作成日
:2021.01.07
2021.08.31 15:31
仮想通貨取引所のLCX.comは、リヒテンシュタインで8つの仮想通貨関連ライセンスを取得し、仮想通貨取引サービスを開始したことを発表した。
1月5日の発表によると、今回、LCX.comはビットコイン(Bitcoin)およびイーサリアム(Ethereum)とUSDコイン(USD Coin)および独自仮想通貨であるLCXトークンの取引サービスを提供するという。LCX.comは仮想通貨取引だけでなく、仮想通貨カストディや価格オラクル、仮想通貨コンプライアンス、スマートコントラクト作成、トークンオファリングなどのサービスを提供することが認められており、既にセキュリティトークン関連の事業を展開しているようだ。これに関してLCX.comは同取引所がリヒテンシュタイン唯一のトークン発行者だと説明し、金融機関の独自仮想通貨発行をサポートすることができると言及した。
LCX.comの共同創設者兼CEOであるMonty Metzger氏は、2021年がブロックチェーンイノベーションの年になると主張しており、仮想通貨コンプライアンスが成長の鍵だと前置きした上で同取引所が新世代を担う存在になり得るとコメントしている。実際にLCX.comはブロックチェーン分析会社のEllipticとパートナーシップを締結するなど、不正取引に対するコンプライアンスの自動化に注力しているという。
現在、年初からの高騰を見せたビットコイン価格は3万4,000ドルに到達するなど、機関投資家の資金が流れ込む形で好調を維持しているが、LCX.comはこの恩恵を受けることができるのか、今後も同取引所の動向に注目していきたい。
release date 2021.01.07
欧州の小国であるリヒテンシュタインは世界的な金融ハブとしてその地位を確立しているが、国内の企業は仮想通貨市場の拡大と共に仮想通貨関連サービスの立ち上げに注力し始めている。例えば、欧州でブロックチェーンバンキング事業を展開するBank Frickが機関投資家向け仮想通貨取引サービスを開始するなど、いち早く環境の変化に対応する形で顧客のニーズを取り込む動きに出ているという。その他にもリヒテンシュタインでは郵便局がビットコイン販売サービスを行なっており、多方で仮想通貨市場へのアクセスが拡大している。このような取り組みからリヒテンシュタインは、隣国のスイスに次いで欧州でも屈指の仮想通貨立国となりつつあるようだ。リヒテンシュタインは国家として積極的に仮想通貨やブロックチェーン技術を採用する方針を打ち出しているが、それがどのような成果につながるのか、今後も同国での動きを見守っていきたい。
作成日
:2021.01.07
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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