作成日
:2019.02.26
2021.08.31 15:27
データサイエンスを活用したトレード分析ソリューションを提供するIdeal Predictionが、取引に電話を利用するボイストレーダーやコンピューターシステムを用いたアルゴリズム取引参加者向けに、グローバル外為行動規範(FX Global Code)【以下、FXGCと称す】に準拠したトレード分析ツールをリリースする計画であることが明らかとなった。
Scopeと呼ばれる新トレード分析ツールは、注文やトレードのモニタリングを始め広範な分野で利用可能であり、FXGCの基本原則にも含まれるガバナンスやリスク・マネージメントなどの遵守を確認できるエビデンス(証拠)ソリューションを提供するとのことだ。また、ラストルック(last look、顧客からの注文を拒否できる取引慣行)やスプーフィング(spoofing、見せ玉、大量の注文を発注した後直ちにキャンセルする行為)、レイヤーリング(layering、資金を出所を分かりにくくするため、送金や金融商品などへの変換、換金を繰り返す行為)、カウンターパーティリスクのリミット超過(limit breach)といった不正行為や、最良執行義務違反に繋がりかねない取引または注文の指し示しもするという。
更にScopeは、FXGCでも対象となるセルサイド(売り手側)とバイサイド(買い手側)の広範に亘る市場参加者向けに設計されたトレード分析ツールとなっており、関連の監督当局が打ち出した新規制策に対応したソリューションを提供することが見込まれている。ボイストレーダーやアルゴリズム取引参加者にとっては、Scopeを利用することで、FXGCに則り、より公正で透明性のある取引執行や、適切なリスク管理及び決済処理などを行うことが期待できそうだ。
新トレード分析ツールをリリースする計画であることが明らかとなったことに際し、Ideal PredictionのCEOであるJohn Crouch氏は以下のようにコメントしている。
FXGCが公表されて以降、我が社はFXGCの原則に準拠したエビデンスの提供サービスに注力してきており、コンプライアンスを司るシニアマネジメントの業務効率化にも貢献していると思われます。お客様は我々の独自性のあるサービスや分析能力、高頻度取引(high-frequency trading)に関する専門性を高く評価いただいていると考えております。そして、必要に応じたエビデンスチェックが求められていますが、お客様であるFX市場参加者と協働する形で、FXGCに準拠した規格化商品は勿論、お客様のビジネスに即したエビデンスソリューションを提供していく意向であります。
John Crouch, CEO of Ideal Prediction - hedgeweekより引用
Ideal Predictionでは、GAIN Capital Holdings Inc(本社:135 US Highway 202/206, Suite 11 Bedminster, NJ 07921
)の機関投資家向けFX部門であるGTXと提携し、バイサイドとセルサイドの両者を対象に、ベンチマークを用いた先進的執行パフォーマンス評価やFX取引コスト・取引フロー分析といったリスク管理サービスの拡充を図ってきている。Scopeはそれに続く形でリリースする計画であり、Ideal Predictionは今まさに顧客層の拡大に向けた取り組みを積極的に実践していることが伺えよう。なお、FXGCでは、頑強性と公正性を保ち、また高い流動性と適度な透明性があり、且つ開かれたFX市場を目指している。グローバルに規制強化が進む中、セルサイド・バイサイド問わず、コンプライアンスの遵守は喫緊の対応課題となっており、Ideal Predictionにとっては、効果的なガバナンスやリスク管理に寄与するScopeへの高い需要及び顧客の利用拡大が期待できよう。
release date 2019.02.26
グローバル外為行動規範(FX Global Code)とは、2013年に発生したFX取引における不正操作など数々の不正行為を受け、FX市場における透明性のある執行や効果的なガバナンスを機能させる目的で、2017年5月に公表された規範である。FXGCは、日本を含む主要8か国・地域の外国為替市場委員会や、各国の中央銀行を中心に、長きに亘る共同作業の末に策定されており、国際的なレベルで統一された、高い倫理観をもち行動するためのガイドラインとして、遵守すべき適切な慣行に関する55原則が示されている。今回リリースが予定されているIdeal Predictionの新トレード分析ツールScopeも、この行動規範に踏襲して形成されており、多様な規制に柔軟に対応しつつ、オープンでクリーンなグローバルFX市場に相応しいソリューションとのことだ。総合的に利便性の高いツールとなれば、市場参加者にとって有益であり、数多くの取引プラットフォームが存在する市場においても、利用の高まりに期待が集まることだろう。
作成日
:2019.02.26
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー