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フランス銀行副総裁、デジタルユーロ発行に向けて規制改革の可能性を示唆

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update 2021.08.31 15:31
フランス銀行副総裁、デジタルユーロ発行に向けて規制改革の可能性を示唆

update 2021.08.31 15:31

実証実験への実践的なアプローチの必要性を指摘

フランス銀行(Banque de France)の副総裁であるDenis Beau氏は、今月10日に開催されたParis Blockchain Summitに登壇し、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】実現に向けて規制の変更および法的フレームワークの構築を行う可能性があると言及した。[1]

フランス銀行は今年初め、CBDCのリスクとメカニズムを理解して欧州金融システムのデジタル化に貢献することを目的に、実証実験の実施計画を公表していた。実際にフランス銀行はソシエテジェネラル(Societe Generale)と協力し、デジタルトランザクションや証券のトークン化、プライベートブロックチェーンでの決済などのテストを行なっているという。これに関してBeau氏は、マネーロンダリング防止(AML)の確認で余計なコストやトランザクションの遅延が生じていると説明しており、デジタルユーロの実証実験を行うために実践的なアプローチを取る必要があると主張した。

また、Beau氏はデジタルユーロのテストプロセスについて次のようにコメントしている。

今後のCBDCのテストでは、CBDCと金融商品の取引方法や国際取引を改善するための手段、金融業界の企業にCBDCを普及させるための新しい道筋に加え、エコシステム内の主要なプレーヤーが未来の市場環境をどのように見通しているかなどを検証します。このテストは既存の法的フレームワークの中で行われることから、それが適切なものであるかを評価する結果につながると言えるでしょう。

Denis Beau, Deputy Governor at Bank of France - Bank for International Settlementsより引用

最近、欧州中央銀行(European Central Bank)【以下、ECBと称す】はデジタルユーロ関連の取り組みを加速させており、欧州圏内で一般大衆向けのCBDCが成立するかを検討しているという。これに対して米大手銀行のBofAはデジタルユーロ発行の危険性を警告しているが、ECBおよび欧州各国はどのような判断を下すのか、今後も同地域での展開を見守っていきたい。

release date 2020.12.15

出典元:

ニュースコメント

ステーブルコイン規制で連携したアクションが求められる欧州各国

ECB総裁はステーブルコインが金融システムの安全を脅かす可能性があると言及し、Facebook(フェイスブック)のディエム(Diem)や中国人民銀行(People's Bank of China)のデジタル人民元などの世界的なステーブルコインが普及することに強い懸念を示している。しかしながら、既に欧州内でもドイツ老舗銀行のBVDHがEURBを発行するなど、現実的に決済利用可能な仮想通貨が登場している状況だ。その他にも、世界最大のステーブルコインを運用するテザー社もテザーEURと呼ばれる仮想通貨を発行しており、仮想通貨市場での需要を拡大しているという。これに対して欧州各国は欧州委員会(European Commission)などを中心に、連携してアクションを取る必要があると考えられるが、どのような動きに出るのか、今後も同地域での仮想通貨を取り巻く環境の変化に注目していきたい。


Date

作成日

2020.12.15

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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