作成日
:2019.02.25
2021.08.31 15:27
現在、米国で議論となっているビットコインETF(Exchange Traded Funds)だが、最近、韓国で唯一の証券取引所である韓国証券取引所(Korea Exchange)【以下、KRXと称す】でも、ビットコインETFの導入に対する期待が高まっていることが現地メディアの報道で明らかになった。
関係者によると、KRXは、ビットコインETFに関する米国での動きを注意深く監視しており、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】の判断によっては、韓国内でもビットコインETFやそれに準ずる投資商品の導入に向けた議論が加速する可能性もあるとしている。米国は仮想通貨および関連するデリバティブ商品において先駆者的な存在となっているのに加えて、ビットコインETFを支持する声が大きいため、KRXは、米国市場でどのような枠組みでビットコインETFが承認されるかなどに注目しているようだ。
現状、韓国では、仮想通貨取引は合法となっているが、規制当局は、匿名での取引を法律で禁止するなど、規制の強化を始めている。しかしながら、昨年、韓国政府がブロックチェーンの研究開発に1兆ウォン(約8億8,000万ドル)投資することを発表して以来、多くの仮想通貨関連ベンチャーが立ち上げられており、2018年7月時点で、韓国市場での仮想通貨取引量が全世界の30%を占めるなど、市場は活気を帯びているようだ。高麗大学の研究者であるLee Kyung-Ho氏によると、このように政府がブロックチェーンの研究開発に向けた投資を拡大することは好ましい流れで、仮想通貨市場へのETF導入によるリスクの最小化または排除につながることに期待できるという。
現在、SECでは、BitwiseのビットコインETF申請に伴うNYSE Arca(ニューヨーク証券取引所の電子証券取引所)へのリスティング登録やVanEckとSolidXによるCBOE BZXへのリスティング登録に関する申請を審査中であるが、回答期限である2019年4月5日に向けて準備を進めているようだ。また、これまで市場操作の危険性があることから、SECは、9つのビットコインETFに関する申請を拒否しているが、対する申請者側は、ビットコイン価格指数などを利用するなど、信頼性の高い価格情報を参照するような新しい仕組みを考案しているようだ。これに関して、KRXは、SECの姿勢を支持する形で、信頼できる価格指数が欠けていることがビットコインETFの課題であることを指摘しており、商品化されて市場に統合された際、投資家保護の観点から、それがどのような意味を持つのかを議論しているという。
SECのコミッショナーであるRobert J Jackson Jr氏は、SECがビットコインETFを近々承認する確率は極めて高いと予測しているようだが、同時に市場でのリスクについても以下のようにコメントしている。
世界で最も高い流動性を誇る米国市場で承認を受けることは容易ではなく、また、そうでなければいけません。一度、SECが許可を出せば、小口の投資家も商品への投資が可能となりますが、それ自体が米国の投資家をリスクに晒す判断となり得ます。
Robert J Jackson Jr, Commissioner at SEC - Twitterより引用
ビットコインETFに関しては大口の投資家から、数百万ドル単位の資金が流入することも考えられるが、そうなれば、原資産となるビットコイン自体の価値も大幅に上昇することが考えられる。これに関して、VanEckの仮想通貨戦略部門のディレクターであるGabor Gurbacs氏は、数十億ドルから100億ドル規模の時価総額を記録する同社のゴールド(金)ETFを引き合いに出し、ビットコインETFがこの水準に高騰しても驚かないと言及している。
release date 2019.02.25
韓国は、米国や日本と並ぶ巨大な仮想通貨取引の需要を抱える市場として知られている。しかし、昨年、政府が取引所や個人投資家に対する規制を強めて以来、市場は低迷し、国内の仮想通貨人気は下火になっていた。しかしながら、最近では、韓国政府によるブロックチェーンの研究開発に向けた投資の拡大や、韓国を代表する電子製品メーカーのサムスンが、Galaxy S10にウォレット機能を実装し、仮想通貨の秘密鍵を保管できるようにするなど、仮想通貨市場にとって好材料となる報道もあり、市場が再び活発化することが期待される。今回のビットコインETFが現実のものとなれば、韓国市場にとって大きな転機となるかもしれないが、国内でも初となる投資商品のため、どの程度、投資を誘導できるかは未知数だといえる。まずはSECの承認が第一の関門となるが、世界市場を左右するイベントとなるだけに、4月の正式回答までSECの動向には注目したい。
作成日
:2019.02.25
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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