Select Language

コインベース、仮想通貨リップルの取り扱い開始を発表

コインベース、仮想通貨リップルの取り扱い開始を発表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
コインベース、仮想通貨リップルの取り扱い開始を発表

update 2021.08.31 15:27

XRP価格は一時上昇も高すぎる評価額に懸念

米大手仮想通貨取引所のCoinbase, Inc.(本社:548 Market St #23008 San Francisco, CA94104[1])【以下、コインベースと称す】は、同社の取引プラットフォームであるコインベースプロにおいて、リップルネット(分散型台帳技術を利用した送金システム)上で発行される仮想通貨XRP(XRP/USD)の取り扱いを開始することを発表した。[2]

これまでコインベースは、取引所に新しく仮想通貨をリスティングする際には、自社の基準とするGDAX Digital Asset Frameworkに則ってその可否を判断してきたが、今回のXRP上場は例外的な扱いとなったことが指摘されている。GDAX Digital Asset Frameworkの規定では、発行された通貨の大部分をプロジェクトチームが保有する仮想通貨をリスティングの対象として認めることはできないと記載されている。[3]XRPに関しては、開発元のRipple, Inc.【以下、リップル社と称す】が全体の60%を超えるシェアの仮想通貨を保有しているため、本来リスティングは認められないはずだが、これらの基準は、主にICO(イニシャルコインオファリング)の取り扱いを厳格化することを目的として制定されているため、すでに市場に普及しているXRPに対しては明確なポリシー違反だとは言い難いようだ。

ビットコイン(Bitcoin)など従来の仮想通貨とは違い、実質的にリップル社が供給をコントロールするXRPは、そのシステムの不透明さから、公表される時価総額の妥当性が度々議論の対象となっている。これに関して、リサーチ会社のMessari Reserchは、XRPの時価総額130億ドルのおよそ50%程度が過大評価されていることを示す調査結果を伝えた。Messari Reserchによると、リップル社は、運営資金という名目で約590億XRPもの資金をエスクロー(第三者預託)に保有しており、これが取引市場に出回らないため、時価総額とその実態に乖離が生じているという。他の仮想通貨システムでも、開発者や創立者への報酬、紛失などを理由に取引されない仮想通貨は少なからず存在するものの、リップル社は過半数以上のXRPを保有しているという点で特異とみられている。

通常、創立者への報酬は、どのプロジェクトでも高額に設定されており、例えば、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモト(仮名)氏は100万BTCの報酬を、そしてイーサリアム(Ethereum)の考案者であるVitalik Buterin氏は30万ETH程度の報酬を手にしている。それでも、これらの数値は供給量全体のそれぞれ5%未満に留まり、仮想通貨のエコシステムに影響を及ぼすほどではない。リップル社が、保有する仮想通貨資産の売却を制限したことから、XRPはなんとか体裁を保っているが、本来であればその時価総額は半分程度だともいわれている。

ここ数か月、1XRPあたりの価格は0.3ドル付近のレンジで推移していたが、今回のコインベースプロでの取り扱い開始のニュースを受け、これまでリスティングされてきた仮想通貨と同様に一時的な価格の急騰を見せた。これはコインベースエフェクトと呼ばれており、過去の例を振り返ると、短期間で値動きが反転して下落する傾向にあることがわかっている。

release date 2019.02.27

出典元:

ニュースコメント

取引環境の強化が進むコインベース

コインベースプロは、2018年5月にGDAXという名称からリブランディングされ誕生し、今では、およそ5,700万ドルの日間取引量を誇る人気の仮想通貨取引サービスだ。主に投機を目的としたトレーダー向けと言われるコインベースプロでは、法定通貨の米ドル、ユーロ、ポンドが基軸通貨として採用されており、特に米ドルとの通貨ペアは高い流動性を背景とした安定的な取引を実施することが可能だ。リスティングされている仮想通貨は合計15種類で、ビットコインやイーサリアム、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、ライトコイン(Litecoin)などの主要なものに加えて、ジーキャッシュ(Zcash)、ダイ(DAI)などの比較的マイナーなアルトコインの取り扱いもあるという。今後は、このラインナップにXRPが追加されることになるが、米国最大の仮想通貨コミュニティにどの程度受け入れられるのかは未知数である。2018年11月末、コインベースへの上場によりジーキャッシュの価格が高騰したものの一時的な上昇に終わってしまったが、XRPはどのような価格推移を示すのだろうか注目していきたい。


Date

作成日

2019.02.27

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

Exnessの出金方法から銀行振込が一時削除!?現在は復旧も今後は代替手段の検討が必要か

2025年8月、Exnessの出金方法から一時的に国内銀行振込が削除され、オンラインウォレットと仮想通貨のみ利用可能な状態となりました。現在は復旧していますが、今後のトラブルに備えて、代わりの決済方法の準備を検討するのが望ましい状況です。
update2025.08.06 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

【当サイト限定】FXONの口座開設でボーナス15,000円をプレゼント!既存ユーザーも対象

2025年8月1日より、FXONでの口座開設で15,000円のボーナスを獲得できる、当サイトMyforex限定のキャンペーンがスタートしました。この記事では、ボーナスの受け取り方法や注意点などを説明します。
update2025.08.01 19:30

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

MT4初心者必見!FX自動売買EAバックテストのよくあるトラブルと対策集

バックテストをした際にEAを選択できない、途中でテストが止まる、結果が安定しないなどの症状が発生することがあります。本記事では、バックテストをした際に発生する症状別に対処方法を解説します。
update2025.05.13 19:00

ThreeTrader・Vantageが消えた?偽アカウントによる詐欺に注意

ThreeTraderやVantageのX(旧Twitter)公式アカウントに表示制限がかけられていることが確認されました。本記事では海外FX業者のアカウントが制限された背景や、こうした状況で注意すべき偽アカウント詐欺について説明します。
update2025.07.04 19:00
口座開設で15,000円のボーナス 口座開設で15,000円のボーナス

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル