を指します。近年のコンピュータの発達で、ビッグデータの分析が容易になりました。
ビッグデータはAIと相性が良いとされており、AI企業にとって重要です。企業はビッグデータをAIに学習させて新しいモデルを構築したり、傾向やパターンなどを見つけたりできます。
AIは学習アルゴリズムを備えており、ある程度のデータを与えると、自動で学習してアウトプットの精度を高めることができます。AIにとってデータは必要不可欠な存在です。
CryptoGPTでは、AI向けにデータを売却して収益を得るモデルを「AI to Earn」と名付けています。
当記事執筆時点(2023年2月26日)でCryptoGPTで稼ぐための詳細は不明ですが、マーケットプレイスでデータを販売できることや、ユーザーのデータが紐付けられた「カプセルNFT」を利用することがわかっています。
画像引用:CryptoGPT
カプセルNFTには異なる種類やレアリティが設けられており、それに応じて収益性の高低が変わってくると考えられます。具体的にどのように稼ぐのかについて、CryptoGPTの続報を待ちましょう。
紹介(リファーラル)キャンペーンを行なっていることもあり、CryptoGPTはTwitter上で話題となっています。
DAO Makerがトークンセールを実施することでGPTに対する期待も高まっており、CryptoGPTの公式Twitterアカウントのフォロワー数は17万人を記録しています。また、一部の熱心な投資家の間で、有望なAI銘柄として注目されています。
しかし中には、CryptoGPTを警戒するツイートも散見されます。例えば、「CryptoGPTの本質はビッグデータの販売でAIは後付け感がある」、「目玉のZKロールアップ(ZK Rollup)が早くとも2023年末以降にしか本格リリースされない」などの懸念点です。
言語AIのChatGPTが流行したことから、CryptoGPTはその人気にあやかったプロジェクトだとの批判もあります。
ChatGPTはOpenAIによって開発された言語AIです。大量のテキストデータを学習することにより、人間のような自然な文章を生成します。その高い言語処理能力が注目を集め、2023年に入って大流行しています。
Twitter上ではフィッシング詐欺に関する投稿も見られました。
とあるユーザーは、偽アカウントが紹介するサイトにウォレット繋ぎ、ハッキング被害にあったと投稿しています。同投稿では、「偽アカウントにはフォロワーが1万人以上もおり、一見しただけでは本物と見分けがつかない」といった旨の注意喚起もされています。
こうした詐欺は仮想通貨市場では珍しいものではありませんが、期待が高まると見落としがちになります。SNSやWebサイトで情報収集する際は、公式情報かどうかを改めて意識したいですね。
仮想通貨GPTは、CryptoGPTの成長に伴って価格が上昇していく可能性があります。そこで、GPTの将来性に関わりのあるCryptoGPTの特徴と、ロードマップを紹介します。
CryptoGPTはDAO形式で運営され、エコシステム内で発生した収益の一部を使ってGPTを買い戻してバーンきます。
CryptoGPTの利用が活発になって収益が生まれるようになれば、より多くのGPTがバーンされて価格が上昇しやすくなると考えられます。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型の組織と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用されています。
バーンとは、仮想通貨を永久に使えなくする行為を指します。仮想通貨を特定のウォレットに送ることで実行できます。バーンを実行すると総流通量が減少するので、仮想通貨の希少性が高まって価格上昇につながりやすくなります。
なお、CryptoGPTの収益には、取引手数料(ガス代)やデータ取引のマーケットプレイスから得られる手数料、カプセルNFTの売り上げなどがあります。
CryptoGPTによると、CryptoGPTでは100件を超えるDAppの開発プロジェクトがあり、本格リリース時には200万人を超えるユーザーの獲得を見込んでいます。例えば、20万人以上のユーザーを持つマッチングアプリ「POM」が移植される見込みです。
画像引用:CryptoGPT
AI分野では、メガテック企業が大きな成功を収めています。
メガテック企業とは、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)を筆頭とするインターネット上の巨大ビジネスを指します。これらの企業は、ユーザーデータを活用したAIビジネスを展開しています。
CryptoGPTの評価額は1,500万ドル程度ですが、GoogleやAmazonなどを視野に入れています。
画像引用:CryptoGPT
メガテック企業はユーザーデータを独占して利益を上げる一方、CryptoGPTはデータから発生する収益を分配します。こうして、透明性が高くて公平なビジネスモデルを実現しようとしています。
CryptoGPTはロードマップを公開しており、2023年第1四半期から第4四半期までは以下の通りです。
仮想通貨GPTは以下のような使い道があります。
GPT保有者はステーキングができます。当記事執筆時点(2023年2月26日)で、CryptoGPTにステーキング機能は実装されていませんが、近日中に実現する見込みです。
ステーキングとはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨で採用される仕組みで、ブロックチェーンの維持に貢献する対価として報酬を得ることを指します。また、仮想通貨を貸し出して報酬を得られるサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
GPTをステーキングすると、CryptoGPT内で特典を受けることができます。現時点では、マーケットプレイスでのデータを割引価格で購入できる見込みです。
ブロックチェーンを利用するには取引手数料が必要で、GPTを手数料支払いに利用できます。
CryptoGPTのその他特徴として、リリース予定のサービスと、CryptoGPTが導入予定の技術について紹介します。
CryptoGPTは、以下の3つの製品をリリース予定です。
CryptoGPT Launcherはスマホのアプリストアのような機能で、様々なDAppを活用して自分のデータを売却できます。
画像引用:CryptoGPT
SDKとはソフトウェア開発キットの略称で、効率的にDAppを開発できます。CryptoGPT SDKはCryptoGPTブロックチェーン専用のSDKです。
CryptoGPT Coreはエコシステム全体の核となるアプリ群で、運営によって開発されます。
CryptoGPTはZKロールアップの導入を計画しています。ロールアップとはレイヤー2を高速化するためのツールで、トランザクションをより迅速かつより安価に処理できるようになります。
イーサリアムのレイヤー2のロールアップには、主に「ZKロールアップ(ZK Rollup)」と「Optimisticロールアップ(Optimistic Rollup)」があり、ZKロールアップは匿名性やセキュリティに優れています。
CryptoGPTはZKロールアップを利用してデータを伝達し、Data-to-AIエンジンを通じて外部に供給します。
仮想通貨(暗号資産)GPTは日本の取引所で売買できませんので、取引したい場合は海外の取引所を利用することになります。2023年3月14日時点における、各海外取引所でのGPTトークンの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は以下の通りです。
仮想通貨取引所 | 現物 | デリバティブ |
---|---|---|
(バイビット) |
〇 |
× |
(バイナンス) |
× |
× |
(ゲート) |
〇 |
× |
(メクシー) |
〇 |
〇 |
(ビンエックス) |
〇 |
× |
(ビットゲット) |
〇 |
× |
(コインイーエックス) |
× |
× |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
海外の取引所であれば、日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。
Bybitでは、3つの手順でGPTを購入できます。
まずは以下のリンクをクリックし、GPTの購入ページ(GPT/USDT)にアクセスします。
なお、Bybitを利用するには口座を開設しておく必要があります。
ここでは最もシンプルな「成行」での購入方法を紹介します。成行でGPTを購入するには、以下のように操作をして「GPTを買う」をクリックします。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
「買い」または「売り」 |
通貨ペアの左の通貨を買って右の通貨を売るなら「買い」、左の通貨を売って右の通貨を買うなら「売り」を選びます。 |
2 |
注文方法 |
成行を選びます。 |
3 |
注文価格 |
購入したい数量を入力します。 |
GPTはUSDTを支払って購入します。そのため、USDTの残高が十分でない場合は、入金や両替が必要です。
内容を確認して「GPTを買う」をクリックします。注文は即座に確定し、購入したGPTは現物アカウント残高に反映されます。
以下の記事では、買い方に関してより詳しく説明しています。有利な価格を指定する「指値」の使い方なども解説しています。
仮想通貨GPTは早くも期待を集めているものの、CryptoGPTの開発はまだまだこれからです。ロードマップでは2023年中にユーザー数が2,000万人を超える見込みとなっていますが、それが実現できれば、CryptoGPTが目標とするAIの普及に貢献する主要なプラットフォームとなるかもしません。
今後、データ取引のマーケットプレイスが公開される見通しです。DAO Makerでのトークンセール後、GPTはCEX(中央集権型取引所)やDEX(分散型取引所)に上場される見込みなので、気になる方は価格の動向をチェックしてみてください。
作成日
:2023.02.28
最終更新
:2023.04.12
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
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