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リヒテンシュタイン、銀行が機関投資家向け仮想通貨取引サービスを開始

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update 2021.08.31 15:27
リヒテンシュタイン、銀行が機関投資家向け仮想通貨取引サービスを開始

update 2021.08.31 15:27

高い信頼性を兼ね備えた新しい取引プラットフォーム

欧州でブロックチェーンバンキング分野の事業を展開するBank Frick & Co. AG(本社:Landstrasse 14 9496 Balzers Liechtenstein[1])【以下、Bank Frickと称す】は、機関投資家向けの仮想通貨取引サービスを提供するため、仮想通貨取引プラットフォームのThe DLT Markets AG【以下、DLT Marketsと称す】を新しく立ち上げたことを発表した。[2]

DLT Marketsは、顧客となる機関投資家に安全かつ利便性の高いサービスを提供することを目的に構築されており、複数の仮想通貨取引所へのアクセスを可能とするソリューションになっている。DLT Markets上での注文データやポジションの管理は、革新的なソフトウェアと世界中に分散されるプラットフォーム構造によって確実に遂行され、資産保有や決済等のトランザクションは正確に記録されるという。加えて、Bank Frickによると、DLT Marketsは、欧州連合の規制に準拠した金融機関によるサービスのため、従来の証券市場で提供されるような信頼性の高い取引環境の実現が可能となったようだ。

DLT Marketsの設立に関して、Bank FrickのCEOであるEdi Wögerer氏は以下のようにコメントしている。

DLT Marketsの設立によって、ブロックチェーンバンキング分野における主導的な立場をさらに明確なものとしました。我社は、フィンテック企業でありながら欧州連合の規制下にある銀行という特徴を持ち、顧客となる機関投資家向けの事業を展開しています。仮想通貨の取引や管理などのサービス水準は、従来の証券取引のように向上していくことでしょう。

Edi Wögerer, CEO fo Bank Frick - Bank Frick & Co. AGより引用

1998年にリヒテンシュタインの都市、バルザースでFrick Srによって創業されたBank Frickは、一族経営の銀行として存続しているが、現在は、大半の株式を保有するKuno Frick Family Foundationが実質的な支配権を握っていることに加え、米国のNasdaq証券取引所にも上場するフィンテック企業、Net1 UEPS Technologies, Inc.が35%の株式を取得して主要な株主となっている。Bank Frickの製品やサービスは、金融仲介業者や資産管理会社、決済業者、フィンテック企業などをターゲットとしたもので、ブロックチェーンバンキング分野において、ICO(イニシャルコインオファリング)や仮想通貨のカストディサービス、顧客企業へのディーリングサービス、担保可能資産としての仮想通貨の取り扱い、仮想通貨関連ファンドの開発などを事業として取り組んでいるという。2019年、Bank Frickは、事業拡大に力を注いでおり、DLT Marketsの立ち上げと併せて、フィンテック企業やブロックチェーン関連のスタートアップへの資金提供を目的としたDistributed Ventures AGという子会社を設立している。

DLT Marketsは、当局の規制下にある金融機関の義務としてKYC(顧客確認)やマネーロンダリング対策(AML)を徹底しており、安全な仮想通貨取引サービスを提供する世界的なパイオニア企業としての地位を確立しつつある。親会社のBank Frickは、今では120名の社員を抱え、英国ロンドンにも事業を展開していることもあり、DLT Marketsの機関投資家向けサービスも、欧州およびにグローバル市場の顧客による積極的な利用が進むことが期待される。

release date 2019.02.25

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨熱が高まるリヒテンシュタイン

オーストリアとスイスの国境に隣接するリヒテンシュタインでは、現在、国家ぐるみの取り組みとして、仮想通貨分野での事業立ち上げやブロックチェーン開発などが盛んに行われるようになってきているようだ。先日も、リヒテンシュタインの郵便局がビットコインの販売を一般利用者に向けて開始したことが発表されており、同国の仮想通貨への関心の高さが伝えられている。その他には、リヒテンシュタインの銀行であるUnion Bank AGが、同国の規制当局によるライセンスの発給を受けて、Union Bank Payment Coinと呼ばれる国際貿易やクロスボーダー取引の決済に利用するための独自の仮想通貨開発を進めていることが報道され、仮想通貨分野でグローバル市場に挑戦しようと試みていることが伺える。人口4万人にも満たない小国のリヒテンシュタインだが、共通の公用語としてドイツ語が話されているということもあって、クリプトバレーを抱える仮想通貨先進国であるスイスとの協業が進みつつある。それだけに仮想通貨関連の開発が積極的に進んでいくことが期待されるが、今後はどのような動きを見せるのだろうか。


Date

作成日

2019.02.25

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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