Select Language

CLSNetにアルファ銀行とファースト・アブダビ銀行が加入

CLSNetにアルファ銀行とファースト・アブダビ銀行が加入

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:33
CLSNetにアルファ銀行とファースト・アブダビ銀行が加入

update 2021.08.31 15:33

流動性拡大や決済リスクの軽減に寄与

多通貨同時決済(Payment versus Payment)【以下、PvPと称す】の専門機関であるCLS(Continuous Linked Settlement)は1月13日、バイラテラルネッティングサービスを提供するCLSNetに、ロシアを拠点とする金融機関であるAlfa-Bank【以下、アルファ銀行と称す】と、アラブ首長国連邦(UAE)最大の銀行であるFirst Abu Dhabi Bank【以下、FABと称す】が加入したことを発表した。[1]

分散台帳技術(Distributed Ledger Technology, DLT)を基にしたCLSNetは、FX市場におけるネッティングサービスの標準化及び機能向上に寄与している。同サービスはCLSのネットワークに加入する企業のみならず、同社に口座を開設していない銀行やバイサイド投資家も利用することが可能であり、日中の流動性拡大やCLSで決済されない通貨のリスク軽減を図ることができるという。

アルファ銀行とFABは、それぞれロシアとUAEにおいてCLSNetに加入する初の金融機関になるとのことだ。同ネットワークにはバンクオブアメリカ(Bank of America)や中国銀行(Bank of China)、BNPパリバ(BNP Paribas)、ゴールドマンサックス(Goldman Sachs)、モルガンスタンレー(Morgan Stanley)などのグローバルプレーヤーが既に加入している。

アルファ銀行の副会長を務めるAndrew Chulack氏は、CLSで決済されないロシアルーブルなどを取引する際のリスク軽減や業務効率の改善を図る上で、CLSNetへの加入は必要不可欠であると言及している。また、FABのシニアバイスプレジデントを務めるAnan Samaneh氏は、同ネットワークに加入する中東初のプレーヤーとなったことは、新興市場のスペシャリストとして革新性の発揮にコミットしている証しであり、中東市場における他の金融機関もCLSNetに加入することで、決済サービス水準の向上を期待していると述べている。

今回、新たに2行がCLSNetに加入することについて、CLSのグローバル商品部門ヘッドを務めるKeith Tippell氏は以下のようにコメントしている。

新興市場のリーダーともいえる2行がCLSNetに加入したことで、新興国通貨を取引するFX市場参加者に対して同ネットワークをアピールすることができるでしょう。FX業界において、決済リスクの軽減に高い関心が集まる中、我が社は広範な市場参加者による利用と、流動性の最適化や決済の確実性に関連した新たな機能を開発すべく、CLSNetへの投資を拡大しております。

Keith Tippell, Head of Global Product of CLS - CLSより引用

グローバル金融機関の間で高機能な決済ソリューションに対するニーズが高まる中、2020年6月にはゴールドマンサックスがCLSの決済サービスを導入している。CLSは主力PvPツールのCLSSettlementやCLSNetを通じて決済リスクの軽減などを図れることから、今後も同社のサービスを活用する金融機関の増加が期待できそうだ。

release date 2021.01.15

出典元:

ニュースコメント

中東の金融市場をリードするUAE

中東市場の金融ハブを形成するUAEは、官民双方で先進的な取り組みを推進しており、更なる市場の活性化が期待されている。例えば、ICEフューチャーズ・アブダビはCTFCよりFBOT承認を取得し、中東市場としては初の取り組みとなるマーバン原油を原資産とする先物取引サービスを提供する方針だ。また、中東最大のデリバティブ商品取引所を運営するDGCXはローリング・フォワードを上場するなど、継続的に革新的なソリューションの提供を試みており、順調に業績を拡大している。更に、サウジアラビア中央銀行(Saudi Central Bank, SAMA)とUAE中央銀行は、Aberと呼ばれる中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency, CBDC)開発プロジェクトを推進している。市場の拡大が見込まれるUAEでは、MultiBankやCFH Clearingといった海外FXブローカーが市場開拓を進めている状況だ。中東の金融市場をリードする同国において、多くの海外FXブローカーが顧客ニーズにマッチした革新的なソリューションを提供することに今後も期待したい。


Date

作成日

2021.01.15

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

【当サイト限定】FXONの口座開設でボーナス15,000円をプレゼント!既存ユーザーも対象

2025年8月1日より、FXONでの口座開設で15,000円のボーナスを獲得できる、当サイトMyforex限定のキャンペーンがスタートしました。この記事では、ボーナスの受け取り方法や注意点などを説明します。
update2025.08.01 19:30

MT4初心者必見!FX自動売買EAバックテストのよくあるトラブルと対策集

バックテストをした際にEAを選択できない、途中でテストが止まる、結果が安定しないなどの症状が発生することがあります。本記事では、バックテストをした際に発生する症状別に対処方法を解説します。
update2025.05.13 19:00

【本音で比較】海外FXのドル円スプレッドを3ヶ月徹底調査|数千円も業者によってお得に

Myforex編集部では、2024年11月20日〜2025年2月20日の3ヶ月間にわたり、海外FXのドル円スプレッドを1分ごとに独自調査。その結果、業者によって数千円以上のコスト差があることが分かりました。
update2025.08.01 19:00
switch2 switch2

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル