Select Language

ゴールドマンサックス、CLSとIHSマークイットのクロス通貨スワップ決済サービスを導入

ゴールドマンサックス、CLSとIHSマークイットのクロス通貨スワップ決済サービスを導入

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:33
ゴールドマンサックス、CLSとIHSマークイットのクロス通貨スワップ決済サービスを導入

update 2021.08.31 15:33

決済リスクの軽減やファンディングコストの削減などに寄与

ゴールドマンサックス証券(本社:200 West Street New York, NY 10282 United States[1])が6月11日、多通貨同時決済(Payment versus Payment)【以下、PvPと称す】の専門機関であるCLS(Continuous Linked Settlement)と、英国・ロンドンを拠点とする情報提供会社であるIHS Markit【以下、IHSマークイットと称す】が提供するクロス通貨スワップ決済サービスを導入したことが明らかになった。[2]

同サービスは、クロス通貨スワップ取引の決済において、CLSの主力PvPツールであるCLSSettlementと、IHSマークイットの取引コンファメーションプラットフォームであるMarkitSERVを活用するとのことだ。同取引フローにおいては、CLSSettlement上にて全てのFX取引とマルチラテラル・ネッティングが行われることにより、日々のファンディングコストが大幅に削減されると共に、流動性の最適化も図れるという。尚、ゴールドマンサックス証券はクロス通貨スワップ決済サービスを利用する8番目のグローバル金融機関になるとのことである。

新たな決済サービスの導入に際し、ゴールドマンサックス証券のショート・マクロトレーディング部門グローバルヘッドを務めるRichard Chambers氏とCLSの商品部門ヘッドであるKeith Tippell氏、IHSマークイットのマネージングディレクターを務めるChris Jackson氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

CLSとIHSマークイットが提供するクロス通貨スワップ決済サービスを我が社が導入することは決済リスクの軽減に役立っており、より多くのカウンターパーティーが同サービスを活用することで、オペレーションやファンディング効率の向上も期待できます。

Richard Chambers, global head of Short Macro Trading at Goldman Sachs - CLSより引用

我が社は、ゴールドマンサックス証券がクロス通貨スワップ決済コミュニティに加わることを喜ばしく思っております。市場参加者の間ではリスクの軽減や流動性の最適化、ポストトレードの効率化に関する需要がこれまでになく高まっております。我々はFX市場の金融インフラを提供するユニークな特性を活かすと共に、IHSマークイットを含む共通の顧客基盤を有する有力サービスプロバイダーと協働することにより、今回のような付加価値サービスを提供できます。

Keith Tippell, Head of Product at CLS - CLSより引用

CLSとの協働は、通貨スワップ市場の効率化を図る画期的な事例と言えます。MarkitSERVに接続するグローバル金融機関が拡大を続ける中、ゴールドマンサックス証券がクロス通貨決済コミュニティに加入したことは、更なる市場の効率化に寄与すると見ております。

Chris Jackson, Managing Director of IHS Markit - CLSより引用

尚、足元の新型コロナウイルス(COVID-19)禍において、ゴールドマンサックスは金の値上がりを予想しており、マルチアセットクラスに対応したサービス強化を図っている。そして今回、同社は決済リスクの軽減やコストの削減に繋がるサービスを導入することで、更なる顧客満足度の向上が期待できそうだ。

release date 2020.06.15

出典元:

ニュースコメント

官民で続々と進む新たな決済ソリューションの開発・利用

クロス通貨スワップ決済サービスにおいて利用されるマルチラテラル・ネッティングは、日本を含む多くの国々がセントラル・カウンターパーティーを導入することで、より複雑で件数も大きい取引の決済を効率的なものにしている。足元では、クロスボーダー取引の拡大に伴い、決済リスクの軽減やコストの削減に繋がる高付加価値の決済ソリューションの開発及び利用が拡大している状況だ。例えば、TrueFXが新清算会員ネットワークを開設したほか、GMEXとDPNがハイブリッド型証券取引所を開設し、シームレスなマルチアセット取引や清算及び決済を実現させている。また、スウェーデンが欧州中央銀行(ECB)の即時決済システムに加入しことに加え、シンガポール金融管理局(MAS)とカナダ銀行がクロスボーダー決済の実証実験を成功させるなど、国レベルにおいても決済ソリューションの開発及び利用が積極的に進められている。今後も、官民が決済リスクの軽減や利便性向上に繋がる決済システムを構築することを期待したい。


Date

作成日

2020.06.15

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル