作成日
:2021.02.25
2022.04.06 11:16
ソーシャルトレーディング・プロバイダーのeToro(UK)Ltd.(本社:24th floor, One Canada Square Canary Wharf London, E14 5AB United Kingdom
)【以下、eToroと称す】において、再び口座へのアクセス障害が発生したことが明らかになった。2月23日午後3時(GMT、グリニッジ標準時)以降、eToroの顧客は口座にログインできない状態が続いているという。同社のシステム稼働状況を伝えるeToro Statusでは、既に問題を特定しており、開発者が復旧に向けて取り組んでいると言及しているが、依然として障害は解決されていない状況である。現状、eToroは影響を受けた口座数や技術的な問題が生じた箇所、システム障害が発生した時間帯などを明らかにしていないが、オフラインモードで口座にアクセスし、全てのオープンポジションを確認することはできる模様だ。
eToroのシステム障害が発生した23日は、仮想通貨市場が急落し、1日で2,000億ドル以上の価値を失っている。ほぼ全ての仮想通貨が大幅に下落しており、ビットコイン(Bitcoin)が15%、イーサリアム(Ethereum)が16%、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)が21%、リップル(Ripple)が23%超下落した。同仮想通貨の値動きが大きくなる中、eToroのシステム障害が長引いているため、Twitter(ツイッター)上では一部のトレーダーから不満の声が挙がっている状況だ。
1月21日にもeToroではシステム障害が発生している。同社は、今回の問題解決に向けてマイクロソフト(Microsoft)の上級管理職と緊密に連携すると述べているが、如何なる対応策を講じるか注目したい。
release date 2021.02.25
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックをきっかけに個人投資家の取引が活発化する中、eToroが特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じた50億ドル規模に上るIPO(イニシャルパブリックオファリング)を実施することを目指し、ゴールドマンサックス証券と協議を進めていると、一部メディアが報じた。会社側はこの報道を否定したものの、eToroのソーシャルトレーディングサービスへの需要が高まる中、2度にわたりシステム障害が発生していることに鑑みると、より安心・安全な取引環境の提供に向けた取り組みが早急に求められていると言える。2017年に創業した同社は、既に1,700万人以上の顧客基盤を構築しているが、更なる顧客層の拡大に向けた動きが活発化している。例えば、eToroはラグビーオーストラリア代表と提携し、マーケティング活動を強化している他、eToroはステーキングサービスを開始するなど、仮想通貨を含む商品・サービスの拡充も積極化している状況だ。急速に顧客基盤を拡大させる同社が、頑強なシステムを実現して安定したサービスを提供することに期待したい。
作成日
:2021.02.25
最終更新
:2022.04.06
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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