作成日
:2019.02.27
2021.08.31 15:27
米大手仮想通貨取引所のCoinbase, Inc.(本社:548 Market St #23008 San Francisco, CA94104
)【以下、コインベースと称す】は、同社の取引プラットフォームであるコインベースプロにおいて、リップルネット(分散型台帳技術を利用した送金システム)上で発行される仮想通貨XRP(XRP/USD)の取り扱いを開始することを発表した。これまでコインベースは、取引所に新しく仮想通貨をリスティングする際には、自社の基準とするGDAX Digital Asset Frameworkに則ってその可否を判断してきたが、今回のXRP上場は例外的な扱いとなったことが指摘されている。GDAX Digital Asset Frameworkの規定では、発行された通貨の大部分をプロジェクトチームが保有する仮想通貨をリスティングの対象として認めることはできないと記載されている。
XRPに関しては、開発元のRipple, Inc.【以下、リップル社と称す】が全体の60%を超えるシェアの仮想通貨を保有しているため、本来リスティングは認められないはずだが、これらの基準は、主にICO(イニシャルコインオファリング)の取り扱いを厳格化することを目的として制定されているため、すでに市場に普及しているXRPに対しては明確なポリシー違反だとは言い難いようだ。ビットコイン(Bitcoin)など従来の仮想通貨とは違い、実質的にリップル社が供給をコントロールするXRPは、そのシステムの不透明さから、公表される時価総額の妥当性が度々議論の対象となっている。これに関して、リサーチ会社のMessari Reserchは、XRPの時価総額130億ドルのおよそ50%程度が過大評価されていることを示す調査結果を伝えた。Messari Reserchによると、リップル社は、運営資金という名目で約590億XRPもの資金をエスクロー(第三者預託)に保有しており、これが取引市場に出回らないため、時価総額とその実態に乖離が生じているという。他の仮想通貨システムでも、開発者や創立者への報酬、紛失などを理由に取引されない仮想通貨は少なからず存在するものの、リップル社は過半数以上のXRPを保有しているという点で特異とみられている。
通常、創立者への報酬は、どのプロジェクトでも高額に設定されており、例えば、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモト(仮名)氏は100万BTCの報酬を、そしてイーサリアム(Ethereum)の考案者であるVitalik Buterin氏は30万ETH程度の報酬を手にしている。それでも、これらの数値は供給量全体のそれぞれ5%未満に留まり、仮想通貨のエコシステムに影響を及ぼすほどではない。リップル社が、保有する仮想通貨資産の売却を制限したことから、XRPはなんとか体裁を保っているが、本来であればその時価総額は半分程度だともいわれている。
ここ数か月、1XRPあたりの価格は0.3ドル付近のレンジで推移していたが、今回のコインベースプロでの取り扱い開始のニュースを受け、これまでリスティングされてきた仮想通貨と同様に一時的な価格の急騰を見せた。これはコインベースエフェクトと呼ばれており、過去の例を振り返ると、短期間で値動きが反転して下落する傾向にあることがわかっている。
release date 2019.02.27
コインベースプロは、2018年5月にGDAXという名称からリブランディングされ誕生し、今では、およそ5,700万ドルの日間取引量を誇る人気の仮想通貨取引サービスだ。主に投機を目的としたトレーダー向けと言われるコインベースプロでは、法定通貨の米ドル、ユーロ、ポンドが基軸通貨として採用されており、特に米ドルとの通貨ペアは高い流動性を背景とした安定的な取引を実施することが可能だ。リスティングされている仮想通貨は合計15種類で、ビットコインやイーサリアム、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、ライトコイン(Litecoin)などの主要なものに加えて、ジーキャッシュ(Zcash)、ダイ(DAI)などの比較的マイナーなアルトコインの取り扱いもあるという。今後は、このラインナップにXRPが追加されることになるが、米国最大の仮想通貨コミュニティにどの程度受け入れられるのかは未知数である。2018年11月末、コインベースへの上場によりジーキャッシュの価格が高騰したものの一時的な上昇に終わってしまったが、XRPはどのような価格推移を示すのだろうか注目していきたい。
作成日
:2019.02.27
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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