作成日
:2021.06.22
2022.04.20 12:27
6月18日、イーサリアム財団(Ethereum Foundation)は、次期アップグレードのロンドン(London)をイーサリアム(Ethereum)のテストネットであるRopstenで有効化する予定だと発表した。
イーサリアム財団のティム・ベイコ氏は、テストネットにロンドンを実装する準備が整ったと言及しており、今月24日頃にはRopsten上で有効化されると伝えている。また、ベイコ氏によると、Ropstenに続いて別のテストネットであるGoerliやRinkebyにも同様のアップグレードが施され、正常に稼働することが確認できれば、メインネットでのロンドン実装が実行されるという。今の所、メインネットでの実装は今年7月頃になる見通しだ。
ロンドンには5つのEIP(Ethereum Improvement Proposal)が含まれているが、その中でもイーサリアム手数料の変更に関するEIP1559が注目を集めているようだ。EIP1559は手数料の高騰を緩和するために、BASEFEE(基本料金)を導入することを提案している。ETH建てのBASEFEEは焼却処理(バーン)されることから、年初から好調なバイナンスコインと同じ構造で長期的な価格上昇を誘発する可能性があると言われているという。その他、ロンドンでは難易度調整アルゴリズムであるディフィカルティボムの発動を延期するEIP3554などが採用されている。
このアップグレードに伴い、イーサリアム財団はノード管理者にクライアントソフトを更新するよう求めている。今年に入ってからイーサリアムは4,000ドルを突破するなど、投資家の高い評価を受けて価格を伸ばしてきたが、このアップグレードがどのような影響を及ぼすのか、今後も同仮想通貨(暗号資産)の動向を見守っていきたい。
release date 2021.06.22
出典元:
ニュースコメント
PoS移行でサステナブルな仮想通貨に生まれ変わるイーサリアム
電気自動車メーカーのテスラ(Tesla)でCEOを務めるイーロン・マスク氏がビットコイン(Bitcoin)が抱える環境負荷の問題に言及してから、仮想通貨市場ではPoS(プルーフ・オブ・ステーク)ベースの仮想通貨に対する関心が高まっている。イーサリアムはETH2.0でPoSを採用することを決定しており、サステナブルな仮想通貨として生まれ変わると期待されているようだ。ある報告書によると、ETH2.0は現行システムで消費される電力の99.95%を削減することを可能にするという。具体的に、ETH2.0の年間消費電力量は米国における一般家庭2,100戸程度となり、国家レベルのエネルギーを消費するビットコインと比較するとかなり効率的だと言えるだろう。大手仮想通貨取引所のバイナンスがイーサリアム向けマイニングプールを立ち上げるなど、イーサリアムマイニングが事業化され始めているが、これがどのような変化をもたらすのか、今後も仮想通貨市場での展開に注目していきたい。
作成日
:2021.06.22
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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