Select Language

Nexus Mutual、大手仮想通貨取引所ユーザーに分散型保険サービスを提供

Nexus Mutual、大手仮想通貨取引所ユーザーに分散型保険サービスを提供

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:33
Nexus Mutual、大手仮想通貨取引所ユーザーに分散型保険サービスを提供

update 2021.08.31 15:33

イーサリアムブロックチェーン上で相互保険の運用を実現

分散型保険を提供するNexus Mutualが、コインベースやバイナンス、Kraken(クラーケン)、ジェミニなどの大手仮想通貨取引所のユーザーを対象にサービスを拡大していることが明らかになった。[1]

これまでNexus Mutualは分散型金融(DeFi)分野、主に分散型取引所(DEX)に焦点を当ててきた。しかし、中央集権型の取引所が割高な保険料を支払っているのに加え、ハッキング被害などに備えて莫大な保険基金を運用している問題を解決するために、ユーザーに直接保険サービスを提供することを実現したという。Nexus MutualのCEOであるHugh Karp氏は、大手取引所から強い需要が生じている事実に触れ、今後、同社の保険サービスを拡大していく予定だと述べた。

Nexus Mutualは英国における裁量的相互保険(Discretionary Mutual Insurance)の法的フレームワークを採用しているが、これに対して分散型のアプローチを取っている。具体的にNexus Mutualはイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上に独自仮想通貨のNXMトークンをプールし、分散型のガバナンスシステムを介して保険請求の承認または拒否を決定する仕組みを構築した。このシステムに参加するメンバーは各取引所に対してリスク査定を行い、NXMトークンを預け入れることで相互保険を成立させる役割を担っている。Nexus Mutualの保険サービスでは、取引所のハッキング被害で資金の10%以上を失う、または、90日以上出金が不可能となった場合、保険金を受け取ることができるようだ。

Karp氏はNexus Mutualのエコシステムが発展段階にあると言及した上で、最終的に連邦預金保険公社(FDIC)のような保険サービスを提供することを目指す必要があると主張した。また、Karp氏はNexus Mutualの分散型保険サービスが業界の課題を解決するソリューションになり得るとコメントしているが、これが仮想通貨市場にどのような変化をもたらすのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。

release date 2021.01.14

出典元:

ニュースコメント

信頼できる保険制度の確立が求められる仮想通貨市場

既存の金融業市場では、規制された環境下での顧客資産の保護が確実なものとなっているが、海外FXブローカーのICM.comが最大500万ポンド補償する保険サービスを提供するなど、各企業は更に安全性を高めるための取り組みを進めている。対照的に、仮想通貨市場では投資家が想定外のリスクを数多く抱えており、それが投資を妨げる潜在的な要因となっているようだ。最近では秘密鍵の管理者と連絡が途絶えたことを背景に、大手取引所のOKExが全出金を停止するなど、投資家の不安を煽るような出来事も発生している。このようなリスクに対して大手取引所は保険プログラムを提供することで対処しているが、一部投資家はその適応範囲や制度の透明性を疑問視しているという。実際に韓国では保険会社が仮想通貨のハッキング被害に対する保険金支払いを拒否し、取引所が破産申請する事態に陥った例も報告されている。今年はビットコイン価格が年初から高騰しており、仮想通貨市場への注目が高まっているが、より多くの投資を呼び込むためには信頼できる保険制度の確立が必要不可欠になってくると言えるだろう。


Date

作成日

2021.01.14

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXがオンラインカジノ規制の影響を受ける理由とは?出金できなくなるリスクも

2025年以降、オンラインカジノ規制の影響と見られる海外FX業者の国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

メタマスクからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にメタマスクから国内取引所のビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金した経験をもとに、送金手順や手数料、事前に知っておきたい注意点などを紹介します。
update2025.05.01 19:00

ThreeTrader・Vantageが消えた?偽アカウントによる詐欺に注意

ThreeTraderやVantageのX(旧Twitter)公式アカウントに表示制限がかけられていることが確認されました。本記事では海外FX業者のアカウントが制限された背景や、こうした状況で注意すべき偽アカウント詐欺について説明します。
update2025.07.04 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル