作成日
:2019.02.25
2021.08.31 15:27
欧州でブロックチェーンバンキング分野の事業を展開するBank Frick & Co. AG(本社:Landstrasse 14 9496 Balzers Liechtenstein
)【以下、Bank Frickと称す】は、機関投資家向けの仮想通貨取引サービスを提供するため、仮想通貨取引プラットフォームのThe DLT Markets AG【以下、DLT Marketsと称す】を新しく立ち上げたことを発表した。DLT Marketsは、顧客となる機関投資家に安全かつ利便性の高いサービスを提供することを目的に構築されており、複数の仮想通貨取引所へのアクセスを可能とするソリューションになっている。DLT Markets上での注文データやポジションの管理は、革新的なソフトウェアと世界中に分散されるプラットフォーム構造によって確実に遂行され、資産保有や決済等のトランザクションは正確に記録されるという。加えて、Bank Frickによると、DLT Marketsは、欧州連合の規制に準拠した金融機関によるサービスのため、従来の証券市場で提供されるような信頼性の高い取引環境の実現が可能となったようだ。
DLT Marketsの設立に関して、Bank FrickのCEOであるEdi Wögerer氏は以下のようにコメントしている。
DLT Marketsの設立によって、ブロックチェーンバンキング分野における主導的な立場をさらに明確なものとしました。我社は、フィンテック企業でありながら欧州連合の規制下にある銀行という特徴を持ち、顧客となる機関投資家向けの事業を展開しています。仮想通貨の取引や管理などのサービス水準は、従来の証券取引のように向上していくことでしょう。
Edi Wögerer, CEO fo Bank Frick - Bank Frick & Co. AGより引用
1998年にリヒテンシュタインの都市、バルザースでFrick Srによって創業されたBank Frickは、一族経営の銀行として存続しているが、現在は、大半の株式を保有するKuno Frick Family Foundationが実質的な支配権を握っていることに加え、米国のNasdaq証券取引所にも上場するフィンテック企業、Net1 UEPS Technologies, Inc.が35%の株式を取得して主要な株主となっている。Bank Frickの製品やサービスは、金融仲介業者や資産管理会社、決済業者、フィンテック企業などをターゲットとしたもので、ブロックチェーンバンキング分野において、ICO(イニシャルコインオファリング)や仮想通貨のカストディサービス、顧客企業へのディーリングサービス、担保可能資産としての仮想通貨の取り扱い、仮想通貨関連ファンドの開発などを事業として取り組んでいるという。2019年、Bank Frickは、事業拡大に力を注いでおり、DLT Marketsの立ち上げと併せて、フィンテック企業やブロックチェーン関連のスタートアップへの資金提供を目的としたDistributed Ventures AGという子会社を設立している。
DLT Marketsは、当局の規制下にある金融機関の義務としてKYC(顧客確認)やマネーロンダリング対策(AML)を徹底しており、安全な仮想通貨取引サービスを提供する世界的なパイオニア企業としての地位を確立しつつある。親会社のBank Frickは、今では120名の社員を抱え、英国ロンドンにも事業を展開していることもあり、DLT Marketsの機関投資家向けサービスも、欧州およびにグローバル市場の顧客による積極的な利用が進むことが期待される。
release date 2019.02.25
オーストリアとスイスの国境に隣接するリヒテンシュタインでは、現在、国家ぐるみの取り組みとして、仮想通貨分野での事業立ち上げやブロックチェーン開発などが盛んに行われるようになってきているようだ。先日も、リヒテンシュタインの郵便局がビットコインの販売を一般利用者に向けて開始したことが発表されており、同国の仮想通貨への関心の高さが伝えられている。その他には、リヒテンシュタインの銀行であるUnion Bank AGが、同国の規制当局によるライセンスの発給を受けて、Union Bank Payment Coinと呼ばれる国際貿易やクロスボーダー取引の決済に利用するための独自の仮想通貨開発を進めていることが報道され、仮想通貨分野でグローバル市場に挑戦しようと試みていることが伺える。人口4万人にも満たない小国のリヒテンシュタインだが、共通の公用語としてドイツ語が話されているということもあって、クリプトバレーを抱える仮想通貨先進国であるスイスとの協業が進みつつある。それだけに仮想通貨関連の開発が積極的に進んでいくことが期待されるが、今後はどのような動きを見せるのだろうか。
作成日
:2019.02.25
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー