作成日
:2021.02.03
2021.08.31 15:31
米国の大手仮想通貨取引所であるKraken(クラーケン)は、独自のChainlinkノードを立ち上げ、仮想通貨のスポット価格を様々なDeFi(分散型金融)アプリで利用可能にすることを計画していると発表した。
公式発表によると、KrakenはブロックチェーンプラットフォームであるChainlinkの暗号署名機能を活用し、同取引所における仮想通貨のスポット価格をオンチェーンで提供する予定だという。Krakenはオラクルを介してデータフィードを行い、デリバティブやレンディング、国際決済、ステーブルコイン、自動資産管理プロトコルなどを用いたDeFiアプリの開発を促進する狙いだ。現在、Krakenはデータの透明性向上を目指しており、価格操作などによるリスクを検証している。
Krakenの製品部門責任者であるJeremy Welch氏は、同取引所の試みに関して次のようにコメントした。
これによりDeFiアプリへの正確な価格フィードの提供に加え、チェーン上でデータに暗号署名を行い、その出所を間違いなく証明できるようになるため、自動化されたブロックチェーントランザクションの信頼性を高めることになるでしょう。Krakenは、成長する仮想通貨市場で需要を満たす製品とサービスをいち早く提供することに誇りを持っています。DeFiの成長と高品質のデータフィードの必要性を考慮し、独自のChainlinkノードを介して同取引所におけるスポット価格を開発者に提供できることを嬉しく思います。
Jeremy Welch, VP of Product at Kraken - Krakenより引用
Krakenと同様に大手取引所のHuobiもChainlinkを介して価格データを提供している。DeFi市場の拡大でデータフィードの重要性が増しているだけに、今後もKrakenの取り組みに注目していきたい。
release date 2021.02.03
近年、DeFi市場は盛り上がりを見せており、今年に入ってからChainlink(Chainlinkブロックチェーンのネイティブトークン)やAave、UniswapなどのDeFiトークンの時価総額が大幅に増加しているようだ。世界最大のDeFiプラットフォームとして知られるイーサリアム(Ethereum)もETH価格が過去3年間の最高値となる1,150ドルを記録するなど、このトレンドに後押しされる形で需要を伸ばしている。これに対して仮想通貨関連企業はDeFi市場へのアクセスを拡大しており、例えば、Krakenの競合であるジェミニは7種類のDeFiトークンを上場しているという。2021年、イーサリアムのETH2.0への移行が本格化すれば、更に多くのDeFiプロジェクトの立ち上げが見込まれるが、仮想通貨市場はどのように偏移していくのか、今後もその動向を見守っていきたい。
作成日
:2021.02.03
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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