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HSBC、米国リテールバンキング事業から撤退する計画

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update 2021.08.31 15:33
HSBC、米国リテールバンキング事業から撤退する計画

update 2021.08.31 15:33

アジア及び中東地域の機関投資家ビジネスに注力する方針

世界最大級の投資銀行であるHSBC(本社:8 Canada Square London E14 5HQ United Kingdom[1])が、収益の低迷する米国リテールバンキング事業からの撤退を検討していることが明らかになった。[2]

HSBCは米国市場からの撤退を正式決定していないが、同行のシニアマネージャーによると、12月の取締役会にて計画が提案される見通しであるという。HSBCはリテールバンキング事業から撤退し事業縮小を図る一方、米国での投資銀行業務は継続すると共に、主要市場としてサービスを拡充しているアジア及び中東地域の機関投資家ビジネスに注力する方針とのことだ。

HSBCはグローバルベースで事業の見直しを進めており、既に35,000名に上る従業員の削減計画を発表している。また、同行は英国とフランスの従業員をそれぞれ300名、255名削減する計画を公表している他、再編計画の一環として、直近11月24日には、債券トレーディングデスクヘッドを務めていたMichael Yarian氏を解雇している。

HSBCの業績に目を転じると、2019年度は423億ドルに上る運営コストを計上していた。2020年2月、同行は2022年までに年間費用を310億ドル以下に減らす大幅なコスト削減計画を発表しており、これらの従業員削減は計画の一環であるという。また、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、HSBCの2020年度上半期決算においては、税引前利益が前年同期比48%減と低迷する結果であった。

グローバル戦略の転換を図るHSBCが、注力市場と位置付けるアジア及び中東地域で如何なるソリューションを提供するか注目したい。

release date 2020.12.02

出典元:

ニュースコメント

新型コロナ禍において事業再編を図る伝統的金融機関

収益性の向上を目指すHSBCは、事業の再構築に加えて多岐にわたるソリューションの強化を推し進めている。例えば、HSBCはデリバラブルなFX取引を拡充する方針を示している他、NDFアルゴリズム執行ツールをリリースした。また、同行はブロックチェーンを活用したFX取引コストの大幅削減も実現させている。他方で、新型コロナ禍においてフィンテック企業やチャレンジャーバンクなどが攻勢を強める中、HSBC以外の伝統的金融機関もデジタルソリューションの提供や事業再編を進めている状況だ。例えば、スタンダードチャータード銀行がAmazon Web Services(AWS)と提携し、新たなデジタルバンキングサービスの提供を模索している他、野村証券はOneStockをリリースし、幅広い顧客層の獲得を目指している。また、UBSとクレディスイスが合併を模索しているように、業界再編の動きも生じている。伝統的金融機関がグローバルベースで顧客基盤の維持・拡大を図るべく、ニーズにマッチした革新的なソリューションを提供することに今後も期待したい。


Date

作成日

2020.12.02

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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