作成日
:2021.06.24
2022.04.20 12:28
6月22日、ビットコイン価格(BTC/USD)は一時的に3万ドルの下値支持線を割り込み、2万8,000ドル台にまで下落した。
今年に入ってからビットコイン価格は強気な値動きを示してきたが、仮想通貨(暗号資産)市場では悲観的な見方が強まっており、短期的に2万5,000ドルが下限になるとの予想も出てきている。現在、ビットコイン価格は3万4,000ドル程度まで回復しているものの、Galaxy DigitalのCEOであるマイク・ノボグラッツ氏はCNBCの取材にて、更なる下振れ余地があると警告している。
今回のビットコイン価格の暴落は、中国政府が仮想通貨の取り締まり強化に動いたことが主な要因になったと考えられている。最近、中国では中国人民銀行(The People's Bank of China, PBoC)が銀行や決済企業に対して仮想通貨取引に関与する口座を閉鎖するよう要求しているのに加え、当局によるマイニング規制が積極的に進められているようだ。これを受け、マイニング事業者が中国内から撤退して他国に移転する動きを見せており、ビットコインネットワークのハッシュレートが大幅に低下しているという。Facebook(フェイスブック)の決済統括部門であるFacebook Financialを率いるデビッド・マーカス氏が、中国の規制強化はビットコインにとって素晴らしい展開だと発言 するなど、長期的にはこれがポジティブに作用するとの議論もあるが、現状では同仮想通貨に対する売り圧力を高める結果を招いている。
一方、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用したことや、MicroStrategyが約5億ドル相当の同仮想通貨を追加購入したことなど、仮想通貨市場ではプラスとなる材料も報告されている。ビットコイン価格は最高値から半値近くの水準にまで下げてきているが、どのように推移していくのか、今後も同仮想通貨の動向を見守っていきたい。
release date 2021.06.24
出典元:
ニュースコメント
チャート上でデッドクロスが発生
今回、ビットコイン価格が暴落したことで50日移動平均線が200日移動平均線を下回り、チャート上では弱気のシグナルであるデッドクロスが完成している。米大手仮想通貨取引所のKraken(クラーケン)によると、過去のケースから見てビットコイン価格はデッドクロスの発生から数日後に下落するか、マクロな下降トレンドが続いて弱気相場にあることが明確化される可能性が高いという。しかしながら直近の仮想通貨市場では長期保有者のポジションを示すHodler Net Position Changeが過去数週間でプラスに転じているため、このデッドクロスが決定的なシグナルとして機能しない可能性もあると言えるだろう。ビットコイン価格が10万ドルに到達すると予想するマイク・マッグローン氏を筆頭に、年初から続く強気相場の継続を主張するアナリストも存在するが、投資家はどのような反応を示すのか、今後も仮想通貨市場での展開に注目していきたい。
作成日
:2021.06.24
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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