作成日
:2018.11.29
2021.08.31 15:27
ロンドン証券取引所オルタナティブ投資市場に上場するフィンテックソフトウエアプロバイダーのTechFinancials(本社:Craigmuir Chambers, RO Box 71, Road Town, Tortola, British Virgin Islands
)【以下、TECHと称す】は、ブロックチェーン技術を活用してダイヤモンドを金融商品として売買する取引所であるCEDEXのベータ版(一般市場にリリースする前の試験用ソフト)をリリースすることを発表した。TECHは、従来よりダイヤモンド取引所の運営の試みを発表するなど、その関心の高さを示しており、2017年には、金融商品として位置づけたダイヤモンドの取引サービスを提供するCEDEXの株式持ち分2%を取得している。その契約には更に90%の持ち分を買い取るオプションも付けられていたことから、TECHはCEDEXと協働してダイヤモンド取引所の運営を行っていく意向であることを伺わせていた。TECHには、CEDEX株式持ち分の追加買取オプションを行使するか否か決断する期間として、3年の猶予が与えられている模様である。
TECHとCEDEXによるブロックチェーン技術を活用したダイヤモンド取引所の設計・開発には数か月を要していたが、この度ベータ版ではあるもののリリースにこぎ着けたようだ。TECHは、ダイヤモンド取引所の運営において、インフラストラクチャーの構築という非常に重要な役割を果たす他、CEDEXのブロックチェーンを活用したスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約の自動化を図る仕組み)の構築も担うとのことである。
一方のCEDEXは、投資家に対しデジタルアセットとしてのダイヤモンド取引サービスを提供する。投資家は取引を行う際にデジタルダイヤモンド鑑定書(Digital Diamond Certificates, DDCs)を購入することになるが、このダイヤモンド取引は、実物のダイヤモンドの売却を望む保有者が相手方となるようだ。また、CEDEXは過去6か月超に亘り、ダイヤモンド取引に関連する様々な課題に取り組んでおり、ダイヤモンド取引所の運営で中核を成すCEDEX独自のDEXアルゴリズムは、TECHと協働して開発を進めている。
加えてCEDEXでは、自社のダイヤモンド取引プラットフォーム上で、最初にダイヤモンドを供給する相手先となるダイヤモンド取扱いディーラーとの強固な取引関係構築にも努めてきている。今回のCEDEXベータ版のリリースに際し、ダイヤモンドのカラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明性)、カット(研磨)といった評価基準から、特殊カテゴリーのダイヤモンドを実に2,000以上取り揃えているとのことだ。更にCEDEXでは、投資家やディーラーなどの信頼を獲得するために、世界的な宝石学教育機関・鑑定機関である米国宝石学会(Gemological Institute Of America, GIA)や物流パートナーとの関係性構築を図る仕組みづくりも行ってきている他、世界中に最上級の等級が付されたダイヤモンドを提供すべく法的認証も得ているとのことである。
ダイヤモンド取引所のベータ版のリリースに際し、CEDEXのCEOであるSaar Levi氏は、以下のようにコメントしている。
ベータ版のリリースは、ダイヤモンドを金融商品として取り扱うという我が社の使命を果たす上で大きな前進となります。機関投資家と個人投資家それぞれが、ダイヤモンドを主要なコモディティ商品の一つとして取引を行うことができるようになるという、我々の長期ビジョンの実現に向けコミットしていくつもりであります。
Saar Levi, CEO of CEDEX - Blockchainreporterより引用
なお、ダイヤモンド取引所の運営を始めるにあたり、CEDEXでは2018年初旬のICO(イニシャルコインオファリング)前に2,000万ドルにも及ぶ資金調達に成功しており、事業運営のための潤沢な資金を蓄えていると言えよう。
release date 2018.11.29
ダイヤモンドは、純度などの数値で価値が決まる金とは異なり、専門の鑑定士が見た目で判定するという特徴がある。このため、ダイヤモンド取引は透明性が確保されておらず、市場に参加することが難しいとされている。この度リリースされるCEDEXでは、すでにカテゴライズしたダイヤモンドと比較しながら判断するプロセスのもと、ダイヤモンドの価値を明確に評価して鑑定書をブロックチェーン化するという。鑑定士が不在でもプラットフォーム上で安心して取引することが可能となる他、取引が透明化されれば、市場参加者も増加し、ダイヤモンドの流動性が向上することとなるだろう。CEDEXのリリースにより、新しい資産クラスとしてダイヤモンドに投資できる日が待ち望まれる。なお、ブロックチェーン技術を活用するビジネスは拡大しており、最近ではSWIFTがMonetaGoとパートナーシップを締結し、ブロックチェーン関連アプリケーションソフトの運用テストを試みることを発表している。
作成日
:2018.11.29
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー