作成日
:2022.08.19
2023.03.16 15:30
ブロックチェーンはWeb3.0向けの基盤として、利用例が確立されつつあります。仮想通貨(暗号資産)市場には、Web3.0関連のプロジェクトが多数存在しており、この流れを後押ししている状況です。
Hive(HIVE)はWeb3.0向けのブロックチェーンとして開発が進められています。Hiveは汎用的なブロックチェーンプラットフォームとしての役割を担っており、多数のDApps(分散型アプリ)の基盤として機能しています。
当記事では、Hiveの特徴や独自仮想通貨HIVEの値動き、将来性などについて解説します。
Hiveは2020年3月にリリースされたブロックチェーンです。自身をWeb3.0時代のブロックチェーンとして位置付けています。
Web3.0とは、分権化された次世代のインターネット環境を指します。現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)は、大手IT企業が強い影響力を持っています。その一方、Web3.0では個々のユーザーが重要な役割を担います。
Hiveは多様なケースに対応する汎用的な機能を兼ね備えています。活用例としては、トークンエコノミー(仮想通貨を中心とした経済)を内包したSNSやブロックチェーンゲーム、ID管理システム、DAO(自立分散型組織)の構築に必要な投票システム、少額融資を含むDeFi(分散型金融)関連サービスなどが挙げられます。
Hiveの運営はDAOによって行われています。Hiveはガバナンストークンとしての役割を持つHIVEを発行しています。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「自立分散型組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。DAOは、中央集権型の組織と比較して、より民主的で透明性の高い存在と見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用され始めています。
HiveはSteem(STEEM)と呼ばれるブロックチェーンから、敵対的なハードフォークを経て誕生しました。ハードフォークにはコミュニティの分裂が伴うものと、そうでないものが存在しますが、Hiveは前者です。
Steemの一部コミュニティは、人気仮想通貨(暗号資産)トロン(TRON)の創設者であるジャスティン・サン氏が、開発企業を買収してガバナンストークンのSTEEMを大量に保有したことを懸念していました。
DAOでは投票によって意思決定が行われます。通常、ガバナンストークンが投票権のようになっており、保有者には1通貨あたり1票の権利が与えられます。従って、より多くのガバナンストークンを保有する者が、DAOにおいてより強い発言力を持つことになるのです。
実質的に中央集権型の構造となっていることを危惧し、真に分散化されたプロジェクトを目指すために、Hiveを立ち上げることとなったのです。現在、HiveはSteemとは別のプロジェクトとして開発活動が継続されています。
Hiveはブロックチェーンとして技術的にどのような特徴を持っているのでしょうか。仮想通貨HIVEの将来性を考える上では、発行元であるHiveについて知ることが重要です。
ブロックチェーンはそれぞれ、ブロックを検証して承認するコンセンサスアルゴリズムを備えています。コンセンサスアルゴリズムにはいくつか種類がありますが、HiveはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の派生系であるDPoS(デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク)を採用しています。
仮想通貨(暗号資産)保有者は投票システムを通じて、ブロック承認者のウィットネス(Witness)を選定できます。最も多くの票を獲得したウィットネスと投票した仮想通貨保有者は、ブロック生成に関与したことに対して報酬を受け取ることができます。
通常のPoSに比較して、DPoSはブロック生成のための承認プロセスを短縮することが可能です。そのため、より効率的なブロックチェーンを構築することが可能です。
Hiveは3秒で取引を承認することが可能です。ビットコイン(BTC)が約10分、イーサリアム(ETH)が約15秒の時間を要することと比較すると、高速な取引を実現したことはHiveの強みだといえるでしょう。
同時にHiveは取引手数料を無料に設定しています。ビットコインやイーサリアムの取引手数料が、日常的に高騰していることを考えれば、取引手数料がかからないHiveは利用しやすいブロックチェーンだと考えられます。
HiveはDAppsプラットフォームとして、高い互換性を有しており、アプリの統合などがシンプルに行えるという強みを持っています。それは、ほとんどのアプリで利用されているカスタムJSON(JavaScript Object Notation)に対応していることに起因しています。
JSONとは、データの保存や転送する規格のことです。HiveにおけるDAppsがカスタムJSONで操作可能なことは、開発者にとってうれしいポイントでしょう。
独自仮想通貨(暗号資産)のHIVEは、Steemから分裂してから、取引所に上場されて取引可能となっています。今では、BinanceやGate.ioなどの大手取引所でも取り扱いがあります。
2020年3月当初、HIVE価格は20円前後で取引されていました。それから高騰する局面もありましたが、2020年の後半から2021年にかけては、10円台の価格帯で横ばいな動きを続けていました。
画像引用:Coinmarketcap
2021年7月からHIVE価格は、強い上昇を見せました。史上最高値を記録したのは、2021年11月で、330円に達しました。その後は、仮想通貨市場全体の動きに引きずられる形で、右肩下がりの値動きを示しています。
当記事執筆時点(2022年8月)で、HIVE価格は40円台を底値に反発しています。上下を繰り返しながら、80円前後で推移している状況です。
HiveはWeb3.0時代のブロックチェーンとして期待されています。そのエコシステムは拡大していますが、現時点でどのような点で期待できるのでしょうか。
Hiveでは多数のDAppsが開発されています。その種類は多岐に渡り、ゲームやソーシャルメディア、NFT、DeFi、ツール系、スポーツ、ビデオコンテンツなどのカテゴリーでDAppsがリリースされています。
各DAppの取引量は、まだまだ少ないですが、順調にエコシステムに必要な機能が備わり始めています。例えば、DEX(分散型取引所)であるLeoDEXが立ち上げられたことで、ブロックチェーン上で仮想通貨(暗号資産)の取引が可能となっています。
Hiveのコミュニティサイトである「hiveprojects」では、100以上のプロジェクトが立ち上げられていることが確認できます。
Hiveのブロックチェーン上では、HBD(Hive Backed Dollars)と呼ばれるステーブルコインが発行されています。
HBDはアルゴリズム型のステーブルコインです。HBDは1通貨あたり1ドルを維持できるように設計されています。HBD価格は激しく上下に動く時もありますが、概ね1ドル付近に収束しています。
ステーブルコインにはいくつか種類があります。テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などの主要な担保型のステーブルコインは、米ドルを担保とすることで価値の安定性を保っています。一方、アルゴリズム型のステーブルコインは、経済的なインセンティブを付与することで需要と供給のバランスを調整して、価格の安定性を維持しているのです。
執筆時点の2022年8月時点では、HBDの普及はあまり進んでいません。その時価総額は、仮想通貨市場全体で約3,000位です。年利20%のリターンを付与する預金サービスなどが存在しますが、HBDの有力な利用例は、今のところ多くはありません。
今後、Hiveのエコシステムが成熟していけば、HBDを中心としたトークンエコノミーが出来上がる可能性があります。そうなると、HIVEやHBDの時価総額が拡大すると考えられます。
日本国内の取引所はHIVEを取り扱っていません。そのため、HIVEを購入するなら、Binance(バイナンス)やGate.io(ゲート)などの海外取引所を利用することになります。
日本語対応の海外取引所における、HIVEの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
取引所 | 現物 | デリバティブ |
Binance(バイナンス) | 〇 | × |
Bybit(バイビット) | × | × |
Gate.io(ゲート) | 〇 | 〇 |
CoinEX(コインイーエックス) | 〇 | × |
MEXC(メクシー) | 〇 | × |
BingX(ビンエックス) | 〇 | × |
Bitget(ビットゲット) | × | × |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
仮想通貨(暗号資産)市場では、イーサリアムを軸に数多くのDAppsプラットフォームが台頭してきています。具体的には、時価総額の10傑に、BNBチェーン(BNB)やカルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)などが入り込んできています。
HIVEの時価総額は、350億円前後で100位圏外の規模となっています。しかし、高い性能に支えられていることもあり、期待できる動きも見せているので、Hiveは将来が楽しみなプロジェクトだといえるでしょう。
中小規模のアルトコイン投資に興味がある方は、Hiveを検討してみるのも良いかもしれません。この記事を参考にプロジェクトの情報収集を行ってみることをお勧めします。
作成日
:2022.08.19
最終更新
:2023.03.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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