Select Language

イーサリアム、クライアントソフトのバグでブロックチェーンが分岐

イーサリアム、クライアントソフトのバグでブロックチェーンが分岐

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:31
イーサリアム、クライアントソフトのバグでブロックチェーンが分岐

update 2021.08.31 15:31

イーサリアムおよびERC-20トークンの取引が一時的に停止される

イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンがクライアントソフトのバグで分岐し、最大のDeFi(分散型金融)プラットフォームとして知られる同エコシステムに障害が発生していることが明らかになった。[1]

以前、イーサリアムはクライアントソフトであるGethのアップデートを行い、このバグの修正を試みたが、一部ノードが更新を怠ったことでブロックチェーンに分岐が発生した。事後分析によると、このバグによる被害は意図的に引き起こされたものであり、2016年のDAO事件以来のハッキング被害だという。今回、イーサリアムのシステムに脆弱性が発見された事実は、イーサリアムが今年中の立ち上げを公言しているETH2.0の有効性および分散化に関する課題を浮き彫りにした。

障害に伴い、イーサリアムのインフラプロバイダーであるInfuraのメインネットAPIが停止し、バイナンス(Binance)やビッサム(Bithumb)を含む複数の仮想通貨取引所で、イーサリアムおよびERC-20トークンの取引が一時的に停止となった。これに加え、イーサリアムブロックチェーンでのデータフィードに異常が発生し、MetamaskやMakerDAO、Uniswap、Compound、MyCryptoなどのシステムがダウンしている。既にInfuraは他のサービスプロバイダーと同様にGethをアップデートすることで問題を修正しているという。

イーサリアムコミュニティでは、バグの修正がGethとその他クライアントソフトの開発チームとの間で調整せずに行われたこと自体が問題視されている。実際に、Gethの開発チームはv1.9.17のリリースでコンセンサスプロセスに変更を加えたものの、それをイーサリアムコミュニティに共有していなかったようだ。開発チームのリーダーであるPéter Szilágyi氏は、バグを秘密裏に修正することで混乱を避ける目的があったと説明しているが、ThesisのMatt Luongo氏は協力してスムーズなアップデートの管理と調整を行う必要があると反論した。

匿名通貨のジーキャッシュがバグを秘密裏に修正するなど、中には被害を招くことなく、間違いを是正した仮想通貨プロジェクトも存在するが、Luongo氏はあらゆるケースで調整を回避することが非常に危険な考えだと述べた。特にイーサリアムはETH2.0への移行が差し迫っているだけに、何らかの改善策が必要になると言えるだろう。

release date 2020.11.13

出典元:

ニュースコメント

ETH2.0移行に伴うリスクを警戒する投資家

これまで、イーサリアムはPoS(プルーフオブステーク)のコンセンサスアルゴリズムを中核とした、効率的なブロックチェーンシステムを実現するために、4段階アップデートと呼ばれる継続的なハードフォークを実施してきた。しかしながら、その過程でイーサリアムは様々な問題を露呈しており、仮想通貨市場ではETH2.0への移行がシステム全体のリスクになるとの見方が強まっているようだ。実際に、米大統領選挙の影響でビットコイン価格が1万4,000万ドルを突破して仮想通貨市場が好調を示す中、投資家はイーサリアムオプションのポジションを構築して同仮想通貨価格の暴落に備えているという。今回、イーサリアム価格は一時的な取引停止に陥ったにも関わらず、前日から4.6%の上昇を示している。ETH2.0への移行が現実味を帯びてくるにつれて、イーサリアム価格の動きも活発になってくると考えられるが、今後も同仮想通貨の動向に注目していきたい。


Date

作成日

2020.11.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル