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米FINRA、ブローカーのソーシャルメディア利用に関する調査に乗り出す可能性

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update 2022.04.12 17:06
米FINRA、ブローカーのソーシャルメディア利用に関する調査に乗り出す可能性

update 2022.04.12 17:06

市場に影響を及ぼし得る不正行為の有無を調査する意向

米国の金融業規制機構(Financial Industry Regulatory Authority)【以下、FINRAと称す】が、企業の監督手法の精査やコンプライアンス体制の修正を図るべく、GameStop【以下、ゲームストップと称す】株を含むミーム株(ネット上で拡散される情報を基に取引される銘柄)の投機的売買に絡んだ、ブローカーによるソーシャルメディアの利用実態に関する調査に乗り出す可能性が浮上している。[1]

現状、ミーム株の売買に絡んだ不正行為は確認されていないものの、ボストン在住の登録ブローカーであり、レディット上においてDeepF---ingValueの名で早くからゲームストップの買い推奨を行っていたKeith Gill氏が2月8日、Massachusetts Securities Division【以下、マサチューセッツ州証券当局と称す】から召喚状を受け取ったとのことだ。マサチューセッツ州証券当局の広報担当者によると、同局はGill氏の登録に関する標準的な調査を行っているという。また1月29日、Gill氏が最近まで勤めていたMassachusetts Mutual Life Insurance Co.【以下、マスミューチュアル生命と称す】に対し、YouTube(ユーチューブ)上においては怒った猫(Roaring Kitty)の名で知られるGill氏のソーシャルメディア利用状況を把握していたか否かに関する情報を求める通知を送付したとのことである。米国の法律関連情報を提供しているLaw360が入手した同局の通知では、Gill氏の在籍年月や詳細な職務内容、従業員によるソーシャルメディアの利用に対するコンプライアンス体制、及びモニタリング体制に関する情報も求められているという。マスミューチュアル生命の広報担当者は、この件に関して対応を検討中と言及している。

現在、Katten Muchin Rosenman LLPのパートナーであり、FINRAのシニアバイスプレジデントを務めていたSusan Light氏は、同機構が登録ブローカーによる不正行為及び規則違反に関する独自調査に乗り出す可能性を指摘している。FINRAが策定した自主規制ルールは、市場操作からブローカーによる業務外のデジタルコミュニケーションに至るまで、包括的な行為を網羅しており、レディットのような掲示板を通じた株価つり上げ行為に対しても適用されるとのことだ。また複数の弁護士によると、各ブローカーは雇用主に対し、業務関連のソーシャルメディア利用を含む、業務時間外の活動状況を知らせる必要があるという。更に、 Cadwalader Wickersham & Taft LLPの金融サービス関連訴訟及び規制業務を統括するパートナーであり、米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】のエンフォースメント(法執行)部門主席弁護士を務めたKyle DeYoung氏は、各企業はエンフォースメントの実施に繋がりかねない責任者の行為を監督しなければならず、当局は当初、市場に影響を及ぼし得る虚偽記載の有無に着目していたと言及している。またDeYoung氏によると、FINRAが各ブローカーの行為及び各企業の監督体制に関する調査を主導する一方、SECは市場操作の有無と規制フレームワーク上の問題に関して調査を行う可能性があるという。更に、多くの企業が既に従業員を監督する体制を構築しているが、仮にコンプライアンス方針を数年前に策定した場合、レディットのような掲示板の利用に対応した新たな監督手法も求められているとのことだ。

FINRAが制定したコミュニケーションルールである規則2210は、各企業に対して投資推奨を含むパブリックコミュニケーションの監督及び報告を求めている他、虚偽記載や誇大広告などから投資家を保護すべく、新たなメディア媒体であるソーシャルメディアに対しても適用することができるという。2021年2月1日に公表されたリスクモニタリングに関する報告書において、同機構は各企業に対し、不正とみなされる可能性が高い行為のトラッキングや記録保存の重要性を説くと共に、デジタルコミュニケーションチャネルのモニタリングを求めている。

規制策に関して、FINRA及びSECと連携をとるSouthern California Compliance Groupの社長を務めるDave Banerjee氏は、従業員の監督に関しては各企業のCEOや支店マネージャーといった責任者の裁量次第であるものの、代表者は書面による監督指針の策定及び更新に加え、継続的なコンプライアンス教育の実施、及び監督スキームが機能していることを示す年次証明を作成しなければならないと言及している。一方、組織の責任者が業務を遂行する上で必要な研修・教育及び適切な文書管理を行う場合、FINRAの規則を遵守する従業員に多大な負担を強いることになるという。

FINRAがブローカーに対する調査を行う可能性が出てきているが、ソーシャルメディアを活用した投機的売買に対して如何なる対応策を講じるか、その動向を見守りたい。

release date 2021.02.12

出典元:

ニュースコメント

規制当局による監視の目も強まるレディット騒動

レディット騒動を巡り、海外FXブローカー各社が市場の混乱に警戒感を高める中、Interactive Brokersとロビンフッドが取引制限を講じた他、IG Groupが新規口座開設の受付停止を決めた。また、2月15日よりAdmiral Marketsが株式及びETFのCFD取引手数料無料サービスを廃止する方針を示している他、ペニー株(低位株)を原資産とする株式CFDの購入を禁止した。更に、SECがレディット騒動に関する分析結果を公表する見通しである他、FINRAがブローカーのソーシャルメディア利用に関する独自調査に乗り出す可能性も出てきており、規制当局による監視の目も強まっている。これら一連の取り組みを受け、レディット上で繋がる個人投資家が共闘して買い漁っていたゲームストップ株は、1月28日に483ドルまで急騰した後、2月9日には50ドル近辺に沈んだ。一方で、レディット投資家は大麻株を次の標的として定め、投機的な売買を行っている模様だ。海外FXブローカー各社は株価が乱高下する一部銘柄の取引制限などの対応策を講じたが、顧客保護を徹底すべく、安心・安全な取引環境を構築することに今後も期待したい。


Date

作成日

2021.02.12

Update

最終更新

2022.04.12

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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