Select Language

韓国証券取引所でビットコインETF導入の流れ

韓国証券取引所でビットコインETF導入の流れ

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
韓国証券取引所でビットコインETF導入の流れ

update 2021.08.31 15:27

米SECの判断を待って自国での取り扱いを検討

現在、米国で議論となっているビットコインETF(Exchange Traded Funds)だが、最近、韓国で唯一の証券取引所である韓国証券取引所(Korea Exchange)【以下、KRXと称す】でも、ビットコインETFの導入に対する期待が高まっていることが現地メディアの報道で明らかになった。[1]

関係者によると、KRXは、ビットコインETFに関する米国での動きを注意深く監視しており、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】の判断によっては、韓国内でもビットコインETFやそれに準ずる投資商品の導入に向けた議論が加速する可能性もあるとしている。米国は仮想通貨および関連するデリバティブ商品において先駆者的な存在となっているのに加えて、ビットコインETFを支持する声が大きいため、KRXは、米国市場でどのような枠組みでビットコインETFが承認されるかなどに注目しているようだ。

現状、韓国では、仮想通貨取引は合法となっているが、規制当局は、匿名での取引を法律で禁止するなど、規制の強化を始めている。しかしながら、昨年、韓国政府がブロックチェーンの研究開発に1兆ウォン(約8億8,000万ドル)投資することを発表して以来、多くの仮想通貨関連ベンチャーが立ち上げられており、2018年7月時点で、韓国市場での仮想通貨取引量が全世界の30%を占めるなど、市場は活気を帯びているようだ。高麗大学の研究者であるLee Kyung-Ho氏によると、このように政府がブロックチェーンの研究開発に向けた投資を拡大することは好ましい流れで、仮想通貨市場へのETF導入によるリスクの最小化または排除につながることに期待できるという。

現在、SECでは、BitwiseのビットコインETF申請に伴うNYSE Arca(ニューヨーク証券取引所の電子証券取引所)へのリスティング登録やVanEckとSolidXによるCBOE BZXへのリスティング登録に関する申請を審査中であるが、回答期限である2019年4月5日に向けて準備を進めているようだ。また、これまで市場操作の危険性があることから、SECは、9つのビットコインETFに関する申請を拒否しているが、対する申請者側は、ビットコイン価格指数などを利用するなど、信頼性の高い価格情報を参照するような新しい仕組みを考案しているようだ。これに関して、KRXは、SECの姿勢を支持する形で、信頼できる価格指数が欠けていることがビットコインETFの課題であることを指摘しており、商品化されて市場に統合された際、投資家保護の観点から、それがどのような意味を持つのかを議論しているという。

SECのコミッショナーであるRobert J Jackson Jr氏は、SECがビットコインETFを近々承認する確率は極めて高いと予測しているようだが、同時に市場でのリスクについても以下のようにコメントしている。

世界で最も高い流動性を誇る米国市場で承認を受けることは容易ではなく、また、そうでなければいけません。一度、SECが許可を出せば、小口の投資家も商品への投資が可能となりますが、それ自体が米国の投資家をリスクに晒す判断となり得ます。

Robert J Jackson Jr, Commissioner at SEC - Twitterより引用

ビットコインETFに関しては大口の投資家から、数百万ドル単位の資金が流入することも考えられるが、そうなれば、原資産となるビットコイン自体の価値も大幅に上昇することが考えられる。これに関して、VanEckの仮想通貨戦略部門のディレクターであるGabor Gurbacs氏は、数十億ドルから100億ドル規模の時価総額を記録する同社のゴールド(金)ETFを引き合いに出し、ビットコインETFがこの水準に高騰しても驚かないと言及している。

release date 2019.02.25

出典元:

ニュースコメント

ビットコインETFは韓国市場の流れを変えられるか

韓国は、米国や日本と並ぶ巨大な仮想通貨取引の需要を抱える市場として知られている。しかし、昨年、政府が取引所や個人投資家に対する規制を強めて以来、市場は低迷し、国内の仮想通貨人気は下火になっていた。しかしながら、最近では、韓国政府によるブロックチェーンの研究開発に向けた投資の拡大や、韓国を代表する電子製品メーカーのサムスンが、Galaxy S10にウォレット機能を実装し、仮想通貨の秘密鍵を保管できるようにするなど、仮想通貨市場にとって好材料となる報道もあり、市場が再び活発化することが期待される。今回のビットコインETFが現実のものとなれば、韓国市場にとって大きな転機となるかもしれないが、国内でも初となる投資商品のため、どの程度、投資を誘導できるかは未知数だといえる。まずはSECの承認が第一の関門となるが、世界市場を左右するイベントとなるだけに、4月の正式回答までSECの動向には注目したい。


Date

作成日

2019.02.25

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Exnessのスワップフリーが突然解除?!条件をサポートに直接聞いてみた

「Exnessのスワップフリーが解除された」という投稿がSNSの一部で話題になっていますが、解除の具体的な条件は公式サイトにも掲載されていません。そこで当サイトではサポートに直接条件を質問してみました。
update2025.08.25 19:00

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

XMTradingが新銘柄GAUUSDを追加!取引コストはGOLDより割高か

XMTradingが新たにGAUUSDなど4種類のゴールド銘柄を追加し、グラム単位で少額取引が可能になりました。この記事では、従来のGOLDとの取引コストやスワップを比較します。
update2025.10.10 19:00

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル