Select Language

炭素クレジット取引がブロックチェーン上でデジタル化される可能性

炭素クレジット取引がブロックチェーン上でデジタル化される可能性

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:33
炭素クレジット取引がブロックチェーン上でデジタル化される可能性

update 2021.08.31 15:33

カリフォルニア州で2,000万ドル規模のプロジェクトがスタート

米カリフォルニア州ロサンゼルス郡の地域コミュニティであるBassettにおいて、ソーラーパネルや蓄電システム、電気自動車、充電インフラ関連のデータを収集するプロジェクトの一環として、パブリックブロックチェーン上で炭素クレジット取引の試験市場が構築されることが明らかになった。[1]

このプロジェクトには2,000万ドル規模の予算が割り当てられており、州のエネルギー政策および計画機関であるカリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission)が900万ドル、Google(グーグル)やカリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California Los Angeles)などが残りの1,100万ドルの費用を捻出することが決定している。これに参加するEVShareのCEOであるEduardo Javier Muñoz氏によると、企業は共有の電気自動車に電力を供給して二酸化炭素排出量を削減することでトークンを獲得し、将来的にそれを電力消費や交通、その他サービスの支払いに利用できるようになるという。また、Muñoz氏はこのプロジェクトを通じて炭素クレジット取引がデジタル化されると同時に、Bassettの住人が共有の電気自動車を安価に利用可能になると説明した。

モビリティ関連のトランザクションはビットコイン(Bitcoin)ネットワーク上に構築されたRSKブロックチェーンに記録される。RSKブロックチェーンはRSK Labsが開発したRIF(RSK Infrastructure Framework)を介して車両とソーラーパネル、バッテリー、充電器のトランザクションなども管理し、Green Commuterが運用する電気自動車の共有システムをサポートする。このプロジェクトのフェーズ1では研究開発やビジネスコラボレーション、Bassettの協力を得ることが目的とされているが、続くフェーズ2では2年間で50戸の住宅を太陽光発電網に接続するなど、更なる広がりを見せることが予想されている。

炭素クレジットを保有する企業は一定量の二酸化炭素やその他温室効果ガスを排出することが認められている。炭素クレジットが不要な企業はそれを他の企業に売却し、収益を得ることが可能だが、これらのプロセスがブロックチェーン上でデジタル化されれば、自然環境の改善に大きく貢献する可能性があると言えるだろう。

release date 2020.08.11

出典元:

ニュースコメント

環境への配慮強化が求められる金融業界

年々、企業は環境への配慮が求められるようになっており、その影響は金融業界でも顕著になり始めている。例えば、仮想通貨規制に向けて国際コンソーシアムを結成したWEFでは、スウェーデンの高校生環境活動家であるグレタ・トゥンベリ氏が登壇したことでこの問題への関心が高まっているようだ。また、英国の金融情報会社であるリフィニティブがグローバルサステナブル戦略として、ESG(環境、社会、ガバナンス)データを活用し、気候変動問題に取り組むことを公表するなど、明確なアプローチを示す企業も散見されるようになった。しかしながら仮想通貨市場では、マイナーへの影響が懸念されたビットコイン半減期を迎えマイニング難易度が上昇し、消費電力の増加を招いている状況だ。今回、カリフォルニア州でパブリックブロックチェーンを活用したスマートグリッドプロジェクトが立ち上げられたことはポジティブな出来事だと言えるが、仮想通貨コミュニティの環境に対する意識はどのように変化するのか、今後もその展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.08.11

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

またコピトレ詐欺か?WeekendFXにAmazingTick型の詐欺疑惑

WeekendFXのコピートレードに参加したユーザーが、「出金できなくなった」と次々に声を上げ始めています。AmazingTickの詐欺事例との類似点も多く、同じ手口のコピトレ詐欺なのではないかという疑惑が持ち上がっています。
update2025.06.23 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

Exnessの出金遅延はなぜ起きた?オンラインカジノ規制の影響とは

海外FX業者のExnessでは、国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

【速報】イラン・イスラエル停戦報道でビットコイン反発、一時10万6,000ドル突破

2025年6月23日、トランプ大統領がイラン・イスラエル間の停戦を自身のSNSで発表しました。これにより中東での地政学リスクが後退し、ビットコイン(BTC)の価格は一時10万6,000ドルまで急反発しました。
update2025.06.24 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

【スリトレ堂安氏の約3倍】本田圭佑×Titan FX、SNSフォロワー数379万の影響力は?

海外FX業者のTitan FXがサッカー選手の本田圭佑氏をグローバルアンバサダーに起用したことを発表しました。なぜTitan FXは「本田圭佑」を選んだのか、SNSの反応や業界の過去事例からその影響力を読み解きます。
update2025.06.09 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル