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ベイルート爆発事故を受けて仮想通貨コミュニティが寄付を募る

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update 2021.08.31 15:33
ベイルート爆発事故を受けて仮想通貨コミュニティが寄付を募る

update 2021.08.31 15:33

国内の金融システムを介さずにOTCなどを利用して資金を供給

レバノンのベイルートで発生した大規模な爆発事故を受け、同国の銀行システムが危機に瀕している中、仮想通貨コミュニティが募金キャンペーンを行なっていることが明らかになった。[1]

このキャンペーンは欧州内のレバノン人駐在員グループが中心となって立ち上げられたものであり、Instagram(インスタグラム)を介して世界中に広められているという。これに伴い特設のキャンペーンサイトが立ち上げられており、「仮想通貨サービスを利用してレバノンの破壊された金融システムを回避する」というキャッチフレーズの下、寄付を呼びかけているようだ。

集められた資金は、被災者に食料や避難所の支援を行うBeit el BarakaやBaytna Baytakなどの非営利団体に送金される予定だ。そのためには地元のOTC(店頭取引)利用者などを通じて自力で流動性を作り出す必要がある。

レバノン国内では、パレスチナ人の教授兼作家のSaifedean Ammous氏もBeit el Barakaや赤十字のために募金活動を行っており、既に数千ドル相当のビットコイン(Bitcoin)を調達しているという。その他には非営利団体のKilna Ya3ne Kilnaがビットコインのクラウドファンディングを実施し、食料や日用品を各家庭に届けようと活動しているが、被害の規模を考えると更に多くの支援が必要になると言えるだろう。

release date 2020.08.13

出典元:

ニュースコメント

実社会での利用が拡大する仮想通貨

これまで仮想通貨は投機的な目的以外の有効なユースケースが確立されていないことが課題となっていたが、徐々に実社会で利用される機会が増え始めているようだ。実際に、決済プロバイダーのビットペイは店頭での仮想通貨決済サービスを提供しており、POS(Point of Sale)端末を介して仮想通貨を消費することを可能にしている。この流れを受けて欧州ではイングランド銀行がステーブルコインによる決済規制に賛同する意向を示し、仮想通貨市場のイノベーションを阻害しないことを前提に、当局が送金や決済などのトランザクションを監視するための体制を整えようとしているという。その他の分野では、米カリフォルニア州ロサンゼルス郡の地域コミュニティであるBassettでブロックチェーン上での炭素クレジット取引が計画されているが、仮想通貨は社会に変革をもたらす存在になり得るのか、今後も業界の動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.08.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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