Select Language

レバノン中央銀行、来年までのCBDC発行を計画

レバノン中央銀行、来年までのCBDC発行を計画

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:31
レバノン中央銀行、来年までのCBDC発行を計画

update 2021.08.31 15:31

キャッシュレス移行による経済効果にも期待

レバノン中央銀行(Banque Du Liban)が、来年までに中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】をローンチする計画を立てていることが明らかになった。[1]

今月10日の報道によると、レバノン中央銀行のRiad Salameh総裁は同行がCBDCのイニシアチブを立ち上げたことを認め、これが国民の銀行業界に対する信頼を回復すると同時に、キャッシュレスなシステムへ移行する機会になると語ったという。レバノン中央銀行がCBDC開発に取り組んでいる事実が明らかになったのは2019年半ばのことだったが、今回、そのプロジェクトがより具体的な形で進められていることが確認された。

現在レバノンは経済的な危機に瀕しており、今年3月、債務不履行に陥ったことをきっかけに、商業銀行と政府の関係に混乱が生じているようだ。これに関して、Salameh総裁はレバノンに天然資源がないことを前置きし、海外市場での信用を保つために金を保有する必要があると主張している。また、Salameh総裁はレバノン国民が約100億ドルの現金をタンス預金として保有していると指摘しており、この状況を打開する意味でもCBDCによるキャッシュレス化が有効であることをほのめかした。

先日、ベイルート爆発事故を受けて仮想通貨コミュニティが寄付を募った際、「仮想通貨サービスを利用してレバノンの破壊された金融システムを回避する」というキャッチフレーズがSNSを介して拡散された。レバノンは政治的腐敗が要因で破綻寸前にまで追い込まれているが、CBDC発行がどのような変化をもたらすのか、今後も同国での展開を見守っていきたい。

release date 2020.11.13

出典元:

ニュースコメント

ハイパーインフレと財政難に苦しむレバノン政府

2019年以降、レバノンでは法定通貨のレバノンポンドが約90%減価するハイパーインフレに見舞われると同時に、外貨建て国債が12億ドルを突破して財政難に苦しめられている。同様の状況にあるベネズエラはペトロを給与と価格制度に導入するなど、CBDC発行で起死回生を試みているものの、今の所、国の経済や財政が改善するには至っていないようだ。また、ベネズエラは仮想通貨マイニングを合法化し、仮想通貨全般の規制および監督を行う政府機関のSUNACRIP(National Superintendency of Crypto Assets and Related Activities)を中心に新しいソリューションの立ち上げを目論んでいるという。同じくレバノン政府もCBDC発行で金融システムの再構築を図ろうとしているようだが、法定通貨やその他資産による価値の裏付けが十分でなければ、ベネズエラの二の舞となることは避けられないと言えるだろう。


Date

作成日

2020.11.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル