イーサリアム、供給量を自己検証するためのスクリプトを実装

人気仮想通貨のイーサリアム（Ethereum）が、同仮想通貨の供給量を自己検証するための新しいスクリプトを実装したことが明らかになった。[1]

世界最大の仮想通貨であるビットコイン（Bitcoin）には、「gettxoutsetinfo」のコマンドで供給量を検証する機能が備わっているが、イーサリアムにはそれがなく、今回、このスクリプトを開発するに至ったという。これに関してはKraken（クラーケン）の開発者であるPierre Rochard氏も、以前からイーサリアムには供給量を簡単に確認する方法がないと指摘していた。しかしながら希少性が重要な特性となっているビットコインとは違い、分散型金融プラットフォームとして利用されるイーサリアムには、正確な供給量を把握することがあまり強く求められてこなかったようだ。

金やドルなどの資産がおおよその供給量しか把握できないことを考慮すると、この自己検証コマンドは正確な単位まで割り出し、モデリングや監査に利用することができるため、ブロックチェーン独自の強力な機能だと言えるだろう。また、イーサリアムノードを運用するユーザーは、供給量だけでなく、ネットワークにおけるトランザクションの有効性も自己検証することが可能だ。イーサリアムの共同創設者であるVitalik Buterin氏は、このコマンドを追加することが低コストかつ合理的な判断だと評価している。

ビットコインの自己検証はビットコインノードがブートストラップ（自己開始型のプロセス）で容易に実行できることに基づいている。一方、イーサリアムノードの実行には大規模なリソースを要するため、この自己検証を有効に活用するには何らかの改善が必要になると考えられる。イーサリアム開発者はPoS（プルーフ・オブ・ステーク）に移行するイーサリアム2.0で軽量なクライアントソフトの構築を目指しているようだが、その目論見は実現するのか、今後もイーサリアムの動向を見守っていきたい。

release date 2020.08.13

• CoinDesk

  https://www.coindesk.com/how-much-ether-is-out-there-ethereum-developers-create-new-scripts-for-self-verification