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ジーキャッシュ、コインベースへの上場発表で価格高騰

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update 2021.08.31 15:27
ジーキャッシュ、コインベースへの上場発表で価格高騰

update 2021.08.31 15:27

15%以上の上げ幅で100ドルに迫る

匿名通貨として知られるジーキャッシュ(Zcash/USD)は、米国の人気仮想通貨取引所、Coinbase(本社:548 Market St #23008, San Francisco, CA 94104, United States[1])【以下、コインベースと称す】への上場が報道されたことにより、15%以上の価格上昇を記録した。11月30日時点で、ジーキャッシュは80ドルで取引されていたが、ニュースリリースの後には一気に93.5ドルまで価格を伸ばしている。

他の取引所が提供する仮想通貨の種類を積極的に増やす中、コインベースはリップルからの上場提案を拒否するなど、規制当局の意向に気を配りながら、慎重にリスティングを実施してきた。多くの主要な仮想通貨取引所において取り扱われているリップルを拒否した経緯があるだけに、今回のジーキャッシュ上場の決定は、大きな驚きとなり価格と取引量に影響を与えている。現在、ジーキャッシュの時価総額は、1億7,500万ドルとなっており、仮想通貨市場全体では19番目に大きい。

公式の発表によると、ジーキャッシュのローンチは、段階的に4つのステップで実施されるとしており、最終的には、コインベースが提供するCoinbase Proのプラットフォーム上で制限なく、取引または利用できるようになる予定だ。対象となる地域は、米国、英国、EU加盟国、カナダ、シンガポール、オーストラリアで、例外的にニューヨークの居住者だけはジーキャッシュは利用できない。この判断は、ニューヨーク州金融サービス局(The New York State Department of Financial Services)が定めた規定に準拠した結果だという。

最近、ユーザーベース拡大のためにコインベースが新たな動きに出ていると報道されていたが、今回のジーキャッシュの上場は、まさにそれを証明する形となった。今年に入って、コインベースはリスティングポリシーを作成しており、上場前の情報が漏れることで発生するインサイダー取引の防止などに努めている。

release date 2018.11.30

出典元:

ニュースコメント

プライバシー保護で取引匿名化の流れ

通常のパブリックブロックチェーンでは、アドレスや数量などトランザクションの履歴が公開されており、誰でも閲覧できるようになっていることから、透明性の高い取引が可能だと言われている。しかし、ジーキャッシュは、暗号化技術であるゼロ知識証明をもとにした特殊なプロトコルが組み込まれており、取引内容が追跡できないようになっているという。このことから、世界各国の政府は、犯罪利用の危険性を危惧しており、例えば、日本では仮想通貨取引所での取り扱いが禁止されている。しかしそのような懸念を他所に、仮想通貨業界は、相次ぐハッキングや分散型取引所の利用増加などの影響もあり、プライバシーを守る方向に動いてるようだ。先日、アップデートによる分裂が発表されたビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)も匿名の取引プロトコルを開発していることが明らかにされ、テスト運用まで終了していると言われている。匿名通貨の利用には、常に批判もあり、市場環境や各国の規制にも左右されやすいが、今回のコインベースでの上場、米国市場での普及がひとつのターニングポイントとなるかもしれない。


Date

作成日

2018.11.30

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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