Select Language

イングランド銀行、ステーブルコインによる決済規制に賛同の意向

イングランド銀行、ステーブルコインによる決済規制に賛同の意向

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:33
イングランド銀行、ステーブルコインによる決済規制に賛同の意向

update 2021.08.31 15:33

イノベーションを妨げないことを念頭にリスク排除を試みる

イングランド銀行(Bank of England)のFinancial Market Infrastructure Directorateでエグゼクティブディレクターを務めるChristina Segal-Knowles氏は、同行の金融政策委員会(Financial Policy Committee)【以下、FPCと称す】がステーブルコインによる決済を規制すべきだと発表したことに対し、今月23日のスピーチでそれに賛同する意向を示した。[1]

昨年末にイングランド銀行は、ステーブルコインを利用した決済システムに既存の規制基準を適用することを決定しており、当局が送金や決済などのトランザクションを監視するための体制を整えようとしているという。イングランド銀行は、クレジットカード決済やオンラインバンキングサービスなどの規制された金融インフラ外でステーブルコインが利用される可能性があることを懸念し、このような判断を下したようだ。

Segal-Knowles氏は、このことに関してカフェでの支払いを例に次のようにコメントしている。

将来的に携帯電話をタップするだけで、ステーブルコインを介してカフェでの支払いが可能となれば、私はその方法を決済手段として利用するでしょう。しかしながら、それは銀行やクレジットカード、デビットカードに依存しない決済手段が普及することを意味しています。もし、ステーブルコインを決済に利用する場合は、他の方法と同様に規制する必要があるのです。どのテクノロジーを利用しているかは無関係であり、同じリスクには同じ規制を適用すべきでしょう。このイノベーションを後退させないためには、歩調を合わせた規制環境の構築が求められます。

Christina Segal-Knowles, Executive Director at Financial Market Infrastructure Directorate - Bank of Englandより引用

昨年12月に公開したレポートでFCPは、規制や運用基準が確立されていない決済システムは、企業の経済活動に支障をきたすだけでなく、実体経済に対してリスクをもたらす可能性があると警告している。また、そのレポートの中でFCPは、ステーブルコインを利用した決済システムおよび運用企業に従来の基準で同等の規制を適用することに加え、その仮想通貨が安定した価値を維持し、法定通貨に償還することが約束されている必要があると説明した。Segal-Knowles氏はFacebook(フェイスブック)のリブラ(Libra)のようなステーブルコインが急速に普及すると予想しており、英国はこのイノベーションを受け入れるべきだと言及しているが、最終的に当局はどのような規制を構築するのか、今後も同国での動きに注目していきたい。

release date 2020.01.29

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨受け入れに向けて動き出す英国政府

昨年、英国ではFCAがリブラの詳細情報を求めるなど、当局は世界的なステーブルコインのローンチが現実味を帯びてきたことへの危機感を露わにしていたが、2020年に入って仮想通貨市場に対するアプローチが変化しつつあるようだ。先日、イングランド銀行のMark Carney総裁は、仮想通貨規制に向けてWEFが国際コンソーシアムを結成したことに賛同し、仮想通貨の受け入れに前向きな姿勢を示している。これに足並みを揃えるかのように、ECBは独自仮想通貨の開発活動拡大を検討しており、欧州全域での本格的な仮想通貨の普及を見越した取り組みが活発になってきている様子がうかがえる。今年は中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)を含めて仮想通貨市場に大きな動きがあると予想されるが、英国政府がその実態に即した規制を設けることに期待したい。


Date

作成日

2020.01.29

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

メタマスク(MetaMask)のエアドロップ確認機能とは?特徴や使い方を解説

分散型ウォレットのメタマスク(MetaMask)に、エアドロップ確認機能が追加されました。これにより、エアドロップの受け取り資格の有無を、メタマスク上で簡単にチェックすることが可能になっています。当記事では、エアドロップ確認機能の特徴や、対応しているブロックチェーン、使い方を解説します。
New
update2024.04.26 21:00

仮想通貨BBの将来性は?ビットコイン向けリステーキングチェーンBounceBitについて解説

仮想通貨(暗号資産)BBは、レイヤー1ブロックチェーンBounceBitのネイティブトークンです。BounceBitは、ビットコイン(BTC)をリステーキングできるインフラとして機能します。
update2024.04.25 20:00

セービングとステーキングの違いとは?仕組みや利率・やり方を解説

仮想通貨(暗号資産)を運用する代表的なサービスとして「セービング」と「ステーキング」があります。よく似た両者には、どのような違いがあるのでしょうか。当記事では、セービングとステーキングの違いや仕組み、利率、やり方などを解説します。
update2024.04.25 19:30

Zoomexがプレイ金額杯を開催!To The Moonをプレイして総額17万円相当の賞金・特典を獲得

Zoomex(ズーメックス)が、プレイ金額杯の開催を発表しました。To The Moonをプレイしてランキングに入賞すると、総額17万円相当の賞金・特典を獲得できます。キャンペーンは、2024年4月30日午前9時(日本時間)までです。
update2024.04.23 20:00

BigBossが新規ユーザー向けの入金ボーナスを提供!最大1万3,700ドルを付与

海外FX業者のBigBossが入金ボーナスの提供を開始します。今回のボーナスプログラムでは累積入金額によって付与率が変化し、最大1万3,700ドルが付与されます。入金ボーナスの付与条件や対象、注意点などをまとめました。
update2024.04.22 20:30

ThreeTraderが3周年を記念したキャンペーンを開催!

海外FX業者のThreeTraderが、3周年を記念したキャンペーンの第一弾を開催しています。キャンペーン期間中に本人確認審査を完了、または初回入金を行うと合計20ドルのキャッシュバックを受け取れます。
update2024.04.19 21:00

Bybitの新ローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場!参加方法やPlaybuxの独自トークンについて解説

Bybitのローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場します。PBUXは、エンターテインメントWeb3.0プラットフォーム「Playbux」の独自トークンです。計測開始日時は2024年4月18日午前9時からです。
update2024.04.18 21:00

XS.comが賞金総額100万円のデモトレード大会「Lucky Contest」を開催!

海外FX業者のXS.comが、2024年4月29日よりデモトレード大会「Lucky Contest」を開催します。上位5名などには総額100万円の賞金が贈られます。
update2024.04.17 20:00

仮想通貨OMNIの将来性は?ロールアップを統合するレイヤー1ブロックチェーンについて解説

仮想通貨OMNIは、イーサリアムのロールアップを統合するブロックチェーン、Omni Networkのネイティブトークンです。Omni Networkを使用すると、イーサリアムの流動性とユーザーにアクセスできるグローバルアプリケーションを構築できます。
update2024.04.16 21:00

メタマスクにリップル(XRP)は送金できる?メタマスクの対応ブロックチェーンについて解説

メタマスク(MetaMask)は、複数の仮想通貨(暗号資産)を管理できる人気の高い仮想通貨ウォレットですが、メタマスクにリップル(XRP)は送金できるのでしょうか。
update2024.04.16 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル