Select Language

ECB総裁、ステーブルコインが金融システムの安全を脅かす可能性があると言及

ECB総裁、ステーブルコインが金融システムの安全を脅かす可能性があると言及

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:31
ECB総裁、ステーブルコインが金融システムの安全を脅かす可能性があると言及

update 2021.08.31 15:31

リブラなどの世界的なステーブルコインがもたらすリスクを懸念

欧州中央銀行(European Central Bank)【以下、ECBと称す】のChristine Lagarde総裁は、先月30日に掲載された雑誌のインタビュー記事で、ステーブルコインが金融システムの安全を脅かす可能性があるとの見解を示した。[1]

この記事の中でLagarde総裁は、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency, CBDC)であるデジタルユーロの有効性を強調すると同時に、その他仮想通貨やステーブルコインの利用に危険が潜んでいると主張した。また、Lagarde総裁はこれらの仮想通貨がテクノロジーに依存しており、識別可能な発行者の情報などが存在せずに流動性や安定性、信頼性が欠けているため、通貨としての機能を果たしていないと述べている。ステーブルコインはこれらの課題を解決しつつあり、決済システムにイノベーションをもたらす可能性があるが、Lagarde総裁は依然として深刻なリスクがあると警告した。

これに加え、Lagarde総裁はFacebook(フェイスブック)のリブラ(Libra)などの世界的なステーブルコインに関して次のようにコメントしている。

特にグローバルテクノロジー企業によって発行されるステーブルコインは、欧州の競争力と技術的な自立性にリスクをもたらす可能性があります。これら企業の支配的な立場は、競争と消費者の選択を阻害し、プライバシーと個人情報に関する懸念を拡大することになると言えるでしょう。

Christine Lagarde, President of European Central Bank - European Central Bankより引用

その他にもLagarde総裁は、大量の銀行預金がステーブルコインに移行した場合、銀行業務や金融政策に影響があると言及している。先日、Facebookが2021年1月のリブラ発行を計画していることが明らかになり、世界的なステーブルコインの登場が現実味を帯びてきているが、ECBを始めとする各国の規制当局はどのような対応を見せるのか、今後も仮想通貨市場での展開を見守っていきたい。

release date 2020.12.02

出典元:

ニュースコメント

欧州でステーブルコイン規制に向けた草案作成が進む

近年、仮想通貨取引やDeFi(分散型金融)関連サービスの登場によりステーブルコインに対する需要が拡大しており、最大のシェアを誇るテザー(Tether)に至ってはその時価総額が160億ドル規模に達しているようだ。この現状を受け、今年9月にはフランス、ドイツ、スペイン、オランダ、イタリアの欧州主要国がECにステーブルコインへの対策強化を要請するなど、欧州では仮想通貨の実用化に備える動きが活発になってきている。報道によると、既にECはステーブルコイン規制の草案を作成しており、法的確実性や消費者の安全、金融市場の安定性を確保することを目的としたフレームワークの構築を検討しているという。これに同調する形で英国財務省もステーブルコインを規制する草案作成を進行し、各国と連携して欧州市場を保護する動きに出ているが、仮想通貨市場を取り巻く環境はどのように変化していくのか、今後もその動向に注目していきたい。


Date

作成日

2020.12.02

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル