Select Language

リヒテンシュタイン、郵便局がビットコイン販売サービスを開始

リヒテンシュタイン、郵便局がビットコイン販売サービスを開始

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
リヒテンシュタイン、郵便局がビットコイン販売サービスを開始

update 2021.08.31 15:27

スイスの大手仮想通貨関連企業との提携により実現

欧州の小国であるリヒテンシュタインでは、国営郵便局のLiechtensteinische Post AG(本社:Alte Zollstrasse 11, 9494 Schaan Liechtenstein[1])【以下、リヒテンシュタイン郵便と称す】が首都ファドゥーツの店舗でビットコイン(Bitcoin)の販売サービスを開始することが明らかとなった。[2]

一般的に、仮想通貨取引所などのサービスを介して仮想通貨を購入すると、その管理はインターネット上のウォレットサービスで行うことになるが、リヒテンシュタイン郵便のビットコイン販売サービスでは、公開鍵と秘密鍵の情報が記録されている物理的な仮想通貨ウォレットが購入者に渡されるという。導入段階では、特定の店舗にて限定的に実施されるが、今後は他の店舗およびイーサリアム(Ethereum)、ライトコイン(Litecoin)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、リップル(Ripple)などアルトコインへの展開も計画されているようだ。

リヒテンシュタイン郵便は、サービスを開始するにあたり、スイスのツーク州に拠点を置く、仮想通貨ATMの運用を手がける、Värdex Suisse AG(本社:Värdex Suisse AG Schutzengelstrasse 36 6340 Baar Switzerland[3])【以下、Värdexと称す】とのパートナーシップを締結して、初めて仮想通貨分野への進出を果たしている。Värdexは、スイス政府の管理下にある最大のブロックチェーン企業で、POS(Point of Sale)と呼ばれる小売店などで利用される情報管理システムや国内26カ所でビットコインやイーサリアム、ライトコインなどの出金に対応した仮想通貨ATMサービスを提供している。

1999年に設立されたリヒテンシュタイン郵便は、9つの支店を通して国内で郵便サービスを提供しているが、他国の企業とも提携することで事業を拡大している。リヒテンシュタイン郵便の株式の25%はスイスで郵便サービスを展開するSwiss Post 【以下、スイス郵便と称す】によって保有され、重要な戦略的パートナーとなっており、今回、同社がビットコイン販売サービスを開始したのもスイス郵便が仮想通貨分野へ積極的な方針を取っている影響もあるようだ。

リヒテンシュタインとスイスは、仮想通貨市場の重要度が増しており、特に仮想通貨やブロックチェーン開発の中心地となっているスイスでは、明確な規制フレームワークを設け、仮想通貨市場への参入を目指す企業による、人材の確保や事業の立ち上げが進んでいる。リヒテンシュタインでは、仮想通貨を対象とした銀行サービスを提供するUnion Bank AGが、同国の金融市場庁(Financial Market Authority)の規制に則った独自のセキュリティトークンを発行することを発表したこともあって、業界から注目を集める地域となっている。

release date 2019.02.18

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨を歓迎するリヒテンシュタイン

欧州連合の非加盟国でありながら、欧州経済領域には加盟しているリヒテンシュタインは、新興企業にとっては鬼門となる欧州連合の規制を一部回避しつつ、欧州地域内で比較的自由に事業を展開できるというメリットがあり、多くの企業にとって魅力的な市場となっている。これに加えて、税制優遇などの後押しもあって、人口4万人規模の小さい市場にも関わらず、人口を超える数の企業が法人登記を行っているという。特に仮想通貨やブロックチェーンの新しい分野では、リヒテンシュタイン国王がスタートアップを促進させるとの宣言をしており、事業の立ち上げも盛んで、毎月のブロックチェーンに関するカンファレンスやイベントなどの支援活動も行われているようだ。また、大手仮想通貨取引所のバイナンスも進出するなど、業界の大手企業による市場開拓も進み、国民への仮想通貨の浸透度も高く、様々な局面での利用が促進されている。リヒテンシュタイン政府も、仮想通貨を歓迎している様子が伺えるだけに、今後もますますの発展が望めそうだ。


Date

作成日

2019.02.18

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

話題のDCJPYとJPYCの違い|海外FXの入出金に使えるのは?

DCJPYというデジタル通貨が話題となっています。一方で、海外FXユーザーの間ではJPYCへの期待も高まっています。本記事では、DCJPYとJPYCの特徴や違いを比較し、海外FXトレーダーにとってどちらが送金手段の選択肢となるのかを解説します。
update2025.09.26 19:30

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル