Select Language

ビットコインキャッシュ、次期アップデートで分裂の可能性

ビットコインキャッシュ、次期アップデートで分裂の可能性

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
ビットコインキャッシュ、次期アップデートで分裂の可能性

update 2021.08.31 15:27

異なるプロトコルを支持するマイニングプール

今月15日にテクニカルアップデートが迫るビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)だが、Bitcoin ABCとBitcoin SVの異なる2つのプロトコルを支持する派閥の対立構造が明らかになった。現時点では、Bitcoin SVがオーストラリアの暗号技術の第一人者であるCarig Wright氏などを含む強力なバックアップを受けており、大多数のマイニングノードがこのプロトコルに移行することで、ビットコインキャッシュのブロックチェーンにフォークが発生する可能性が示唆されている。

世界第4位の時価総額を誇るビットコインキャッシュのネットワーク上では、Bitcoin ABCが最も広く利用されているプロトコルとして認知されているが、今回、主要なマイニングプールが、代替のプロトコルであるBitcoin SVを支持することが予測されている。事実、Bitcoin SVによるハッシュパワーの占有率は向上しており、現時点では、ネットワーク上の76.39%ものハッシュパワーを占めているという。特にCoinGeekのプラットフォーム上では、30.6%から41%へ大幅な上昇が見られた。Bitcoin SVを支持するマイニングプールの中でも、okminerやMempoolは、両者ともに占有率を3.47%まで落としているが、この派閥がハッシュパワーにおいて優位であることは変わりない。

一方、Roger Ver氏などの先導によりBitcoin ABCを支持しているマイニングプールは、マイニングハードウェアの大手Bitmainが管理するBTC.comとAntpoolがそれぞれ6.25%と4.86%、Bitcoin.comが8.33%の割合でハッシュパワーを占有している。しかしながら、12日時点では、Ver氏とBitmain一派の占有率は、それぞれ6.25%と2.78%まで低下しており、状況は思わしくない。[1]

多くのマイニングプールがどちらのプロトコルを支持するかを明確にする中、未だ身の振り方を決めかねているマイニングプールもあるようだ。その中でも、注目はViaBTCで、昨日、7.64%から2.08%に占有率を落としているが、影響力を持つ存在であることは確かだ。また、別のマイニングプールのNorthern Bitcoinは、ビットコインキャッシュのマイニング事業への参入を決めているが、今回の件に関して、どちらの派閥にもコミットメントを示しておらず、ハードフォークの方向性を決める鍵となる可能性が高い。

一方、特定の仮想通貨取引所では、事前にBitcoin Cash ABC【以下、BCHABCと称す】とBitcoin Cash SV【以下、BCHSVと称す】の取引サービスが提供されているようだ。取引状況については、BCHABCが、391ドル前後で推移しており、136ドルの値を付けるBCHSVよりも高値を記録している。また1日の取引量は、投資家の関心の薄れからか、BTCABCは876,258ドルから818,375ドルまで、BTCSVは120万ドルから969,715ドルまで値を下げるなど、共に下落傾向にある。ハッシュパワーの占有率とは裏腹に、時価総額の大きさから見ても、トレーダーは、Bitcoin ABCを支持していることが伺える。15日当日は多くの業界から注目を集める大イベントとなることは間違いない。

release date 2018.11.14

出典元:

ニュースコメント

業界にも影響を与えるハードフォークへの対応

ブロックチェーンの分岐は、日々発生し収束しているが、今回のビットコインキャッシュのような仮想通貨の基礎となるプロトコルの違いや開発理念の違いからくる対立は、結果として仮想通貨の分裂を招く。ご存知の通り、ビットコイン系の仮想通貨は、ビットコインキャッシュをはじめ、ビットコインゴールドやビットコインダイヤモンド、スーパービットコインなど、幾度ものブロックチェーンの派生による分裂から誕生した通貨である。これらの仮想通貨は、仕様が異なることから仮想通貨取引所やウォレットサービスでも自社システムのアップデートが必要となるため、bitwallet PTE. LTDはビットコインキャッシュのハードフォークを見越して、当日の売買や出金を停止することをすでに発表している。もちろん仮想通貨の分裂は、違ったコンセプトを持つシステムを生み出すことにつながるため、決して悪いことばかりではないが、少なくとも仮想通貨関連サービスへ与える影響は大きいと言える。今回のビットコインキャッシュのハードフォークは確実視されているが、果たしてどのような結末を迎えるのか、関係各所の注目が集まるところであろう。


Date

作成日

2018.11.14

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

Vantage Tradingが入出金額の上限を変更、100万円以上の出金は自動分割

海外FX業者のVantage Tradingが、銀行振込の入出金額の上限を変更しました。今後は銀行振込で一度に出金できる額が100万円に制限されます。本記事では、変更された条件や高額送金時の注意点などを説明します。
update2025.11.11 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

FXGT破綻の噂がSNSで再浮上、CEOは「完全なデマ」と否定

海外FX業者のFXGT(エフエックスジーティー)が「経営破綻の危機にある」との噂が一部で広がっています。噂が流れているのは主にX(旧Twitter)で、FXGT公式はこれを否定しています。当サイトではFXGTにこれらの噂について、事実確認を行いました。
update2025.11.04 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

Money Charger(マネチャ)情報流出で問われるキャッシュバックサイトの運営体制と安全性

Money Chargerは2025年10月25日、ユーザーの個人情報が外部に流出したことを公表しました。キャッシュバックサイトはうまく活用すれば取引コストを抑えられる一方で、個人情報を扱う性質上、安全管理体制が極めて重要です。本記事では、安全性や透明性の観点から主要なキャッシュバックサイトを比較します。
update2025.11.17 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Bybitが日本ユーザーの新規登録を停止!日本撤退で海外FXユーザーにも影響大か?

Bybitが2025年10月31日をもって日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。既存ユーザーは継続利用できるものの、締め出しも時間の問題と予想する声も少なくありません。本記事では、Bybitの発表内容や海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.11.06 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル