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仮想通貨イオスがブラックリストの更新ミスで流出

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update 2021.08.31 15:27
仮想通貨イオスがブラックリストの更新ミスで流出

update 2021.08.31 15:27

735万ドル相当の209万EOSが不正に送金される

ブロックチェーンプラットフォームのイオス(EOS)において、ハッキングを受けた可能性のあるアカウントを凍結するブラックリストの更新ミスが発生したことにより、735万ドル相当の209万EOSが不正に流出したことが明らかになった。[1]このことに関する一連の情報は、イオスのネットワーク上でブロック承認を行うブロックプロデューサーであるEOS42によって報告されている。

イオスのブロックチェーンでは、特定のノード(ネットワークに接続されている通信機器)のアドレスを管理するブラックリスト機能が実装されており、投票によって選ばれた21名のブロックプロデューサーは、セキュリティを保つ上でこのリストの更新が必須になっていたという。しかしながら、この度の報告によると、仮想通貨の流出の原因は、ブロックプロデューサーのひとりであるgame.eosが、イオスのメインネットでのブラックリストを更新していなかったため発生したとのことだ。この流出事件に関して、大手仮想通貨取引所であるHuobiのセキュリティチームは、ブラックリストに含まれるアカウントから同取引所へ膨大なイオスの送金があったことを検出しており、この送金に関与する取引口座に凍結措置を講じることをTwitterで説明した。[2]

通常このような不正が発生した場合、ブロックプロデューサーが緊急保護命令(Emergency Measure of Protection Order)を発動することで、対象となるアカウントをブラックリストに追加し、活動を停止させる手筈になるという。過去にもこのやり方で事態の収拾が図られているが、EOS42は、ブロックプロデューサーに依存した従来の方法の代替として、ブラックリストに登録されたアカウントの暗号鍵を無効化するという、より効果的な方法を提案しているようだ。

イオスは、中国仮想通貨格付けでは3回連続首位を獲得しており、マイニングプール事業を担うHuobi Poolはイオスを基軸通貨とするサービスを展開していくことを発表している。ビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)、リップル(Ripple)に次いで4番目に規模が大きい仮想通貨となったイオスだが、その時価総額は31億9,000万ドルに達しており、1通貨あたりの価格は3.52ドル付近を推移している。前回、プログラムの不備でメインネットが停止した際、イオスの価格は、15ドルから半減の7.3ドルまで急落しており、今回の事件でどの程度の衝撃を受けることとなるのだろうか。

release date 2019.02.27

出典元:

ニュースコメント

鍵となるブロックプロデューサーの働きとは

イオスにおいて、ブロックプロデューサーは、健全なブロックチェーンシステムの稼働をサポートする重要な役割を担っており、その活動は、サーバーのメンテナンスなどの技術的なものだけに留まらず、コミュニティに貢献することによるプロモーションなども行う必要があるという。ブロックプロデューサーは、コミュニティでの投票によって、候補者と入れ替えることができるため、イオスへの貢献や模範的な行動が求められるが、抜け道的な方法で不正を働く者も存在するようだ。過去には、他人の投票権を買収するなどの不正行為が発生しているとの噂もあり、真相は明らかになっていないものの、システム改善の必要性を訴える声が上がっていた。一部のブロックプロデューサーは、これらの不正行為を排除するために、悪意があるブロックプロデューサーを除外する仕組みの実装を提案しているという。現在、イオスのネットワーク上では、dApp(分散型アプリケーション)が250以上も稼働するなど、プラットフォームとしての利用が拡大しているだけに、透明性の高い運営システムの早期構築が求められる。


Date

作成日

2019.02.27

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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