作成日
:2021.01.06
2021.08.31 15:31
年初からの高騰を見せて先日ビットコイン価格が3万4,000ドルに到達したことを受け、イーサリアム(ETH/USD)が過去3年間の最高値となる1,150ドルを記録した。
昨年だけでイーサリアム価格は450%の上昇を記録したが、今年に入ってからもその勢いは継続しており、過去7日間で50%の高騰を見せている。現在、イーサリアム価格は1,050ドル付近にまで押し下げられているものの、その時価総額は依然として1,200億ドルを上回っているという。最近、イーサリアムはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)のコンセンサスアルゴリズムへの移行を本格化させており、ビーコンチェーン(Beacon Chain)の立ち上げでETH2.0のステーキング契約が6億ドルを突破するなど、需要が高まってきているようだ。
加えて、先物市場ではイーサリアム先物の建玉が過去最高の26億ドルを超え、バイナンスでは6億3,200万ドル、OKExでは4億2,100万ドル、Huobi(フォビ)では3億8,200万ドル相当のポジションが構築されている。これに対してTritumのJohn Willock氏は心理的な支持線または抵抗線となり得る1,000ドル付近で大きな売りが入る可能性があると前置きし、投資家がイーサリアムのリスクヘッジを行うために先物市場での動きが活発になっていると説明した。
また、Willock氏は機関投資家による関心の高まりを受け、世界最大のデリバティブ取引所を運営するCMEがイーサリアム先物の提供を開始する可能性があると言及している。これが現実のものとなれば、イーサリアムにとってポジティブな材料になると言えるが、今後も同仮想通貨価格の動向を見守っていきたい。
release date 2021.01.06
これまでイーサリアムはETH2.0の立ち上げに向けて開発を進めてきたが、昨年イーサリアムはクライアントソフトのバグでブロックチェーンが分岐するなど、システムの脆弱性を露呈する場面も見受けられた。しかしながら仮想通貨コミュニティはイーサリアムを全面的に後押ししており、多くの投資家がステーキングプログラムに参加する形でその開発活動をサポートしている。また、これらの投資家はイーサリアムがDeFi(分散型金融)関連サービス向けのプラットフォームとして需要が拡大することを見越し、2021年も同仮想通貨の強気な値動きを期待しているようだ。実際に昨年末時点でイーサリアムブロックチェーンには1,000億ドル相当の仮想通貨がDeFi関連サービス向けに預け入れられており、その額は増加傾向にあるという。このようにイーサリアムは仮想通貨市場でも注目の存在となっているが、2021年はどのような値動きを見せるのか、今後もその推移を注視していきたい。
作成日
:2021.01.06
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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