作成日
:2020.08.13
2022.05.20 14:07
米国の大手海外FXブローカーであるOANDA Corporation(本社:10 Times Square New York NY 10018
)【以下、OANDAと称す】は、執行パフォーマンスの独自分析ソリューションを提供すべく、データサイエンスを活用したFX関連情報を提供するFairXchange(本社:71-75 Shelton Street, London WC2H 9JQ )と提携したことを発表した。FairXchangeの分析フレームワークであるHorizonは、FX取引関連の様々なイベント分析情報を提供するという。同ツールは多様なイベントに関する大規模なデータセットを構築しているため、市場データの公表後、即座に比較分析ができるとのことだ。
今回の提携を通じて、OANDAは複雑な市場環境下における顧客の電子FX取引の管理及び最適化のサポートに加え、透明性の高い取引サービスや投資関連情報の提供を目指すという。同社はFairXchangeのソリューションを採用することで、各市場における規制環境の変化に対応し、多角的な取引分析サービスを提供できるようになるとのことだ。
両社の提携に際し、OANDAのトレーディング部門ヘッドを務めるMark Chesterman氏とFairXchangeのCEOであるGuy Hopkins氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
我が社は24年の歴史において、透明性と公正性の確保に努めてきており、今後もこの社風を維持する意向です。我々はリクイディティプロバイダー(流動性供給業者)とオープンなコミュニケーションを図るべく、FairXchangeと提携し、優れたミクロ構造分析サービスを活用すると共に、データサイエンスに基づく投資意思決定に寄与する考えであります。我が社がリクイディティプロバイダーと強固なパートナーシップを構築することで、より安定的でタイトなプライシングを提供できると確信しております。
Mark Chesterman, Head of Trading at OANDA - LeapRateより引用
我々は、電子取引業界のパイオニアであるOANDAと提携したことを喜ばしく思っております。我が社は、全ての市場参加者が長期的にサステナブルな営利取引をできるようになることを、企業理念の中核に据えております。我々は独立した企業として、透明性が高く公平なサービスをOANDAに提供していきます。
Guy Hopkins, CEO of FairXchange - LeapRateより引用
OANDAはFairXchangeと提携し、執行分析サービス機能を強化することで、更なる顧客満足度の向上が期待できそうだ。
release date 2020.08.13
データサイエンスとは、科学的な手法に基づき、データから付加価値を抽出することである。そして、データリテラシーを備えたデータサイエンティストが、トレーダーやファンドマネージャーと協働し、データセットを活用してデータ分析を行い、ビジネスへの適用を図ることになる。機械学習やビッグデータを活用した効率的なデータ解析が可能になった他、モバイル取引を始めとするサービスのデジタル化などにより、金融業界においてもデータサイエンスに基づくソリューション開発が活発化している状況だ。例えばFinantixがInCubeを買収し、データサイエンスとAIを基にしたソリューション提供を試みている。またリクイドネットがPrattleを買収し、AIを活用した投資分析プラットフォーム機能の強化を模索している他、Ideal PredictionがFXGC準拠の分析ツールをリリースした。今後も多くの金融サービスプロバイダーが、顧客の利便性向上に寄与するデータサイエンス関連ソリューションを提供することに期待したい。
作成日
:2020.08.13
最終更新
:2022.05.20
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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